(三ノ瀬登山口)→将監小屋→山ノ神土→和名倉山→(秩父湖BS)
- GPS
- 27:25
- 距離
- 25.5km
- 登り
- 1,640m
- 下り
- 2,350m
コースタイム
新宿駅 0830
↓ (JRあずさ7号)
塩山駅 1000 1015頃
↓ (タクシー)
三ノ瀬 1100頃 1111
↓
将監小屋 1305 1330
↓
将監峠 1337
↓
山ノ神土 1357 1405
↓
御殿岩 1447 1500
↓
将監峠 1558
↓
将監小屋 1605
【DAY-2】
将監小屋 0530
↓
山ノ神土(かんど) 0555
↓
東仙波 0711 0730
↓
二瀬分岐 0858
↓
和名倉山 0916 0920
↓
千代蔵の休場(やすんば)0930 0945
↓
造林小屋跡 1138
↓
電波反射板跡 1234
↓
登山道出口 1412
↓
秩父湖BS 1435 1525
↓ バス
三峰口 1555 1615
↓ (西武線・快速急行)
池袋 1828
天候 | DAY-1: 晴れ時々曇り DAY-2: 晴れ→曇り→雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
秩父湖→三峰口 バス |
コース状況/ 危険箇所等 |
将監小屋から和名倉山までは踏み跡が明瞭 和名倉山から秩父湖の間、ほとんど踏み跡はあるが、不明瞭な場所が数か所ある。電波反射板跡地から秩父湖への急な下りは、特に注意が必要で、雨が降ったりすると判かりにくくなるようだ。赤テープが、変なところに会ったりするので、それだけを目印に下らないように。 |
写真
感想
今回の山旅は、一部のマニア(?)の間では東アルプスとも呼ばれている奥秩父主脈の縦走路から外れた所にあって、人があまり行かない奥秩父の秘峰・和名倉山だ。白石山とも呼ぶ。(※山と渓谷社の「日本の山1000」では、「はくせきやま」と読み仮名がある。「しろいしやま」ではないようだ)。日本二百名山になっている。ずっと前に、三峰神社から雲取山を縦走した時に、青空の下の緑多い立派な山塊が記憶に残り、ずっと縦走したかった山だ。しかし、昭文社の「山と高原地図」では、和名倉山と秩父湖の間が破線になっていて、ネットで調べても道が判り難いらしく、また将監小屋へ一日で入る手頃な足もなく、なかなか行く決心が出来なかった山だった。アルプス・エンタープライズから送られてきた今年のツアーカタログをパラパラ見ていたら、新コースになっているのを見つけて、早速申し込んだ。同じ理由で参加した人が多かったようだ。
今回のツアーは、塩山駅集合だ。JRだと渋滞もないので、そこもなかなか良い企画だ。「あずさ7号」で塩山駅に着き、手続きを済ましてタクシーに分乗し、三ノ瀬に向かう。途中、バイクの多い柳沢峠を越え、まだまだ先へ行く。かなりの山村で、数軒家があるだけのようだ。登山道入り口は、道の脇にある。登山道とは言っても、将監小屋までは、ほとんど林道になっている。一般車は入れないよう鎖で通行止めしてあるが、将監小屋の人は、鎖の鍵を持っているのか、車で往来しているようで、車が追い越して行った。牛王院(ごおういん)平への分岐点がある 牛王院下でランチを食べ、ムジナの巣の水場で清水(甘い感じがした)を飲み、新緑を楽しみながら、ゆるやかにゆっくり上って、2時間ほどで将監小屋に着く。将監小屋は、無理すれば50人ぐらいは泊まれそうな大きな山小屋で、水は豊富に湧き出している。広いテント場からは、旧五百円札で有名な雁ヶ腹摺山と大菩薩嶺のツーショットが、なかなか良いアングルだ。少し休憩し、余計な荷物(と言っても、余計な荷物は殆ど無いのだが)を小屋に置いて、御殿岩(昭文社の地図では、「西御殿岩」と書いてあるが、東御殿岩が有るのか無いのか良く判らない様だ)へ向かう。いきなり、小屋横の急登を10分ぐらい登ったところが、奥秩父主脈縦走路の将監峠で、そこから笠取山の方へ向かう。途中、明日の分岐点になっている山ノ神土(かんど)で小休止する。笹原の広がる気持ちの良い場所だが、多くの樹木が鹿の食害に会っている。樹皮を食べられると、栄養が行き渡らず枯れてしまうらしい。山の神土から、さらに縦走路を西進する。おまけで行くぐらいの岩なので、らくらく行けるのかと思いきや、これが結構ハード。特に、縦走路からはずれた後、15分ぐらいある御殿岩への登山道は、判然としない中を岩をよじ登ったりする道で、息は切れるし、足は疲れる。今回の山旅で、短いが、ここが一番ハードだった。御殿岩からの展望は、360度の大展望で、明日の和名倉山への縦走路、白岩山・芋木ノドッケ・雲取山と続く縦走路、雁ヶ腹摺山と大菩薩嶺、飛竜山、唐松尾山、国師ヶ岳等の奥秩父主脈、黒金山・乾徳山縦走路が見える。