また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

記録ID: 1033271
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
富士・御坂

【冬富士】〜滑落の恐怖・無念の敗退〜(御殿場ルート、太郎坊洞門から)

2016年12月25日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
6
1〜2泊以上が適当
GPS
14:31
距離
18.2km
登り
2,284m
下り
2,306m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
12:25
休憩
1:55
合計
14:20
2:27
29
2:56
2:59
11
3:10
3:10
58
4:08
4:08
224
7:52
8:19
55
9:47
9:59
44
10:43
10:50
43
大弛沢中腹、標高3540m付近の撤退ポイント
11:33
11:55
70
13:39
13:40
20
14:00
14:01
97
15:38
15:39
33
16:12
16:14
6
16:20
16:23
24
16:47
太郎坊洞門
 
・GPS(ガーミン・etrex 30J )のログデータをそのまま添付しています。
(但し、今回は最後の大石茶屋からゴール地点の太郎坊洞門までのログがとれていなかった為
 この間は手書きで繋いであります。通過時間は写真を見て手入力しています)
・それ以外の大部分の区間の通過時刻や移動距離については、GPSのログデータ通りで、
 写真の撮影時刻と数分のズレはあるものの、当日私が実際に歩いたデータと
 ほぼ相違のないものであると思います。

・GPS距離:18.09km
・累積標高:上り、約2234m

*今回の山行(実際の歩行データ)は、基本的に冬期登山ということで、
 所々夏道を大きく外れて直登していたり、一部、道間違いをして
 大トラバースするなど、夏道(無雪期)の距離&時間との比較という意味では
 ほとんど参考にならないデータであると思います。

【参考】御殿場ルート、無雪期標準CT(ヤマプラより)
・登り(太郎坊洞門〜御殿場ルート山頂まで):9時間00分(540分)休憩含まず
・下り(御殿場ルート山頂〜太郎坊洞門まで):3時間55分(235分)休憩含まず
*下りの標準CTは、下り専用の下山道”大砂走”を利用した場合のタイムです。
*往復合計:12時間55分(775分)休憩含まず



*ルートマップを拡大していただくとわかりますが、
 今回は以下の通り、2つの大きなミスをしています。

1)まず最初に、冬期富士登山の御殿場ルートで入ってはいけないとされる
  ”大砂走”(強風&竜巻の通り道)に夜間ということもあり気がつかず入ってしまいました。
  その後、途中で間違いに気づき、大きくトラバースしてブル道へ戻っています。

*大石茶屋から六合目付近までは、登山道とブル道が並行しています。
 そのブル道と登山道の筋がそれぞれ1本の縦筋だと非常に分かりやすく
 迷わずに済みますが、実際には何本もの縦筋が走っており、
 特に夜間などはいつの間にか西寄りの縦筋にズレながら進んでいると、
 気が付いた時には大砂走に入っていた…
 今回の私がまさにそうで、慣れていないと非常に間違え易いと感じました。
*とにかく標柱が暫く見えなくなったら要注意。確認が必要です。
(ただ、現地にいた冬富士経験者の方が、この標柱もかなりなぎ倒されており、
 昔に比べてかなり本数が減ってしまったと仰っていました)

2)今回のルートの核心部である、八合目から山頂までのルートについて、
  これまた気付かずに八合目の”見晴館跡”を下から巻いてしまった為
  長田尾根(露岩で多少の手掛かりがある岩尾根のルート)との選択の余地なく、
  そのまま全面アイスでフラットな1枚バーンである大弛沢へと進入していました。

*今回のような斜面に雪付きがほぼゼロで、全面カチカチのアイスバーンが剝き出しの場合
 八合目から先の核心部は、やはり岩尾根である長田尾根が正解であったと思いました。
*勿論、長田尾根を使う場合は尾根上に乗ることになるので、
 大弛沢より風のリスクは高まります。
 しかし今回のような弱風のコンディションでは、
 やはり長田尾根がベストであったと思います。


最後に…
*今回の山行では、この2つの大きなミスがあった為に、無駄な時間と労力を費やし、
 また、最も危険を伴う最後の核心部で大弛沢を選択したことにより、
 滑落のリスクまで高めてしまいました。
 これらの判断ミス等含め、全ての失敗は私自身の責任です。
 結果、この時期の富士山上部としては稀な弱風で、絶好のアタック日和だったこの日に、
 私は山頂を踏むことができませんでした。
 
天候  
・天候:晴れ
・風:終日5m〜10m/sec程度
(最大でも瞬間的に15m/sec程度)
*この時期の富士山では異例とも言える弱風
 
過去天気図(気象庁) 2016年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
 
・富士山スカイライン(県道23号線ー152号線)沿いの
 ”太郎坊洞門横”の空きスペースに駐車
*駐車台数は最大でも6〜7台くらいが限界です
*この時期(冬期)でも、晴天の土日の場合、
 深夜には埋まっている可能性大です
 
コース状況/
危険箇所等
 
【積雪状況及び、雪質について】 2016/12/25 時点

・12/25時点での積雪は、高度2600m前後から出始めました。
 2600mの出始めから表面が薄氷状態でしたので、
 この時点ですぐにアイゼンを装着しないと滑るような状況でした。
・その後、徐々に薄氷から本当に硬く氷結したアイスバーンへと変わり
 七合目の日の出館の手前辺りで、完全な氷の大斜面と化していました。
・七合目から今回撤退した大弛沢中腹の高度3540m地点までは、
 完全なる氷の大斜面で、この間の雪付き箇所は見た限り全く無し。
 この状態のまま山頂まで続いているものと思われます。
・八合目からのもう一つのルートである長田尾根は登っていないので
 詳細はわかりません。しかし、八合目までの露岩帯の状況からすると
 所々岩の先端が露出しているものの、実際にはその上に雪ではなく、
 レインクラストとも思える透き通った氷がごっそりヘバリついており、
 ”岩尾根の露岩を手掛かりに”と思っていたのですが、結局八合目まで
 岩尾根(露岩帯)を通っても、フラットの1枚バーンを通っても、
 氷に対するアイゼンの食い込み具合は大して変わらなかったので、
 私は多少でも歩き易いフラットの大斜面を直登して進みました。

*しかし、八合目から上の大弛沢(ガチガチの1枚バーンの沢ルート)
 の選択は失敗でした。やはり今回のような雪付きゼロの状況下では
 多少でも凹凸のある長田尾根を使うべきだったと思います。


