奥大井縦走(大日峠-笹山-牛首峠)〜雨の尾根を歩く〜
Junjapa
- GPS
- --:--
- 距離
- 24.5km
- 登り
- 1,049m
- 下り
- 1,042m
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| 天候 | 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2012年01月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
(復路)大日峠=口坂本温泉=静岡 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
<駐車場>大日峠の南に大きな駐車場があります。 <コース> �‖臚�峠〜勘行峰 指導標がしっかりしてます。林道を歩いたり、途中指導標にしたがって、山道を歩いたりといったところです。林道途中から右側の林道に入り込み高度をあげていくと、最後に広場になっていて終点です。 そこからは歩いてあがるとすぐに勘行峰。頂上は展望がありません。下に牧場が見えます。羊が南アルプスの雄大な景色を背景に草を食んでいます。 ��勘行峰〜アツラ沢の頭 牧場の柵ぞいに下ります。やがて、左下にリバーウェルスキー場が見えてきます。 しかしながら、道はそこからスキー場の舗装道路に導かれ、本来の尾根には鹿柵により戻ることができません。ところどころ尾根に戻る階段が残されているにも拘らず、上には鹿柵があります。しかたなく林道を行きます。 林道が並行して走っていますので、それをずっと行ってもかまいません。 途中、から林道が尾根から離れますので、県民の森の建物の脇から登山道に入り、楽しい尾根道を行くとそのままアツラ沢の頭に導かれます。 ��アツラ沢の頭〜井川峠 すばらしい尾根が広がります。平坦な尾根にいくつもの尾根が並行して走る二重稜線、多重稜線があります。道は比較的しっかりしていますが、枯葉や、雪で隠れるとわかりにくいでしょう。その時は、尾根の東側の急斜面を意識しながら行くといいと思います。 �ぐ羸酘宗塑�山 尾根の凹凸が少し激しくなります。問題はないと思います。 �ズ�山〜牛首峠 急な下りになります。途中、明瞭な尾根が北西に伸びていますが、道は北東に曲がっていきます。明瞭な尾根上には明瞭なフミアトがありますが、入口は枝が何本か通せんぼしてありますので、明るい時間に通るのであれば問題はないと思います。 牛首峠の直前は林道が迫ります。林道の法面の上部が登山道に及んでいてロープが張ってあります。雪のときは十分な注意が必要です。 <温泉> 口坂本温泉がよいと思いますが、今回は入ることができませんでした。 |
写真
大日峠からはこだわって林道をたどらずに尾根上のヤブを漕ぎながら行く。結局、林道に飛び出て登っていくと勘行峰ハイキングコースの案内表示が出てきた。どうも大日峠から北に伸びていた林道をたどると勘行峰への登山道の入口があるようだ。
林道の途中からまた、勘行峰へのハイキングコースがあり、ちょうど南北に走る勘行峰の西側山腹をトラバースする形となる。木の枝ごしにすばらしい南アルプスの山々が見えてきた。
そしてそこからあっけなく遊歩道の途中の高まりといった風情の勘行峰の頂上。頂上には展望はない。すぐわきに展望台がしつらえてある。眼下には、牧場があり南アルプスの素晴らしい展望を背景にしながら羊たちは草を食んでいる。ここの羊たちはなんと幸せなんだろう!
頂上の遊歩道のすぐ東側に三角点がある。あまり目立たないのでふとすると見逃してしまうかも知れない。いや、おれは君を見逃さないぞ。おれの目的のひとつは山頂ではなうてキミなんだから。
牧場を過ぎると急に音楽が聞こえてきてリバーウェルスキー場に至る。これまで誰にも会わなかったのに、みるとスキー場を小さい子供が歩いている。ここまで誰も人にはあっていなかったのに。
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リバーウェルスキー場とは、リバーが川、ウェルが井戸のことで川井。だとすればこのあたりは、井川なんだからウェルリバーじゃない?
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スキー場のわきは鹿枠が張り巡らされていて尾根上に戻れない(涙)。登山道への階段も2カ所あるが、その上はシカ柵…ちょっとひどくない?
