豊平川 蝦蟇沢-札幌岳で羆に出遭う


- GPS
- 10:36
- 距離
- 20.9km
- 登り
- 909m
- 下り
- 1,222m
コースタイム
- 山行
- 10:25
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 10:39
天候 | 曇りのち晴れのち曇り一時小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
|
写真
感想
蝦蟇沢から札幌岳へ登る途中で、クマと鉢合わせした。だが、素直に向こうから逃げてくれたので、一瞬の出来事ですんだ。
場所は、蝦蟇沢といっても本流ではなく、標高930mで右岸から合流する、空沼岳-札幌岳縦走路への登路となる支流。出合から少し登り、水流もだいぶ細くなって両側から笹が覆い被さってきている標高970〜980m付近が、クマと出遭った地点。
沢が屈曲したところを右に曲がると、前方からガサガサいう音。目を上げると10mほど先の笹が動いて何か近づいてくる。全く緊張感なく「ああ、誰かが沢を降ってくるんだな」などと呑気なことをぼんやり考えていたが、その動きの大きさに「いや、待てよ」と不吉なものを感じた瞬間、笹を分けて現れたのは...茶色い毛皮!クマだ!!と思う間もなく、こちらに気づいたクマの方が慌てて踵を返し、一目散に沢を登っていった。
その間、わずか数秒。クマの姿は瞬間的に見ただけだが、かなり大きそうに見えた。300kgぐらいはあったか?(根拠無し)。
そういえば、蝦蟇沢を遡ってくる途中、フキが刈り採られているところが何カ所もあり、人間にしては荒っぽいな、もしかして...と思っていたのだが、この時点ではすっかり忘れていた。
さてクマは去ってくれたが、問題は、去っていった方角がこれから遡らなければならない沢だということ。しかし、今さら来た道(沢)を戻るのは、時間的にも論外だし、他の沢や尾根を登るのも、薮こぎを考えると現実的ではない。第一、そちらなら安全という保証がある訳でもない。これは予定通りの沢を、クマを追いかけるように登るしかない、という結論はすぐに出た。
しかし、笹が被っていて視界が利かず、怖いので、縦走路に出るまで(出てからも少し)ホイッスルを吹き鳴らし続けながら歩いた。気が動転していたわけでもないのだが、985mの二股から間違って右に入って引き返したり、縦走路に出るまで(そして札幌岳までも)かなり長く感じられた。
ツキノワなら何度か会ったが、ヒグマは遠目から見たことがあるだけで、至近距離で遭遇するのは初めて。大きさだけをとっても、ツキノワとは比べものにならない迫力だった。何しろ東北の沢で出遭った親子熊など、瞬間的に「黒豹?」と馬鹿げたことを考えるほどの体格だったから。
蝦蟇沢は、780mあたりからはナメや、ちょっとした滝が続いて面白かったが、それより下は、大げさに言えば、ナメが倒木帯に寸断されている感じで、あまり快適とは言えなかった。また予想よりも少し水量が多めのようで、モモから股ぐらいまで浸かって歩きながら、倒木を越えていく感じ。その上、岩がかなりぬめって滑ることや浮き石が多いこともあり、なかなかリズムに乗れず、おかげでペースも上がらず、下の方でかなり時間を喰ってしまった。
札幌岳の山頂を踏むのは、たぶん25年ぶり。行ったことのない豊滝コースを下山するつもりだったが、山頂への急登を登り切った後では、またそこを降る気にはならず、時間も既に4時だったので、昔とはいえ何回か上り下りしたことのある冷水コースを降った。豊平峡温泉から10分待ちでうまくバスに乗れたが、それでも家に帰り着いたのは8時過ぎだった。
コメント
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よく全身が固まらなかったですね
私は至近距離では、10年以上前、無意根山の宝来小屋付近で、笹薮の中から唸られたことがあります。
低く、威圧感あるその唸り声は、直感でヒグマとわかります。
全身に電気が走った如く、硬直し、手と足の動きがチグハグのまま、自分から歩き去りました。
晩秋でした。良く観るとその場所の木の上には舞茸と思しきものがなっていました
yamaseiさん
すぐに向こうが逃げていったので、固まるヒマがなかったというところです。尤も、こちらが馬鹿で人だと思った訳ですが、あれが最初からクマだとわかっていたら、尋常じゃなく固まっていたでしょうね。
あるいは、もっと至近距離で出会い頭にだったら、とか、ブッシュが無くよく見えていたら、とも思いますが、そのときは向こうの対応も違ったはずで、結局はクマ次第?
東北の沢で出遭ったツキノワは全然小さかったですが、子連れだった上に、こちらが気づいて対岸に渡っているのに、向こうも気づかずに渡ってきてしまって、今回以上にヒヤヒヤさせられました。
やはり唸るんですね。HYMLで、羆は唸るか?が最近話題になっていました。
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