【七合目以降の氷の硬さについて】 2016/12/25 時点

・七合目から上の氷結斜面の硬さ(質)は、研いだばかりの
 12本爪アイゼンを強く蹴り込んで食い込む量はせいぜい1cm未満。
 何もしないで歩を進めれば、アイゼンがただ氷の上に乗っているだけ
 (爪の先端が2〜3mm食い付いているかどうか)という状態でした。
 勿論、この状態で氷結した急斜面を登降(特に下り)はできないので
 七合目から上は一歩ずつ、全歩数強く蹴り込みながら進みました。


【コース状況、その他】 2016/12/25 時点

・御殿場口新五合目〜次郎坊〜高度2600m付近までは雪もなく、
 特筆すべき問題はありません。
 ただ、夜間や濃霧時に通る場合は、頼りになる標柱が以前より
 なぎ倒されて減っているとの事ですので、ご注意下さい。
 また、この間はブル道と同じような縦筋が複数走っているので、
 気付かないうちに大砂走寄り(西側)へ行かないよう注意が必要です。

・高度2600m〜七合目までは、雪(氷)が出始めるものの、
 まだ薄氷状態で、夏道も完全に消えておらず
 特に大問題となるようなことは見当たりませんでした。

・七合目から撤退地点(大弛沢中腹の高度3540m付近)までは、
 夏道の九十九折れが僅かに残っている箇所と消えている箇所があり。
 また、山小屋もほぼ埋まって氷結斜面と同化しているところと、
 半分程度露出している箇所もあり。しかし総じていえば、
 七合目から上の大部分のエリアは、氷結した1枚のフラットバーンと
 化しているので、この先のルートについては、その時の風の状況や
 雪質などを考慮して都度適切なルートを自分で選定して
 進んでいくことになると思います。


*上記の積雪状況や雪質、ルートの状態は、12/25時点の状況です。
 この時期は気象状況により、日々雪面の状態やルートの状況、
 積雪量などが変化しますので、あくまで今冬の今時期の状況として
 参考程度に捉えていただくようお願いいたします。
 