アツラ沢の頭の左下には東屋がある。ここで食事でも…と思って言ってみると中は何もなく壁だけの東屋だった。テーブルぐらいあるといいのだが。
赤いき○ねと、緑のた○きは知っていたのだが、嫁に買ってきてもらったのは黒の豚カ○ー。色をつければいいってもんじゃないでしょ。残念ながら豚カ○ーでもほとんど豚は入っていなかった。
感想
<行動記録>
朝、どこに行こうかと思っていた。そうだ。あの牛首峠。いつぞや、井川湖から山伏、そして牛首峠まで歩いてそこから井川湖に下ったんだっけ。大雨になることがわかっているのに出かけてモノ好きだなぁって苦笑した。でも南アルプスの主脈からずっと赤線を繋げて安倍奥に繋げる”重要な”ルート。そのとき初めて南アルプスから太平洋まで繋がったんだけれど、自然の尾根すじは、牛首峠よりもさらに南へ南へと続いている。
これを行こう! クルマで大日峠まで行ける。途中口坂本の温泉もチエックして帰りにでも寄るかなぁんて思ってた。計画らしきものもなく適当に歩いて帰ってくればいいや。それが結局、温泉が閉まってしまう時間まで歩くとは思っていなかった。行き当たりばったりで自分でもずいぶんいい加減だなーなんて思った。
大日峠ではどこに停めよーかなんて走ってたら偶然、「大日峠駐車場」なんて立派な駐車場を見つけた。一台クルマが停まっている。あとからヤマレコのある方の車であったことがわかった。彼は、そこから南下してさらに尾根を井川湖まで下っていたのだ。大したものだ。
準備を整えると北に向かって歩き始める。舗装道路を歩くのが悔しくて、そのまま自然林の葉の落ちた尾根をたどった。かすかなフミアトがあるのが嬉しい。大昔、このあたりの山肌を縦横に傷つける林道がなかった時代に杣人たちがたどったに違いない。大日峠では口坂本温泉から使った林道がすぐに右下から上がってきている。
そこから北にスキー場や県民の森に行く立派な林道が延びているのだが、ここも尾根すじにいく。やぶはひどくない。しかし結局右から大きくUターンしてきた林道と出会い、林道を行くことを強いられる。
ここで妻に電話を入れる。昔と違い便利だ。ひとりで行くときは必ずおもだったところで携帯メールを送る。万一のときどこまで到達したかがわかる。誰かに探してもらうときにも場所が特定しやすい。
やがて、林道が右に曲がるところに勘行峰への歩道の指導標がありそれにしたがって歩道にはいる。
ここで弟から携帯に電話が入り、はぁはぁ歩きながら話をする。それもつかの間また、林道にぶつかる。左から右に尾根を大きく絡んでいる。
そしてまた林道を離れトラバース道となる。ところどころ登山道は白くなっている。さすがに冬だ。沢をわたる橋は凍っているので慎重に行く。
顕著な尾根を回り込むところで尾根スジに明瞭なフミアトがあるが、そこは枝で通せんぼしてある。木の間ごしに南アルプスの素晴らしい景色が望める。今日は快晴だ。あまりの幸運に感謝である。
最後の尾根を回り込むところでフミアトは尾根上を上がることになる。
やがて傾斜は緩み、また林道にぶつかる。林道を左に行くと林道は分岐していて、指導標があるのでそれに従う。
分岐を左に行くとスキー場に導かれるのであり、この道を今日暗くなってから満月を頼りに歩くとはそのときは思ってもいなかった。
明るい疎林の林道を快適に行く。やがて、大きな広場となりここがクルマ止めだ。
左側に昔は林道だっただろう荒れた道が続いている。路肩は崩壊しており、歩くのには問題ないが、クルマは通るのは無理だ。
左側を見ると遮るもののない大展望だ。大無間のでっかい塊。そしてその右側には真っ白な南アルプスの連嶺の雄姿を望める。
平坦になりあっけなく勘行峰のピーク。あまりのあっけなさだ。表示がなかったら通り過ぎるような場所だ。幅の広い登山道の右側に三角点が鎮座している。
地形図でみるといつも三角点が気になる。それに会いに行きたくなる。恋人みたいなものだ。いつも澄ました顔をしている。でもそこにいけば必ず会える。そんなやつだ。
下には牧場があり、羊たちが優雅に草を食んでいる。南アルプスのこのすばらしい景色を背景にメシをくうとは、贅沢な羊たちだ。
