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Yamareco

記録ID: 157981
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
富士・御坂

足和田山ー毛無山ー十二ヶ岳ー王岳ー三方分山ー釈迦ヶ岳ー蛾ヶ岳縦走

2011年12月24日(土) 〜 2011年12月25日(日)
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GPS
30:00
距離
39.3km
登り
2,878m
下り
3,462m

コースタイム

1日目:河口湖駅(7:45)-勝山登山口(8:35)-足和田山(9:45-9:55)-毛無山登山口(10:30)-毛無山(11:55-12:05)-十二ヶ岳(13:20-13:25)-鬼ヶ岳(14:15)-鍵掛峠(15:00-15:15)-王岳(16:15)
2日目:王岳(5:55)-五湖山(7:00)-三方分山(7:55)-釈迦ヶ岳(8:40-8:50)-八坂峠林道(9:20-9:25)-大平山(10:10)-蛾ヶ岳(11:00-11:25)-四尾連湖(12:05)-市川本町駅(13:45)
天候 1日目:快晴
2日目:快晴
過去天気図(気象庁) 2011年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
行き:富士急行河口湖駅
帰り:JR市川本町駅

感想

今年最後の山行は、富士山の見える山に泊まりたいと思い、2年程前に雪のため途中で断念した、蛾ヶ岳ー三方分山の縦走と合わせて、御坂の山を歩くことにした。
まだ登ったことのない、足和田山や毛無山にも登ってみたいと思い、少し長いけれど河口湖駅から歩き始めることにする。

■ 1日目
河口湖駅で一人下車する。登山姿の人は見当たらない。

快晴の天気の中、登山口に向かって歩き出す。車を避けようと路地裏に入るとすぐに中学校がある。教室の窓が南側を向いていて、授業中にいつでも巨大な富士山が眺められるという贅沢な学校だ。

登山口には、羽根子山ハイキングコースとの表示がある。河口湖を右手に見下ろしながら登って行くと、弁天神社に出た。その先、林道のような幅の登山道を進む。

足和田山の山頂には、展望台があり、そこのベンチに座って富士山を眺める。山頂の東側に雲が張り付いている。ここからは、竜ヶ岳、毛無山(富士の西にある)、本栖湖を見ることができた。
これから登る毛無山の方角は樹木で眺望が効かない。

先が長いので急いで急坂を下る。北側斜面だけれど、ほとんど雪は消えている。道はしっかりとしていて問題ない。河口湖と西湖の間に降りると、そこが毛無山の登山口だ。

一度、稼いだ高度を、ほとんど失ってしまった。今回は水を5.5ℓ担いでいるのと、軽アイゼンや必要以上の防寒着などで、いつもより荷物が重く、22kgほどになってしまっている。

喘ぎながら毛無山に向けて登って行くも、半分くらい登った△1241で、ばててしまった。荷物を放り投げて、しばらく休憩する。
毛無山は、険しい山という認識だったけれど、毛無山までの道は、ごく普通の登山道だ。険しいのは、十二ヶ岳との間の区間のようだ。

山頂の手前は、木がなくススキが生えている。このことから毛無山と言われているのだろう。

苦しみながらも、なんとか山頂に到着。誰もいない山頂で、富士山を堪能しながら、中食とする。
先ほど富士の東側に張り付いていた雲が大きくなっていて、超巨大な雪煙が上がっているように見える。

東側には山中湖が確認できた。なんだかすごく高い位置にあるように見える。河口湖よりも、湖面の標高が150mほど高いので、そう見えるのだろう。

ここから十二ヶ岳に向かう。今の所、雪が見えないのが安心材料だけれど、重い荷物を支えきれずに滑落するかもしれない。慎重に進む。

一つ一つの小ピークに一ヶ岳、二ヶ岳と名前がついているのが楽しく、細かいアップダウンは苦にならない。九ヶ岳の先から残雪が出てきた。踏まれた雪が氷と化しているので、スリップに気をつけながら進む。

十一ヶ岳の標識の先、急激に落ち込んだ先に、壁のように立ちはだかる十二ヶ岳が見える。壁のような感じが黒戸尾根の屏風岩に似ている。

ロープを駆使して下って、吊り橋を慎重に渡ると、その先にもロープ、鎖が続く。急斜面をロープや枝を頼りに登る。腕の力が弱いことを痛感する。それでも、なんとか難所を通過できた。

十二ヶ岳に到着。十二ヶ岳は、金山方面から昨年登ったことがあるので、懐かしい景色だ。西湖がすぐ下に見下ろせる。

金山までの道は、破線ルートになっているけれど、それほど危険はない。十二ヶ岳までの登りで削られてしまった体力のせいか、道が長く感じる。金山でようやく御坂山塊の主稜線と合流。

鬼ヶ岳(1738m)は、今回の山行の最高地点だが、疲れで景色を楽しむゆとりがない。
他の登山者グループが、山座同定などしているのを横目に、ザックをおろして休憩する。