予約できる山小屋
御殿場口新六合目・半蔵坊
御殿場口七合四勺・わらじ館
御殿場ルート・新五合目登山口より約1.7km下にある
太郎坊洞門横の駐車スペースに到着(自宅からここまで約1時間半)
*ここの駐車台数は多くても6〜7台程度が限界です
これから2時頃まで仮眠してスタートの予定です
2016年12月25日 00:30撮影 by  DSC-WX350, SONY
4
12/25 0:30
御殿場ルート・新五合目登山口より約1.7km下にある
太郎坊洞門横の駐車スペースに到着(自宅からここまで約1時間半)
*ここの駐車台数は多くても6〜7台程度が限界です
これから2時頃まで仮眠してスタートの予定です
1時間半ほど仮眠後、食事を済ませ出発の準備をします
あの先に見えるトンネル(太郎坊洞門)を抜けて
すぐのところを左折すると”富士山スカイライン・太郎坊線”があります
2016年12月25日 02:14撮影 by  DSC-WX350, SONY
4
12/25 2:14
1時間半ほど仮眠後、食事を済ませ出発の準備をします
あの先に見えるトンネル(太郎坊洞門)を抜けて
すぐのところを左折すると”富士山スカイライン・太郎坊線”があります
本日のお荷物(約9.5kg)
飲料1.5L(水1L+スポドリ500ml)、防寒着、12爪アイゼン(爪研ぎ済)、グローブ
ゴーグル、フェイスマスク他、完全雪山装備です(今回、ピッケルも新調しました)
2016年12月25日 02:15撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 2:15
本日のお荷物(約9.5kg)
飲料1.5L(水1L+スポドリ500ml)、防寒着、12爪アイゼン(爪研ぎ済)、グローブ
ゴーグル、フェイスマスク他、完全雪山装備です(今回、ピッケルも新調しました)
トンネルを抜けるとすぐに”富士山スカイライン・太郎坊線”があります(左)
ご覧のようにゲートが設けられており、現在車両通行止。
左のゲートをくぐり、車道を約1.7km歩いて新五合目登山口へ向かいます
(先ほどの駐車スペースから林間をショートカットするルートもあるようですが
 夜間で初めてだったので車道歩きにしました)
2016年12月25日 02:29撮影 by  DSC-WX350, SONY
2
12/25 2:29
トンネルを抜けるとすぐに”富士山スカイライン・太郎坊線”があります(左)
ご覧のようにゲートが設けられており、現在車両通行止。
左のゲートをくぐり、車道を約1.7km歩いて新五合目登山口へ向かいます
(先ほどの駐車スペースから林間をショートカットするルートもあるようですが
 夜間で初めてだったので車道歩きにしました)
太郎坊線の車道を歩くこと約25分、御殿場ルートの登山口である新五合目に到着
(五合目とはいっても標高は約1440m、吉田口ルートの1合目より低い)
ここから御殿場ルートを辿り山頂を目指します!p(^^)q
2016年12月25日 02:55撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 2:55
太郎坊線の車道を歩くこと約25分、御殿場ルートの登山口である新五合目に到着
(五合目とはいっても標高は約1440m、吉田口ルートの1合目より低い)
ここから御殿場ルートを辿り山頂を目指します!p(^^)q
新五合目登山口を出て5分ほどで”大石茶屋”に着きます(勿論、冬期閉鎖中です)
2016年12月25日 03:11撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 3:11
新五合目登山口を出て5分ほどで”大石茶屋”に着きます(勿論、冬期閉鎖中です)
この道標によると、ここから夏道(夏山条件)で約400分(6時間40分とのこと…)
*しかし各情報サイト等では、どこを見てもだいたい8時間30分前後となっています
ま、冬期の場合はルートも条件も全て違ってきますから…
あまり当てにはできませんネ^^;)
2016年12月25日 03:12撮影 by  DSC-WX350, SONY
3
12/25 3:12
この道標によると、ここから夏道(夏山条件)で約400分(6時間40分とのこと…)
*しかし各情報サイト等では、どこを見てもだいたい8時間30分前後となっています
ま、冬期の場合はルートも条件も全て違ってきますから…
あまり当てにはできませんネ^^;)
暫くこのような反射板付きの標柱を頼りに進んでいきます
ありゃ?今日は晴天予報のハズなのに小雪が舞ってきました…
2016年12月25日 03:53撮影 by  DSC-WX350, SONY
2
12/25 3:53
暫くこのような反射板付きの標柱を頼りに進んでいきます
ありゃ?今日は晴天予報のハズなのに小雪が舞ってきました…
一応、ここが”次郎坊”のようです(写真の時間で確認)
正直、現地では真っ暗で何にも判りませんでしたが、
私はここから登山道を選択し進んでいきました
(並行しているブル道で進んでも問題ありません。
 また、この先でも何回かブル道と登山道が交差します)
2016年12月25日 04:13撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 4:13
一応、ここが”次郎坊”のようです(写真の時間で確認)
正直、現地では真っ暗で何にも判りませんでしたが、
私はここから登山道を選択し進んでいきました
(並行しているブル道で進んでも問題ありません。
 また、この先でも何回かブル道と登山道が交差します)
積雪は高度2600m前後から(12/25時点)
ご覧のように薄氷状態ですが、薄いながらも表面がツルツルで非常に滑るので、
ここからアイゼンの装着が必要でした
2016年12月25日 06:50撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 6:50
積雪は高度2600m前後から(12/25時点)
ご覧のように薄氷状態ですが、薄いながらも表面がツルツルで非常に滑るので、
ここからアイゼンの装着が必要でした
今まで登ってきた斜面を振り返る
見ての通り、ひたすらフラットな大斜面を黙々と登り続けてきました
2016年12月25日 07:18撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 7:18
今まで登ってきた斜面を振り返る
見ての通り、ひたすらフラットな大斜面を黙々と登り続けてきました
山頂に向かって右側(東)。下界は曇り空のようです
まだこの辺の薄氷はアイゼンさえ装着すれば砕けるものでした
2016年12月25日 07:19撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 7:19
山頂に向かって右側(東)。下界は曇り空のようです
まだこの辺の薄氷はアイゼンさえ装着すれば砕けるものでした
こちらは山頂に向かって左側(西)。宝永山の先端が見えます
2016年12月25日 07:19撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 7:19
こちらは山頂に向かって左側(西)。宝永山の先端が見えます
山頂方面。まだまだ先は長い・・・
右に見える黒い部分が露岩帯。今後積雪が増えて、ラッセルがキツくなった時に
あそこを使うと多少はラクとのことです。
2016年12月25日 07:19撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 7:19
山頂方面。まだまだ先は長い・・・
右に見える黒い部分が露岩帯。今後積雪が増えて、ラッセルがキツくなった時に
あそこを使うと多少はラクとのことです。
出発から4時間50分、前方に七合目の”日の出館”が見えてきました
この付近はまだ薄氷なのでアイゼンで砕けるのですが、
その砕ける音がとても他の雪山では聞いたことがない、
ブリキ板がグシャグシャになるような音がしていました
それと、かなり平坦に見えますが、これでもそれなりに斜度はあります
2016年12月25日 07:19撮影 by  DSC-WX350, SONY
8
12/25 7:19
出発から4時間50分、前方に七合目の”日の出館”が見えてきました
この付近はまだ薄氷なのでアイゼンで砕けるのですが、
その砕ける音がとても他の雪山では聞いたことがない、
ブリキ板がグシャグシャになるような音がしていました
それと、かなり平坦に見えますが、これでもそれなりに斜度はあります
日の出館直下の急斜面。この辺からの氷はもう砕けません
アイゼンも蹴り込まないとロクに爪が食い込まないような硬さに・・・(^_^;)
2016年12月25日 07:49撮影 by  DSC-WX350, SONY
8
12/25 7:49
日の出館直下の急斜面。この辺からの氷はもう砕けません
アイゼンも蹴り込まないとロクに爪が食い込まないような硬さに・・・(^_^;)
そして出発から約5時間半、やっと七合目の日の出館に到着。ここでひと休みしました。
あの小屋前に堆積した雪もガチガチの氷なので、あの角度で横切るのはかなり困難な状況
2016年12月25日 07:57撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 7:57
そして出発から約5時間半、やっと七合目の日の出館に到着。ここでひと休みしました。
あの小屋前に堆積した雪もガチガチの氷なので、あの角度で横切るのはかなり困難な状況
日の出館より山頂方面。小屋(画面)の左から回り込んで山頂方面へ向かいます
2016年12月25日 07:57撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 7:57
日の出館より山頂方面。小屋(画面)の左から回り込んで山頂方面へ向かいます
あの方はこの先、七合目の中腹付近で引き返された方だと思います。
この斜面、一見すると雪(氷)も薄く、斜度も緩く見えますが、
実際にはかなりの斜度な上、見えてる岩の表面にもカチカチの氷がヘバリついており
現地での感覚はあの岩に引っかかって止まるという要素は一切感じられない
2016年12月25日 07:57撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 7:57
あの方はこの先、七合目の中腹付近で引き返された方だと思います。
この斜面、一見すると雪(氷)も薄く、斜度も緩く見えますが、
実際にはかなりの斜度な上、見えてる岩の表面にもカチカチの氷がヘバリついており
現地での感覚はあの岩に引っかかって止まるという要素は一切感じられない
そして日の出館から約1時間半、七合九勺の赤岩八合館に到着
もうこの高度までくると、どこを歩いても強く蹴り込まないと爪が効かない状況