そばには展望台もあるけれど、登らずしても十分な眺望が得られるではないか。
遠くでBGMが聞こえる。
尾根上の切り開きか登山道かわからないような道をコンパスを見ながら北に進む。
やがて、真下にリバーウェルスキー場を望むようになる。音楽はここの音楽だったのだ。子供たちの歓声が聞こえる。広い駐車場にはたくさんの車が止まっている。人工雪で作られたゲレンデで子供たちが雪と戯れている。
そんな姿を見ながら尾根上を下って行くと、突然、尾根は木でできた柵に阻まれて駐車場への舗装道路へと導かれる。柵に向こう側はずっと網でできた鹿柵が続いていて尾根上に戻ろうにも戻れない。ひどいもんだ。
ところどころ昔の尾根みちに戻る階段が残っているがそれとて登っても鹿柵があってその向こう側には行けない。
そうこうしているうちに駐車場の入口の料金を徴収するボックスまで下りてくる。おばちゃんがいたので聞くと、ずっと鹿柵が張ってあってこの先林道沿いに行くしかないという。
林道沿いに行くと、右に適当にはいれるくらいに尾根が下りてくるのでそこをいくと倒木帯の中にまたフミアトがとぎれとぎれにつながっている。
やはり林道よりは尾根みちがいい。自然林の葉の落ちた疎林は味わいがあり捨てがたい。
やがて県民の森の南端につき、しっかりした建物が現れ、その右側、すなわち東側の尾根上を行くようになる。林道は西側へと離れていく。
静かな尾根みちが続く。
まだエアリアマップでは登場しない領域なので地形図を見ながら北上を続けるが、すばらしい雑木林が続く。
高度を少しずつあげていき、自然にアツラ沢の頭に導かれた。標高が1513.5m。雑木林の中のピークで指導標もある。三角点がちんまりと座っている。
このあたり尾根が広くなり2重稜線にもなる。東屋があったのでこのあたりでメシとする。東屋の中を覗くとなんと壁と屋根だけで床はない。雨がしのげるだけのものだ。
どっかと腰を下ろし持ってきたコンロで湯を沸かし、○ちゃんの黒豚を食べる。うまいが、あまり豚がはいっていないではないか!なんて思いながら食べる。静かである。
30分ばかりゆっくりしたあとまた北上することにする。
尾根は広くたおやかな雑木林が続く。途中、アスレチックなどもあって県民の森は興をそぐ。
やがて井川峠へと導かれる。東側は急峻な谷。西側はゆるやかな二重稜線的な尾根が広がっていて十字路となっている。
ここでどうするかしばし考える。このまま牛首峠まで行けば帰りは確実に真っ暗になる。ヘッドランプは持参しているが、どうしよう。
でもあとで後悔したくない。暗くなってもよいではないか。口坂本温泉はまた来ればいい。
そう思い直し、そのまま笹山方面に踏み入れる。
急な登りがあり、また急に下ったりするが、また好ましい尾根が広がりしばし楽しませてもらう。
尾根上の木の一本は表面が広範囲でハガされており、爪の引っ掻いたあとがある。きっとクマだろう…と思うとぞっとした。
やがて、笹山のピークと思った高まりが見えてきて、そこを登るとそれはニセピークでさらにハーハーして尖がったかたちの笹山に到着。
これで静岡百山47山目となった。
一部を除きほぼ360度の展望で来てよかった。富士山は見えるし、以前あるいた安部奥の上十枚、下十枚なども見える。
下には井川湖の表面が残照に光っている。
ふと気が付くと自分がたどってきた尾根が丸見えだ。遠くに尾根の林が剥げて真っ白に見えるあたりがリバーウェルスキー場である。
ありゃりゃ、ずいぶん遠くまで来てしまった。あそこまで戻るのかー。
急がなくては・・・・。”夜歩く”のは横溝正史。自分は好きではない。
笹山からはフツーの尾根みちになり、途中から自分が乗った尾根を外れ右に旋回
していく。自分が乗った尾根にはフミアトがあるが、尾根を外れる地点には、通せんぼがしてある。いかにもナニもなかったらここから直進してしまうような地形である。雪がつもったときは要注意。よくコンパスを見ていくことが必要だ。
思った以上に右である。
尾根を外し、はっきりしない斜面を右へ右へと下って行く。道はしっかりしている。