今日の幕営予定地の鍵掛峠までは、あと少しだけれど、鍵掛峠までのアップダウンですっかり参ってしまった。途中、雪解けのドロドロの部分で転倒して、ザックが泥だらけだ。

鍵掛峠からは富士の眺めがいい。道標の前に、テントを1張り張れそうなスペースもある。
ここでテントを張る予定だったけれど、少し狭くて圧迫感がある。

大休憩の後、王岳まで行くことにする。もう体力は限界近いけれど、明日の行程も長いことだし、できるだけ先に進んでおきたい。頑張れば、日没までには王岳に着けそうだ。

王岳までの間に、日は急速に沈んで行く。太陽にせかされるように登って行き、16時15分にようやく到着。太陽は、三方分山の方に沈む直前だ。

テントを設営しおえると同時に日没。真っ暗ななか、ヘッドライトの灯りで夕食を作る。
疲れすぎて、シュラフに潜り込むと、すぐに意識がなくなった。

夜中、目を覚まして外に出ると、街の灯がとても輝いている。今日は、クリスマスイブなので、いつもより少し明るめなのかもしれない。

ちょうど1年前の同じ日に、私は王岳の山頂に泊まっていた。そのときは、1年後も山に登っていられるとは思わなかった。今年は、いろんな山に登ることができて、本当に幸せだったと思う。そうなると、あと1年という欲も出てくるけれど、1年後はどうなるか分からない。

■ 2日目
朝、バリバリになったテントを畳んで、ザックに放り込む。この時期の6時は、まだ真っ暗だけど、夏と比べたら1時間半も遅い出発だ。

北側斜面には、雪が凍結した部分が残っている。ヘッドライトの明るさでは不安なので、慎重に下る。

五湖山に到着するころに、太陽が富士の裾から上がってきた。やはり太陽はありがたい。
雪を冠った南アルプスの峰々にも日が射して、美しい。精進湖を見下ろしながら、女坂峠まで下る。

峠から160mほど登り返せば、三方分山だ。

これから向かう釈迦ヶ岳方面の道標がないが、北に向かうしっかりした踏み跡と多数のピンクテープがある。地形も分かりやすい。

下りきったところで、左下に舗装道路が見えてくる。これが、この後、下りることになる、折八林道のようだ。北に100mほど登り返して分岐に到着すると、道標がある。右に行けば、釈迦ヶ岳山頂、左に行けば、折八林道となっている。

こぢんまりした釈迦ヶ岳山頂からは、甲府方面の町が見下ろせた。

しばらく休憩した後、尾根伝いに林道に向かう。途中の分岐で、地形図に書かれた釈迦ヶ岳の北側尾根に向かう道を確認する。その道は荒廃が進んでいるようで、入口は木で×印が作られ塞がれていた。

林道に降り立つところは急で、ロープ、梯子がある。ここには、立派な道標があるので、林道側からの取り付く場合も見逃すことは無さそうだ。

車道を横切って、八坂峠に向かって薄暗い林を西に降りて行く。踏み跡が少し薄くなるが、迷うほどではない。鞍部まで降りきったところが、八坂峠のようだけれど、道標がない。

ここから南に下って行かなければいけない。事前に山行記録を調べたら、ここを尾根伝いに西に向かってしまい、大変なヤブ漕ぎをして地蔵峠に抜けた記録があったので、注意していたところだ。

松ぼっくりだらけの踏み跡を南に向かうと、再度、林道に降りたった。

ここで、丁度、車で通りがかったおじさんに声をかけられた。地元の方とのことで、八坂峠に道標を立てるようにと役場に何度もお願いしているらしいが、まだ実現しないと言っていた。
確かに、この林道からの入口と八坂峠に道標があれば、普通に歩けるコースになりそうだ。

車道を500mほど西に向かった所に、四尾連湖と書かれた道標があり、そこから再度、取り付く。

山の南斜面のなだらかな巻き道を登って行く。今日は風もなく、日が当たって気持ちがよい。
地蔵峠で、ようやく稜線に乗る。ここには、大きな栂の木があり、樹齢500年と書かれていた。

大平山に向かう道は稜線上にはない。折門峠まで、巻き道を進んで、そこから北に登る。
山頂の南東側の木が伐採されていて、富士山の眺めがよかった。

折門峠に戻るのは面倒なので、道のない尾根を西に下りる。木をかき分けながら下って行くと、登山道と合流した。

ここから蛾ヶ岳までは、なだらかに登って行く。雪は全くなく、落ち葉を踏んで、快適に進む。
蛾ヶ岳の手前に急登がある。ここが、2年前に撤退した場所だ。そのときは、蛭ヶ岳から三方分山に向かって歩いていたのだが、雪が多かったため、怖くて引き返してしまった。

懐かしい蛾ヶ岳の山頂に到着すると、老夫婦が休憩していた。

このご夫婦と一緒に、櫛形山や鳳凰三山など山座同定をしながら話をすると、ものすごく山に登っていることが分かった。
百名山、二百名山は登りきって、三百名山も残り5座なんだとか。信州、山梨、関東、甲信越の百名山、標高順100座、一等三角点100座なども登ってしまったとのこと。
しかも、登山を始めたのが60歳過ぎてからということで、驚いてしまう。

諏訪にお住まいとのことだが、今朝は、守屋山でご来光を見た後、車で移動してきて、蛾ヶ岳に登ったのだというから、その行動力に呆れてしまう。
更に驚いたのがその格好だ。二人の足下をみると、地下足袋を履いている。軽くて、安くて、とても便利なんだとか。下りは滑りませんか、と聞くと、足の裏を見せてくれた。4本爪の軽アイゼンが付いている。下りで怖い目に会って以来、夏でも常にアイゼンを着けているとのこと。

地下足袋登山は、以前からの憧れなので、今度、店(ワークマン、とか言っていたような)に見に行ってみようかと思う。

すごい方々とお別れしてから、四尾連湖に向かう。

山の中にある湖は、とても好きだ。エメラルドグリーンの四尾連湖は、人気もまばらで静かだった。
湖を一周してみると、湖畔にテント場があった。ここにテント張ったら、さぞかし気持ちがいいだろう。

今年最後の山行は、とても充実して楽しかった。
満ち足りた気分で、落ち葉で埋まった道を、市川本町駅に向かって下っていった。

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