ちなみに画面左下の雪はモコモコのモナカっぽい雪に見えますが、
実際はあの模様がそのままの形で固まったガッチガチの完全なる氷です
2016年12月25日 09:24撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 9:24
そして日の出館から約1時間半、七合九勺の赤岩八合館に到着
もうこの高度までくると、どこを歩いても強く蹴り込まないと爪が効かない状況
ちなみに画面左下の雪はモコモコのモナカっぽい雪に見えますが、
実際はあの模様がそのままの形で固まったガッチガチの完全なる氷です
「何でコースロープにこんな氷の着き方するの?」と思いましたが、
勿論、積った雪が解けて再び氷結したこともあるのですが、
それだけなく、途中で出会った冬富士経験者の方が言っていた
「冬の富士山は雨も降る」とのことで、その雨水がそのまま氷結する
”レインクラスト”がこのようなものを作り出しているようです
2016年12月25日 09:24撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 9:24
「何でコースロープにこんな氷の着き方するの?」と思いましたが、
勿論、積った雪が解けて再び氷結したこともあるのですが、
それだけなく、途中で出会った冬富士経験者の方が言っていた
「冬の富士山は雨も降る」とのことで、その雨水がそのまま氷結する
”レインクラスト”がこのようなものを作り出しているようです
赤岩八合館の小屋前もこの状況
あのカチカチの急斜面を横切ることは私には無理なので、
画面左から小屋横を抜けて上を目指します
2016年12月25日 09:27撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 9:27
赤岩八合館の小屋前もこの状況
あのカチカチの急斜面を横切ることは私には無理なので、
画面左から小屋横を抜けて上を目指します
赤岩八合館を出て20分ほど登り、御殿場口八合目付近と思われる場所にて
本来はこの少し上に見晴館跡があり、そこで状況を見て長田尾根か大弛沢かの
ルート選定を行うハズだったのですが、見晴館跡に気付かず下から巻いてしまい
結果、そのまま全面ガッチガチの1枚バーンである
大弛沢へ入ってしまいました(これが今回の最大のミス、大失敗でした)
2016年12月25日 09:50撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 9:50
赤岩八合館を出て20分ほど登り、御殿場口八合目付近と思われる場所にて
本来はこの少し上に見晴館跡があり、そこで状況を見て長田尾根か大弛沢かの
ルート選定を行うハズだったのですが、見晴館跡に気付かず下から巻いてしまい
結果、そのまま全面ガッチガチの1枚バーンである
大弛沢へ入ってしまいました(これが今回の最大のミス、大失敗でした)
【大弛沢中腹、高度約3540m付近にて】
50分ほどこの1枚バーンの沢を登りましたが、もう限界です
登っている最中から「この急角度で、しかもアイゼンの爪がロクに効かない硬い氷。これ以上高度を上げたら本当に下りられなくなる!」
その”下山に対する恐怖”からくる精神的重圧に耐えきれずここで撤退を決意しました
2016年12月25日 10:43撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 10:43
【大弛沢中腹、高度約3540m付近にて】
50分ほどこの1枚バーンの沢を登りましたが、もう限界です
登っている最中から「この急角度で、しかもアイゼンの爪がロクに効かない硬い氷。これ以上高度を上げたら本当に下りられなくなる!」
その”下山に対する恐怖”からくる精神的重圧に耐えきれずここで撤退を決意しました
標高約3540m地点。この氷塊(本来は岩?)が今日の私の山頂です
今の私の経験や技術そして度胸。要するに現時点での私の実力ではこれが精一杯
限界だったんだと身に染みて感じました
2016年12月25日 10:43撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 10:43
標高約3540m地点。この氷塊(本来は岩?)が今日の私の山頂です
今の私の経験や技術そして度胸。要するに現時点での私の実力ではこれが精一杯
限界だったんだと身に染みて感じました
GPSで計測すると、御殿場ルート山頂(3700m)まで
高度で残り約160m、水平距離で約380m。残り僅かでしたが、
でもその160m分の高さがこれから始まる恐怖の下山にプラスされると思うと
とてもこれ以上先には進めませんでした
2016年12月25日 10:44撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 10:44
GPSで計測すると、御殿場ルート山頂(3700m)まで
高度で残り約160m、水平距離で約380m。残り僅かでしたが、
でもその160m分の高さがこれから始まる恐怖の下山にプラスされると思うと
とてもこれ以上先には進めませんでした
撤退地点より、記念に西側(富士宮ルート側)を撮る
こうして雪面だけ見ると「結構デコボコあって爪が引っかかるんじゃ?」
と、思われるかも知れませんが、実際にはトンデモない状態でした
あのまんまの形状でガッチガチに固まっており、強く蹴り込んでも
爪が食いつくのはせいぜい1cmに満たない程度。
何もしなければ、ただアイゼンが氷の上に乗っているだけの状態に。
こんな状態でこの急斜面を下って行く訳ですから本当に堪りません
2016年12月25日 10:43撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 10:43
撤退地点より、記念に西側(富士宮ルート側)を撮る
こうして雪面だけ見ると「結構デコボコあって爪が引っかかるんじゃ?」
と、思われるかも知れませんが、実際にはトンデモない状態でした
あのまんまの形状でガッチガチに固まっており、強く蹴り込んでも
爪が食いつくのはせいぜい1cmに満たない程度。
何もしなければ、ただアイゼンが氷の上に乗っているだけの状態に。
こんな状態でこの急斜面を下って行く訳ですから本当に堪りません
恐怖の下山開始です。あの夏道の痕跡が見えますが
多少でも引っかかり(手掛かり)になるかと思いきや
実際に近づいてみると、ほぼ斜面の角度と同化しており期待外れ
全くと言っていいほど意味がない、安心感のかけらも感じられないものでした
2016年12月25日 10:50撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 10:50
恐怖の下山開始です。あの夏道の痕跡が見えますが
多少でも引っかかり(手掛かり)になるかと思いきや
実際に近づいてみると、ほぼ斜面の角度と同化しており期待外れ
全くと言っていいほど意味がない、安心感のかけらも感じられないものでした
この九十九折れを少しでも頼りにしたかったのですが、
ほとんど意味がないことがわかりました
ちなみにここで滑ったら、宝永火口までダイブだそうです
2016年12月25日 11:13撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 11:13
この九十九折れを少しでも頼りにしたかったのですが、
ほとんど意味がないことがわかりました
ちなみにここで滑ったら、宝永火口までダイブだそうです
恐る恐る歩を進め、何とか御殿場口八合目に戻ってきました
(今度は間違いなく八合目の見晴館跡に着きました)
たかだか高低差140m程度下るのに約40分以上要す。生きた心地がしません…
ここが登りで気付かず下を巻いてしまった見晴館跡と長田尾根の取り付きです
2016年12月25日 11:37撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 11:37
恐る恐る歩を進め、何とか御殿場口八合目に戻ってきました
(今度は間違いなく八合目の見晴館跡に着きました)
たかだか高低差140m程度下るのに約40分以上要す。生きた心地がしません…
ここが登りで気付かず下を巻いてしまった見晴館跡と長田尾根の取り付きです
八合目・見晴館跡より、今下りてきた斜面を振り返る
画面中央に私が撤退した、大弛沢中腹の四角い氷塊が見えます
そして右の尾根が長田尾根になります(やはり後続の方は右の長田尾根を登っていますね)
2016年12月25日 11:40撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 11:40
八合目・見晴館跡より、今下りてきた斜面を振り返る
画面中央に私が撤退した、大弛沢中腹の四角い氷塊が見えます
そして右の尾根が長田尾根になります(やはり後続の方は右の長田尾根を登っていますね)
ちなみにこれが見晴館の跡形のようです
2016年12月25日 11:42撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 11:42
ちなみにこれが見晴館の跡形のようです
見晴館跡の氷塊。本当に水がそのまま凍ったという感じ。雪のかけらも感じられない
レインクラストもあるでしょうし、強風でピカピカに磨かれたというのもあるのでしょう
2016年12月25日 11:38撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 11:38
見晴館跡の氷塊。本当に水がそのまま凍ったという感じ。雪のかけらも感じられない
レインクラストもあるでしょうし、強風でピカピカに磨かれたというのもあるのでしょう
このコースロープの太さと硬さ…見たことないし、凄すぎです
2016年12月25日 11:39撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 11:39
このコースロープの太さと硬さ…見たことないし、凄すぎです
八合目からの眺め(山中湖方面)
2016年12月25日 11:42撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 11:42
八合目からの眺め(山中湖方面)
アップで。こうして見ると本当に素晴らしい眺めなんですけど…
しかし、ここから先も恐怖の下りは続く・・・
2016年12月25日 11:43撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 11:43
アップで。こうして見ると本当に素晴らしい眺めなんですけど…
しかし、ここから先も恐怖の下りは続く・・・
とにかく下らねばならないので意を決して出発です
少し進んでは一呼吸。こんな感じで本当に慎重に、強く確実に爪を蹴り込んで進んでいきました
