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Yamareco

記録ID: 1013527
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

常念岳・蝶ヶ岳

2001年08月25日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
15.1km
登り
2,056m
下り
2,047m

コースタイム

ルートはヤマプラで作成。

0450 駐車場発
0500 登山口
0555/0600 休
0645 「常念まで 4.1km」看板
0705/0715 休
0800/0805 前常念岳
0840/0915 常念岳
1015/1020 休
1055/1105 蝶槍
1110/1135 蝶ヶ岳山頂
1235 蝶ヶ岳ヒュッテ
1340/1350 休
1455 登山口
1505 駐車場着
アクセス
予約できる山小屋
蝶ヶ岳ヒュッテ

感想

蓼科でワークショップに参加したついでに(どっちがついでだ?),常念に 登ることにした.常念はこれまで槍などから見たことはあったのだけど,登る機 会がなかなかなかったのだ.

三股には前日のうちに入る.明るいうちに入るつもりだったのだが,事情で 暗くなってからになってしまい,道がわからなくて苦労した.ほりで〜ゆ〜四季の郷 という施設 へ向かう道を進めばよいことがあとでわかった.三股はその施設からさらにさら に奥へ 10km ほど行ったところ.夜中だと,一体どこまで行けばよいのかと不安 になるくらい遠かった.

三股駐車場は,その狭い道の終点にある.なかなか広い.たしかに 50 台以上は 駐車できそうだ.僕が着いた21時頃では,8割方は埋まっていた.臭いトイレ のそばに車を停めて,その横にテントを張る.混んでいる駐車場にテントを張る のはいささか気が引けたが,横にならないと眠れないのだ.しかし横になっても 眠れなかった.引切り無しに車が入ってくるからだ. 半睡のまま,午前4時に起きる.準備をして出発.駐車場に水場はなくて,念の ために持ってきておいた水を,4L 持っていくことにする.駐車場の最も奥が登 山道への入り口らしかった.他にそれらしきものは何もないからだ.案内板もな い.例によって極めて不親切である.これだけ立派な駐車場を作りながら,登山 道がどこにあるのかの案内のひとつもないなんて….

林道を10分ほど歩くと,登山口に出る.ここで登山届けの提出などができる. 簡単な水道の蛇口がぽつりと立っていたが,使えるのだろうか? 常念・蝶への それぞれの道の分岐点は,この登山口から数メートル先になる.今回は常念から 登り,蝶を回って下りることにした. 常念への登りは,最初は急登が続く.倒木が多かったりして結構大変な道だ.今 回は標準CT 11:30 の長丁場なので,体力温存のために,この登りはゆっくり歩 いた.常念への半ばあたりで尾根に出て,登りは一息つく.しばらくすると森林 限界を越えて,岩場とともに前常念岳が顔を出す.この岩場を登っていくのが今 回でいちばん苦労したところだった.これをクリアすると,その先間近に,常念 岳を見ることができた.これはすぐ近くに見えたけれど,本当に近くて,するり と登れた.

僕が山頂に着いた瞬間は,ちょうど岳人のカメラマンが穂高連峰をバックに集合 写真を撮り始めるところだった.来年の夏山特集号に載りますので参加してくだ さいと声をかけられたが,辞退した.そのとき山頂にいて辞退したのは,僕と, 僕と同時に山頂についた夫婦連れだけだったようである.

撮影が終わって山頂が開放されてから,まず三角点を探したが見当たらない.地 図で確かめてみると,常念岳山頂には三角点はないらしい.まあ別に三角点を踏 むことにこだわる必要はないんだけどね.三角点なんて役人が便宜上で作っ ただけの,ただの石なのだ.…でもね,何か気になるんだよね,三角点って.

常念岳山頂では半時間ばかり槍・穂を眺めて過ごす.あまりに圧巻で,ここでど う表現したら良いのか皆目見当もつかない.そのかわりに,見えたものを左から 順に並べてみよう.乗鞍,霞沢,明神,前穂,奥穂,ザイテングラート,涸沢岳, 北穂,大キレット,南岳,中岳,大喰岳,槍,東鎌尾根,双六,三俣蓮華,鷲羽, 水晶,野口五郎,西岳と喜作新道,大天井.どーですか,何だかヨダレが出てき ますね.隣の蝶は,残念ながらガスで見えなかったが,これだけいっぺんに視界 に飛込んでくるなんてちょっと信じられない.

このとてつもない景色を,コーヒーを飲みながら静かに楽しむ.見えてるところ はだいたい歩いたことがあるんだなあ,つらつら考えると,僕も随分たくさん 歩いたものだなあ…なんて思いながら.しかし山頂は,思い出に浸るにはいさ さかうるさすぎた.

名残惜しいが時間もないので常念岳山頂を後にする.ここから蝶までは,ふたつ の小ピークを越えなければならない.景色の良い稜線歩きを想像していたのだが, 標高が下がると林の中に入ってしまい,展望はなかった.体力を温存しておいた おかげで,このいくつかの登りに対してもバテることはなかった.それにしても 空身というのは楽だ.

蝶槍の手前でまた林が切れて,槍・穂の景色に再会する.どうせ常念からと同じ 景色だろうとたかをくくっていたら,そんなことはない.今度は穂高連峰がより 間近に見える.素晴らしい.焼岳も見える.いよいよ北アの百名山では残すとこ ろこの焼岳だけとなったわけだ.長い長い槍沢も見える.横尾から槍に到達する には,あんな長い道をいかなければならないのだ.何度か歩いたことはあるはず だが,あんなに長い道を歩いたのかと思うと感慨深いものがある.ついさっき登っ た常念もようやくガスの中から顔を出した.

蝶槍から少し行くと,広い山頂を持つ蝶ヶ岳に到着する.ここで昼寝.そこから 蝶ヶ岳ヒュッテまでは雲上の散歩道.これだよ,これ,僕が求めていたものは!  槍から南岳の間の稜線歩きを思い出す.いろんなところで立ち止まっては槍と 穂高連峰を眺める.うーん,下りるのが惜しい.どうしてこの山塊はこんなにも 美しいのだろう? もし人が山を作れるとしたとしても,果たしてこんなにも美 しく作れるものだろうか? …などとつらつらと考えていた.

下山はまたゆっくりと,足を痛めないように.結構な悪路で,悪路注意の看板が 何度も出てくるくらいである.展望も殆んどない.でもまあ,あとは下るだけだ. 何とか目標の15時までに下山することができた.

山の素晴らしさを改めて実感できた.日帰りの簡単な山行のわりにはすごく 楽しませてもらった.良いコースだ.もし松本に住んでいたら,思い立ったらふ らっとやって来られるんだよね羨ましい

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