最後は林道の法面の上を行くが凍っているとやばい。張られたロープをつかみながら慎重にいくと牛首峠に導かれる。これで赤線はつながった。ひそかな喜びである。
さぁ、ここからクルマまでは林道歩きだ。
林道は意外に登りがある。ずっと下りだと思っていたが暫くは登りが続き、そして、笹山への登り口あたりから徐々に下って行く。
途中の水場は完璧に凍っている。
アツラ沢の頭の下あたりで日没時間4時50分を迎えた。
太陽は深南部の黒法師岳の南側あたりに姿を隠した。
それも美しかったが、それを見ながら歩くと素晴らしい夕焼けが広がった。
写真ではうまく表現できない美しさだった。
スキー場の入口をすぎ、やがて真っ暗になったと思いきや、左の雑木林の中に満月が覗いている。
月は意外に明るいことは知っていた。
今度は月につきあってもらおう。しゃれじゃないけど。
でも本当に明るくて、結局ヘッドランプは使わずに大日峠まで下りてきた。
ときおり登っていくクルマがある。
なんで?
下界を見ると静岡の町のネオンが。
クルマに着いた。
あとでヤマレコの記録を見たら20km近くを歩いていた。
さぁ帰ろう。充実感と一緒に。
<感想>
・足慣らしとして出かけましたが、欲が出て(笑)、赤線繋ぎをしたくなり(以前歩いた)牛首峠まで思い切って歩いてしまいました。その分、ヘッデン歩きを覚悟していましたが、満月が林道を明るく照らしてくれて不要でした。
・雪はところどころにありましたが、問題となるほどでもなくアイゼンは持っていったものの使いませんでした。
・勘行峰までは林道がメインであり、尾根をそのままたどることはできません。林道が開通する前の昔の尾根径をたどりたかったのですがイージーに流れてしまいました。
・ウェルリバースキー場の周辺は東側がずっと鹿柵が巡らされており、スキー場の入口のところまで尾根には戻れません。少し林道を歩いてから尾根に戻ると尾根上にはフミアトがあったのでなるべく林道をたどらずに尾根沿いに行きました。
・アツラ沢の頭を過ぎるとすばらしい自然林が広がっています。牛首峠まで、ずっと準平原的な地形が広がっています。二重稜線、場合によっては三重稜線が次々と展開し、自分の歩いた尾根が低くなり、隣を並走していた尾根がメインの尾根となったりして変化があります。高低差はあまりありませんので、冬は木の間から南アルプスの雪稜を見ながらの漫歩となります。
・黒法師の左側の西の空に4:50日の入り。そのあと、本当にこれまで見たことがないほどの素晴らしい夕焼けが深南部の尾根スジに広がりました。ひとりで見ているのがもったいないほど。写真がそのままを表現していないのが残念ですね。
・帰りに口坂本温泉に立ち寄り湯しようと思いましたが、もう閉まっていました。当然ですかね(笑)。
こっそり拍手
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junjapaさん、こんにちは。
勘行峰からの南アルプス、快晴でばっちりですね。
好天だったので気持ち良かったのではないでしょうか。
昨年末に自分が行った時は肝心な赤石岳が雲の中でちょっと残念。
こう綺麗な写真を見ると、また行きたくなってしまいます。
黒帽子への日没も良いですね。
ところで、この日もしかしたら同じ場所に車を停めてたかも・・。
malembeさん、さっそくのコメントありがとうございました！ 天気は非常によく山座同定も結構いけました。
これまであまり振り向かなかった山域ですが、アクセスはいいし、温泉にも行けなかったので、またたぶん行きたいなーと思っています。
黒法師の日没も良いでしょう？日没とは太陽が沈むときが一番きれいと思っていましたが、そうじゃないんですね。沈んでからしばらくたってからなんですネ。
ところで同じ場所にもう一台確かにクルマがありましたね。malembeさんでしたか。かえって来たときはもうありませんでしたね。
（そりゃそうかな、あの時間では（笑））
どちらに行かれたのでしょうか？
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