2016年12月25日 11:46撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 11:46
とにかく下らねばならないので意を決して出発です
少し進んでは一呼吸。こんな感じで本当に慎重に、強く確実に爪を蹴り込んで進んでいきました
ホント、こうして見ると斜度感もなく、雪面もそんなに硬そうでもありませんが、
実際にはまだまだカチカチで先も長い。
一歩ずつ強く蹴り込んできたので正直、相当足にきています
2016年12月25日 11:47撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 11:47
ホント、こうして見ると斜度感もなく、雪面もそんなに硬そうでもありませんが、
実際にはまだまだカチカチで先も長い。
一歩ずつ強く蹴り込んできたので正直、相当足にきています
恐怖感に襲われつつも、今日はご覧のように絶好の登山日和
他の山に行ってたら、さぞかし楽しめていたんだろうなぁ・・・なんて思いも…
2016年12月25日 11:56撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 11:56
恐怖感に襲われつつも、今日はご覧のように絶好の登山日和
他の山に行ってたら、さぞかし楽しめていたんだろうなぁ・・・なんて思いも…
七合五勺の少し手前付近より振り返る
たかだか八合から五勺ほど下っただけですが、
ここまでのツルテカ大斜面下りの恐怖とド緊張の連続でヘトヘトに…
2016年12月25日 12:56撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 12:56
七合五勺の少し手前付近より振り返る
たかだか八合から五勺ほど下っただけですが、
ここまでのツルテカ大斜面下りの恐怖とド緊張の連続でヘトヘトに…
八合〜七合五勺のこのフラットな大斜面を私は直下降することができず、
大きな九十九折れで緩やかに下りていきました
(この間(五勺下降)だけで1時間強を要す)
2016年12月25日 12:56撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 12:56
八合〜七合五勺のこのフラットな大斜面を私は直下降することができず、
大きな九十九折れで緩やかに下りていきました
(この間(五勺下降)だけで1時間強を要す)
八合目より1時間20分近くかけてようやく、御殿場口七合五勺の砂走館に到着
(登りはこの間の大斜面を直登したので、ここには立ち寄らず)
取りあえずここまで下りて少し安堵したと同時に大休止です。
2016年12月25日 13:11撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 13:11
八合目より1時間20分近くかけてようやく、御殿場口七合五勺の砂走館に到着
(登りはこの間の大斜面を直登したので、ここには立ち寄らず)
取りあえずここまで下りて少し安堵したと同時に大休止です。
大休止もして、だいぶ落ち着いたところで山頂を見上げる
こうして見ると冬富士は汚れがなく本当に美しいのひと言です
2016年12月25日 13:27撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 13:27
大休止もして、だいぶ落ち着いたところで山頂を見上げる
こうして見ると冬富士は汚れがなく本当に美しいのひと言です
時刻からみてここが砂走館の次にある、御殿場口七合四勺のわらじ館のようです
小屋が完全に斜面と同化していますね
2016年12月25日 13:30撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 13:30
時刻からみてここが砂走館の次にある、御殿場口七合四勺のわらじ館のようです
小屋が完全に斜面と同化していますね
ここまで高度が下がり、さらに時刻も13:30を過ぎた辺りから
少しずつ雪面が緩み始め、まともに爪が刺さるようになりました
こうなるともう安心。気分が全然違います(でも斜度はキツいので油断は禁物)
それまでの恐怖感は消え、いつもの雪山歩きの感覚で下りることができました
2016年12月25日 13:30撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 13:30
ここまで高度が下がり、さらに時刻も13:30を過ぎた辺りから
少しずつ雪面が緩み始め、まともに爪が刺さるようになりました
こうなるともう安心。気分が全然違います(でも斜度はキツいので油断は禁物)
それまでの恐怖感は消え、いつもの雪山歩きの感覚で下りることができました
もう爪が雪面に対して全部食い込んでいるので、トラバースも問題ありません
次はあそこに見える七合目の日の出館へ
2016年12月25日 13:32撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 13:32
もう爪が雪面に対して全部食い込んでいるので、トラバースも問題ありません
次はあそこに見える七合目の日の出館へ
こうして下界を眺める余裕も出てきました〜
2016年12月25日 13:33撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 13:33
こうして下界を眺める余裕も出てきました〜
そして七合目の日の出館に到着です
朝も立ち寄ったし、先ほど砂走館で大休止もしたのでここは素通りしました
2016年12月25日 13:38撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 13:38
そして七合目の日の出館に到着です
朝も立ち寄ったし、先ほど砂走館で大休止もしたのでここは素通りしました
七合目から下は雪(氷)も薄く、既に午後の時間帯ということもあり、
アイゼンさえ装着していれば難なく下れる状況でした
ちなみに左の岩場が夏の登山道、今朝は右側の沢を直登してきました
2016年12月25日 13:45撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 13:45
七合目から下は雪(氷)も薄く、既に午後の時間帯ということもあり、
アイゼンさえ装着していれば難なく下れる状況でした
ちなみに左の岩場が夏の登山道、今朝は右側の沢を直登してきました
六合目より下は基本的に一直線の道ですが、似たような縦筋が無数にあるのと、
夜間等で頼りになる一直線の標柱が以前よりもなぎ倒されて減っているようなので
晴天の昼間は問題ありませんが、夜間や濃霧の時などは多少の注意が必要です
(私は登りで間違えて西寄りにズレて進んでしまい、大砂走に入ってしまいました)
2016年12月25日 15:26撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 15:26
六合目より下は基本的に一直線の道ですが、似たような縦筋が無数にあるのと、
夜間等で頼りになる一直線の標柱が以前よりもなぎ倒されて減っているようなので
晴天の昼間は問題ありませんが、夜間や濃霧の時などは多少の注意が必要です
(私は登りで間違えて西寄りにズレて進んでしまい、大砂走に入ってしまいました)
途中、二ツ塚(双子山)の東側を通過します(右が上塚、左が下塚です)
2016年12月25日 15:46撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 15:46
途中、二ツ塚(双子山)の東側を通過します(右が上塚、左が下塚です)
大石茶屋までの直線区間で振り返る。ここから見る富士は本当に雄大で素晴らしい
ご覧のように御殿場ルートの特徴は富士山中腹に向かって一直線のルート
それともう一つの特徴はとても日本とは思えない、この雄大な裾野の景色でしょう
2016年12月25日 16:05撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 16:05
大石茶屋までの直線区間で振り返る。ここから見る富士は本当に雄大で素晴らしい
ご覧のように御殿場ルートの特徴は富士山中腹に向かって一直線のルート
それともう一つの特徴はとても日本とは思えない、この雄大な裾野の景色でしょう
大石茶屋を通過し、無事に御殿場口新五合目まで戻ってきました
ここで登山道は終了。あとは車道を1.7km下って太郎坊洞門に戻ります
ちなみにあの建物はここで唯一の売店”富士急小屋ハーフマウンテン”(現在は閉鎖中)
2016年12月25日 16:22撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 16:22
大石茶屋を通過し、無事に御殿場口新五合目まで戻ってきました
ここで登山道は終了。あとは車道を1.7km下って太郎坊洞門に戻ります
ちなみにあの建物はここで唯一の売店”富士急小屋ハーフマウンテン”(現在は閉鎖中)
御殿場口新五合目より最後の眺め。長かった、そして怖かった…
でも他では決して味わうことができない、ここだけの貴重な体験をさせて頂きました
2016年12月25日 16:23撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 16:23
御殿場口新五合目より最後の眺め。長かった、そして怖かった…
でも他では決して味わうことができない、ここだけの貴重な体験をさせて頂きました
そして”富士山スカイライン・太郎坊線”の車道を下り無事にプリやんとご対面☆
プリやん、今日は散々怖い思いもしたけれど、でも今までに体験したことのない
異次元の雪山を知ることができたよ〜☆
2016年12月25日 16:50撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 16:50
そして”富士山スカイライン・太郎坊線”の車道を下り無事にプリやんとご対面☆
プリやん、今日は散々怖い思いもしたけれど、でも今までに体験したことのない
異次元の雪山を知ることができたよ〜☆
最後に本日の燃費(リッター22.1km)
ま、燃費の低さはこの時期の暖房入れがあるので致し方無し
でも、何だかんだいっても富士山は近い!
下山後、食事込みでも2時間半で帰宅です(^^)/
2016年12月25日 19:25撮影 by  DSC-WX350, SONY
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12/25 19:25
最後に本日の燃費(リッター22.1km)
ま、燃費の低さはこの時期の暖房入れがあるので致し方無し
でも、何だかんだいっても富士山は近い!
下山後、食事込みでも2時間半で帰宅です(^^)/