両神山は幽かに見える。残念ながら富士山、南アルプス、浅間山は、霞と黄砂の向こうで見えない。特に、明日の和名倉山までの縦走路が把握できたのは収穫だった。わざわざ来る価値は十分にある。御殿岩から見ても和名倉山は、十分に大きな山だった。御殿岩から、来た道を戻り、将監峠へ戻る。峠から見上げると御殿岩が見えるが、木々に囲まれ岩があるのかどうか判然としない。将監小屋で夕食のカレーを食べ、20時には消灯になる。混んでいたので、ふとん2枚に3人が寝ることになったが、少しきつい。やはり、一人一枚は欲しいところだ。この時期にしては混んでいるようだ。そう早くは、なかなか眠れず、いつものように起きたり、寝たりして、朝を迎える。薪ストーブは夜通し燃えていたようだが、毛布一枚で十分なくらいに、暖かい夜だった。
翌朝は、4時前に目が覚めてしまったが、幸い朝食も予定の5時より少し早く準備してもらえたので助かった。天気予報では午後から雨。5時半ごろには、出発となり、昨日と同じ将監峠への急登に取り掛かる。朝一の急登はこたえるが、昨日登って、長くは続かないのが判っているので気楽だ。今日は、分岐点の山の神土から、和名倉へ道をとる。鋭角的な三角形のリンノ峰を巻いた辺りから笹原が広がり、大菩薩、雁ヶ腹摺山方面や竜喰山方面の見晴らしが良い道となる。今日は富士山も幽かに見えている。西仙波の辺りには、石楠花が多かったが、気の早い一本を除いて、どれも蕾だった。東仙波手前には馬酔木(アセビ)が群生していて、どれも良く咲いていた。東仙波からは、白岩山、芋木ノドッケ、雲取山、飛竜山、大菩薩、御殿岩、唐松尾山、国師ヶ岳の眺めが良い。ここから見る唐松尾山は、岩肌が美しく、なかなか格好が良い。飛竜山は、ずっしりしていて、これもなかなか良い。富士山は、大菩薩の横に幽かに見える。残念ながら甲武信ヶ岳は雲がかかって見えない。東仙波からは、笹原に雑木が混じる尾根上の道で、雲取山方面の眺めが良い。遥かに武甲山も見える。赤いチャート石が印象的な吹き上げの頭辺りで、樹林帯に入る。苔生した樹林帯の中をかなり行くと、将監峠・和名倉山・秩父湖の三叉路になっている二瀬分岐にでる。少し行った先が千代蔵の休場(やすんば)だ。千代蔵は江戸時代の樵の名前で、結構悪いやつだったらしい。今は、やや荒れ気味でガレ場(と言うと言いすぎだが)のようになっているが、以前は、笹原だったらしい。そこから、再び苔生した倒木が多い樹林帯に入り、しばらく行くと、樹林帯の中に四畳半ほどの広場があり、「和名倉山」と看板がある。山頂だ。曇って来ていたせいもあるかもしれないが、薄暗く苔生した倒木が多い樹林帯のど真ん中の雰囲気が珍しい山頂だ。ランチという雰囲気でもないので、千代蔵の休場まで戻り、ランチ休憩となる。千代蔵ノ休場から二瀬分岐まで戻り、秩父湖への道を行く。暫く行くと、白石山の山名になった(という説がある)あまり白くない白石(岩?)がある。昔は、麓からこれが見えたのだろうか?さらに、樹林帯の中の、苔生した道が続く。かなり急な道を下って行く。以前はスズタケの藪こぎを強いられた所も、今や増えすぎた鹿が食い荒らし、ほとんど藪こぎの必要は無くなったようだ。(普通、鹿はスズタケは食べないらしいが、増えすぎて餌が足りないので食っているとのこと)。やがて造林小屋跡に出る。一升瓶がたくさん転がっているが、全てが酒瓶という訳ではなく、ポリタンクの無い時代には、油を入れていたそうだ。レール、車輪、何かの大型機械が朽ち果て、兵度もが夢の跡の雰囲気だ。新緑は美しいが、天気予報通り、この頃から、雨が降り始める。造林小屋跡から、電波反射板跡までは、昔日の軌道跡を行くので、ほぼ水平道だが、所々道が崩れ落ちているのが、時の流れを感じさせる。晴れていれば景色が良いと思われる小広い電波反射板跡から、再び急な下りとなる。次第に雨が激しくなって来たので、レインコートを着て、滑りやすい急な坂を下って行く。雨のせいもあってか、この辺りは、踏み跡が判り難いかもしれない気がした。秩父湖に出たところで、結構揺れる吊り橋を渡り、車道に出る。車道を歩いてダムを渡り、秩父湖のバス停に出る。暑かったので、レインコートの中は、汗でぐっしょり濡れてしまった。唯一乾いていたフリースに着替える。秩父湖からは、バスで三峰口駅に出て、そこで解散となる。ガラガラの池袋直通の快速急行に乗って帰る。天気のせいか、フリース一枚では少し寒かった。
二日目の後半は、雨に降られたが、初日〜二日目の前半は景色が良く、十分にマイナスイオンで森林浴もできたので、なかなか良い山旅だった。特に、御殿岩と東仙波からの眺めが良く記憶に残った。
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