感想

 
今回は雪山を始めて以来、憧れ続けていた冬の富士山へ
今年最後にして最大の挑戦ということで、
意を決して臨んで参りました。


結果は写真にもある通り、最後の核心部でルートの選択を誤り、
憧れのピークを踏むことが出来ず敗退となりました。
このまま時間(11時下山開始予定)を無視して
技術的な面だけを考えた場合、アイゼンの爪を強く蹴り込んで
慎重に登り続けていけば、山頂まで登り切れたかもしれません。

しかし、このガッチガチに氷結した雪付きゼロの急斜面。
そして富士山特有の強風により、ピカピカに磨き上げられて
ツルテカの1枚バーンと化した”天然の滑り台”の下りがとにかく不安で…

今回撤退を決めた3540m地点から先、残り標高差約160m分を
登りきってしまった時、自分はこの光り輝く氷の大斜面を
無事に下りきることができるのだろうか…

そう思うと、とてつもない恐怖に襲われ、
もうこの3540m地点より更に上の標高が下山時に加わることへの
精神的重圧に耐えることができませんでした。


そんなことで、この時期としては異例ともいえる弱風で
絶好のアタック日和だというのにピークを踏むことができず
非常に悔しい敗退劇となってしまいました。

それでも、こうして何の怪我もなく無事に下山でき、
そして敗退したにもかかわらず、この何ともいえない達成感、
(やり切った感)を感じるのは、やはり今回の冬富士登山での
多くの事柄が自分にとって初体験だったことが挙げられると思います。

事前に調べ聞いて、ある程度は分かっているつもりで行ってみたものの
実際に目の前で起こったことや感じたことは、
その想像を遥かに超えていたということです。

”氷の硬さ”にしても、”岩尾根を手掛かりに登降する”にしても、
実際の現場では様々な要因により、そんなに言うほど甘くはなく、
事前の情報や想像していたことよりも遥かに厳しいものがありました。

そんな自分の想像を遥かに超えた世界。
まさに異次元の雪山を体感できたからこそ、
結果は敗退でしたが、いつも以上の達成感や満足感のようなものが
感じられたのではないかと思います。

本当にこんな雪山(というより上部は完全に雪無しの氷山)は
私の経験ではここ以外にありません。
でも、今回の挑戦で現場の状況や道筋は大よそ把握できたので
今度はミスなく、もっと高い確率でピークを狙える自信がつきました。

今回登ってみてこれだけ恐ろしい山もないと思いましたが、
それ以上に、こんなに美しく魅力的で心惹かれ、
また、挑戦心を掻き立てられる山もそうそうないと思います。

今回の失敗に懲りることなく、
「必ずリトライする。そして今度こそ光り輝く氷の頂を踏む」
その誓いを新たにした今回の冬富士登山でした。
 

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コメント

今年を締めくくるに相応しい挑戦!
リフターさん、こんにちは!

いやぁ、読みごたえ、見ごたえありました。今回のレコ。
なんといいますか、山行もレコもリフターさんらしさ全開といいますか。

僕にとってのリフターさんは「真摯に挑戦する人」。
目標を定めそれに向かって一歩一歩挑戦する。
一段抜かしではなく、今の自分をきちんと見極め、足りないもの必要なものをきちんと把握し、ホップ・ステップ・ジャンプ!
敗退することがあってもリトライし、そして必ずやり遂げる。

そしてそれをプラス面だけじゃなく、負の状況・負の感情も含めてきちんと正確に記述する。

今回はそんなリフターさんらしさ満載のレコだったと思います。


写真ではリフターさんが感じた冬富士の恐ろしさの1/10も伝えきれないかもしれない。でも伝えきれないからこそなんとか伝えようというリフターさんの正確な記述のおかげで、リフターさんが体験した冬富士の恐ろしさを垣間見ることができました。

ということで、僕的冬富士の感想ですが、、、
「僕かぁ厳冬期の富士には行かない。雪が緩むのを待って麗らかな初夏の日差しのなかスキー担いで行く。だいたい、ツルテカ斜面も寒いのも嫌いだし!」(笑)

まぁ戯れ言はさておき、今回は撤退という形にはなりましたが、「これはリフターさんにとって次なる成功への第一歩になったな」と思え、読んでるこちらもなんというかとても清々しい気分になりました。


>「必ずリトライする。そして今度こそ光り輝く氷の頂を踏む」

1年後のリフターさんはきっと氷の頂きに立っているんだろうなぁ。
楽しみだなぁ。

え?僕ですか?
僕は来年もストーブの前に陣取って、ミカン食べながら、リフターさんの挑戦記をで拝見させていただきます〜。


今年はリフターさんも僕も、なかなか思うように山に登れなかった年だったかと思いますが、来年はお互い、自分らしい山歩きができるといいですね!

それではリフターさん、良いお年を!
2016/12/29 14:48
zawadaさんへ
zawaさま、こんばんは〜night
いつも見ていただき、ありがとです〜

今回は冬の富士山としては絶好の条件だったので(特に風の弱さ)
またと無いチャンスだと思って挑んで参りました。

ま、結果はご覧の通り、かなり悔しいものになってしまいましたが…
でも感想にも記した通り、今自分の出来得る範囲のことは全てやった、
全て出し切った結果だったので、頂を踏めず悔しい気持ちはありますが
決して後悔するような気持ちは微塵もありませんでした。

>山行もレコもリフターさんらしさ全開・・・
そう言っていただけるとホントに嬉しいですよwink
これも、いつも見てくれている人だからこそ、
そう感じていただけるものだと思います。

ただ・・・
>伝えきれないからこそなんとか伝えようという、、、
これは確かにそう思って、それを目指して書いているのですが、
結果として(今回も)やたらと字数が多く纏まりを欠いた文面になっている…
もっと簡潔に全体としてコンパクトにまとめ、
それでいて現場の状況などが正確に伝わるようにせねばと思っています

それと、現地の氷結度&斜度をスキーの例でお伝えするならば、
八方黒菱最上部の氷壁を横からスーっと進入し、トラバースしてゲレンデのセンターラインまで入れますが、今回の七合から上のカチカチ大斜面は、たとえスキー板(エッジ)があっても、あそこで横切る気にはなれません。
板の横ズラシでズリズリ下るのも、あの鏡面のような斜面では無理。
勿論、トップを下に向けて滑るなんてことは有り得ないし私には絶対無理!coldsweats02
斜度もキツいのですが、それ以上に氷の表面自体の磨き具合いがハンパなく、
本当にツルっつるでガッチガチ(しかも結構細かいデコボコでガチガチ)
なのでスキーのエッジも武器にならないのが冬富士の現実でしたよsweat01

最後になりましたが、
今年も勉強になる良い山行記録を拝見させていただき、
ありがとうございました。
来年はお互い思い通りの山行が出来ることをお祈りしています。
良い新年をお迎えください。
2016/12/30 1:36
lifterさま、こんばんわ〜
すごー(*_*)(*_*)(*_*)
冬の富士山は怖いとこ!って思います。
無事の下山、おめでとうございます。お疲れさまです!!
写真だけ見てると
キレイだな〜(*'▽'*)気持ちよさそうやな〜(*'▽'*)
なんて思ってましたが
下山の時の高度感ってば
ハンパないっすね(T-T)めっちゃ恐いですやん。
失敗に懲りることなく!
っていうのは、イイコトですよね。
私も道迷いなんかに負けない(笑)
来年もよろしくお願い申し上げまーす(´▽`)ノ
2016/12/29 18:25
ochadaさんへ
こんばんは〜&お疲れさま〜〜です!
(きょーも仕事でこんな時間。。。
 31日まで出勤だし…もぅどーにかして〜〜〜

で、行ってきましたヨ。真っ白な富士山へ
もちろん、色んなところで話には聞いていましたが、
やっぱり冬の富士山はかな〜りコワいところでしたcoldsweats02

>無事の下山、おめでとうございます。
↑↑ochadaさんの言う、まさにコレ!
ホント、無傷で無事に下山できたことが一番良かったことで、
おめでたいことだった、と言っても決して過言ではないと思いました。
上の方はそのぐらいヤバい感じのお山でしたよcoldsweats01sweat01

今年も様々な良いレコを見せていただき
ありがとうございました。
こちらこそ来年もよろしくお願い申し上げます〜confidentshine
2016/12/30 2:02
再挑戦されるガッツが羨ましいです。
lifter175さん、こんばんわ。はじめまして。お疲れ様でした。頂上に立てず残念でしたが、貴重な経験をされ無事下山され何よりです。先日も富士山で滑落事故がありました。

自分が大学生の時に、毎年12月上旬に富士山7合付近まで雪上訓練と足慣らしのため登りましたが、頂上に行こうなどとは考えもしませんでした。年によって、また場所によって雪、氷の状態は異なると思いますが、確実な確保点得て下まで落ちないようにしてから滑落停止訓練をしましたが、数m滑ってしまうと止められないし確保している者も止めることは不可能でした。
ちょっとつまずいたり、風であおられて転倒したら死ぬと思いました。

自分らは冬富士は登山の対象外にしていました。
lifter175さんは凄いです。再挑戦されるガッツが羨ましいです。
成功を祈念しております。
2016/12/29 22:52
fujikitaさんへ
fujikitaさん、初めまして。
ご訪問、そしてご覧いただきまして、
ありがとうございます。

今回の山行は他ではまず経験することが出来ない、
仰る通りの貴重な体験ができたと思っています。
確かにあの斜面コンディションでは、いつ滑落事故が起きても
不思議ではないことが身に染みて分かりました。

fujikitaさんが学生時代に経験された冬富士での訓練も
相当な恐怖感があったことと思います。
これも仰る通りでしたが、一度滑ったらまず止まることは不可能。
七合から上の斜面は1ミスで確実に終わりですね。

でも今回、それらも含めて現状が把握できましたので、
もし次回も何らかの要因で撤退になったとしても
必ずリトライはしたいと思います。
そのくらい挑戦心を掻き立てらる山もそうそうありませんし、
そういう意味では、私にとって冬富士は魅力的な山となってしまいました。
次回も無理せず安全第一でトライしたいと思います。
ありがとうございました。
2016/12/30 2:19
おめでとうございます。
リフターさん
まずは無事の下山おめでとうございます。
私自身も冬の富士山に魅せられた痛い人です^^
今シーズンは11/20(富士吉田)と12/3(御殿場)に山頂アタックも2度とも敗退でした。11/20は私の上部で2名の方が滑落さようならでした。
おかげで山梨県警より下山指令出て、滑落パテイーの素人4名を連れて下りてくるはめになりました。
12/3は7合5勺砂走館で時間切れとアイス、絶景見て満足して撤退。
最高の天気でした。
私の冬富士アタックは6回。そのうち5回敗退です。いろんな敗退理由があります。
その敗退理由を経験にして次回は克服するも新たな壁が・・・の繰り返し。
最高敗退標高約3600m地点(須走コース)というのもあります。
全面1枚アイスバーン。風速約30m。歩ふく前進状態でした。後60mが無理。
歩ふく全身で60mなんて、何時間かかる事やら、よって撤収。写真じゃ分からないんですよねあの恐怖のアイスは。

ところで一つだけ経験からのアドバイスです。あまりの美しい景色の為、つい写真を
たくさん撮りたくなるのですが、写真を撮っている間は棒立ちになっている場合が
多いのでこの瞬間の滑落にはくれぐれも気をつけてください。ふとなんでこんな危険なところで写真撮っているんだろうと思ってしまった事あり。
追記
12/31大みそか 宮城県の泉ヶ岳という1150m程度の冬山を登ってきました。
雪は1m近く積もっていましたが、冬富士の後だったせいか、冬登山ってこんな楽なものだったっけという感じでした。苦しくない登山は楽しいですよ。
やはり冬富士は偉大すぎます。お互い最善の注意を払い冬富士山頂チャレンジしましょう。
2017/1/2 8:41
goro5さんへ
goro5さん、初めまして。
ご訪問、そしてご覧いただきましてありがとうございます。
(お返事遅くなり申し訳ありません。私も昨日まで雪山に出ておりました)

>まずは無事の下山おめでとうございます。
まさにコレです。本当にgoro5さんの仰る通りです。
実際に行ってみて、あのカチカチ急斜面の恐怖感を味わえば、
まず最初に出てくる言葉がこれになりますよね。
勿論、行く前から恐怖の話は聞いていたのですが、
まさかここまでとは・・・というのが実体験してみての率直な感想でした。

goro5さんは何度もトライされて、その都度厳しい事情により
多くの撤退もされているようで、今回初トライの私よりも
遥かに多くの冬富士経験をされている方のようですね。その中で、
>全面1枚アイスバーン。風速約30m。歩ふく前進状態・・・
今回の私の場合は、冬富士恐怖の2大要素(ガチガチアイスバーン&強風)
のうち、体験出来たのはアイスバーンの方だけなんです。
もう一つの恐怖である「冬富士の爆風&瞬時の突風」はまだ未体験なんです

当日は歩行にさほど支障のない程度の弱風でした。
(この時期の富士としては異例だと思います)
とはいっても、常に10〜15m/secくらいは吹いていましたが、
それでも皆が恐怖する「冬富士の強風」からしたら甘い風だったと思います。
なので、次回も弱風日を狙って行きますが、それでも今回なかったこの強風の
件も視野に入れていかねばと思っています。

それと、戴きましたアドバイスの件も、この日の風が弱かった為に
何とか撮れたものなんです。いつもの強風があって、あの恐怖のアイス斜面で
カメラを出すなんて、とてもじゃないですけど想像しただけで無理です。
なので、当日の私のコンディションはまだ恵まれていた方だと思っています。

これに懲りず何度もトライして、いつかはあの氷の頂に立ちたいと思います。
ご経験者からの貴重なアドバイス含め、本当にありがとうございました。

(それと、私も昨日まで黒戸から雪の甲斐駒に行っておりました。これも
 goro5さんの仰られる通りで「冬の登山ってこんな楽なものだったっけ」
 という錯覚に陥りましたよ。やはり私も冬富士は偉大だと思った次第です)
2017/1/3 10:18
楽しかったですか??
175さん、お久し振りです

怖い思いをすると二度と行きたくないと思うのが普通なんでしょうが、再チャレンジする予定なんですか(*_*)
私は、怖い思いをして降りてきたときには、無事だったのは運が良かっただけと思うようにしてます
175さんのことだから再チャレンジするときは、今回のように怖い思いをしないようにきっと準備されてから挑むのでしょうけど、本当に気を付けてくださいね

「安全が第一」「楽しいが二番」tenさんの口癖が聞こえてきます

ちょっとヤマレコ覗いてみたら、びっくりするレコが上がってたのでコメントしました
気まぐれですみません
次回は縮み上がるようなテカテカアイスバーンレコではなく、ぼっふぼっふラッセル地獄で体力自慢レコを希望します笑
2017/1/4 22:48
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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