梅雨の丹沢表尾根〜花いろいろ
- GPS
- 06:06
- 距離
- 14.6km
- 登り
- 1,127m
- 下り
- 1,577m
コースタイム
- 山行
- 5:03
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 6:06
天候 | 曇り後雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:大倉からバスで渋沢駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
整備良好。ヤマビルも出なかった。行者ヶ岳のピーク二つにはそれぞれ鎖場あり |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
ガイド地図
コンパス
筆記具
保険証
飲料
ティッシュ
バンドエイド
タオル
携帯電話
計画書
雨具
ストック
水筒
時計
緊急保温シート
着替え
ツェルト
ファーストエイドキット
医薬品
カメラ
GPS
|
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感想
仕事と悪天続きで、行こう行こうと思いながら気が付けば2か月余ぶりの山行に。折り畳み自転車で時々25kmほど走り回って脚力維持を図っていたものの、やはり登山とは違うようで、後半だいぶ膝に来た。おまけに最後は本降りの雨で、なおさら消耗した。
三連休の1日くらい晴れるだろうという読みは甘かった。かろうじて曇り予報の土曜日、久々の山だから整備が良くて水はけも良さそうなポピュラーなルートを選択した。考えることは皆同じようで、秦野駅のヤビツ峠行バス停は20分前で既に長蛇の列。前に並んだ男性が仲間に「ほかの日の天気が全然だめだから集中したんだよ」と解説している。
10分前の臨時便でヤビツ峠に9時過ぎ到着。標高600m付近から雲の中で、降ってはいないが路面はじっとり濡れている。15分ほど車道を歩いて富士見橋。昔はここに富士見山荘があった。左折して急坂を2,3分で右手に登山口がある。霧の立ち込めた薄暗い植林帯、やや蒸すような気温。山蛭クンが大好きな条件ではないか! 昨夜、靴とスパッツにヤマビルファイターをスプレーしておいたが、足元に十分注意しながら、比較的安全な高みへと急いだ。
歩き出しは息も上がらず快調。先行者を追い抜いていくと、1000m過ぎで視界が開け、かすかに風が吹き抜けた。いくらか空も明るくなっている。いつもは危なくて邪魔なだけのノイバラが白い花をたくさん付けて出迎えてくれた。
もう一度樹林帯を抜けて、“イバラの道”を登ればほどなく二ノ塔。2,3人休んでいたが、かすかに薄日が差すと急に暑くなったので、立ち止まるのをやめて三ノ塔へ向かう。西側が開けた絶景スポットも、今日は白いガスに包まれて何も見えない。木道の先に現れた三ノ塔は、新設されたトイレに加えてログハウス風だった休憩小屋が建て替えられていた。
覚悟の上とはいえ、この山頂も視界ゼロ。まあ仕方がない。汗を拭って一休みし、先を目指した。地蔵の先の急降下は幸いにも道が乾いて歩きやすい。それでも足がすくんだようになったグループがいたので、わきから抜いて登り返せば烏尾山。珍しく山荘の扉が開いて人が出入りしていた。一度は寄ってみたいが、場所的にちょっと中途半端だ。
唯一の難所と言える行者ヶ岳の鎖場も心配したほどの人間渋滞はなく、さほど時間をかけずにクリア。視界40mほどのガスの中、崩壊地を登って政次郎ノ頭を通過する。わずかに見える山ひだが水墨画のようだ。
書策小屋跡でちょうどガスの切れ目に遭遇し、付近の稜線が見渡せた。ただ、上も下も周囲は雲だらけだ。ここで給水の大休止を取って、昼食前の最後の登りにかかった。遠くが見えないので、手近なイバラやシモツケなどの花々で心を慰めている。
1340mの新大日で腕時計の気圧高度計を確かめると、1370mを示していた。ヤビツ峠で合わせたので3時間足らずで30m高い方に誤差が出た。余計に気圧が下がった、つまり低気圧が近づいてきたということになる。あまり嬉しくない。
食後のコーヒーを楽しみに木ノ又小屋に立ち寄ると、なんとお休みだった。仕方なくお握りとコンビーフの昼食を済ます。きょうは「ダイエット」も掲げているので、カップ麺は自粛した。
25分休憩して出発。木ノ又大日付近で、きれいな白い花を撮っていた男性がいたので、花の名を訪ねると「ヒメシャラ」と教えてくれた。男性がいなければ見過ごしてしまうところだったが、「足元に花がいくつも落ちていますよ」とのこと。なるほど。
塔ノ岳に登りきった時、ガスの向こうで「ありがとうございました!」と大きな声が聞こえた。近づいてみると、中学生くらいの女の子たちの団体が山名柱の前でちょうど記念撮影を終えたところだった。本来なら山頂の絶景がいい思い出となっただろうに、気の毒だ。
この状態ではこちらも長居しても仕方がないので、小休止のみで出発。木段に次ぐ木段を辿って一気に金冷シまで下った。塔ノ岳付近は、ところどころで携帯の電波が入ることがあるため、ここでメールをチェック。ガスの切れ目で多少見通しがきく中、花立山荘へ至った。
と、天気が持つかと思ったのもつかの間、山荘前でポツポツ雨粒が落ちてきた。休憩していた先ほどの女の子たちに、引率者が「雨具をすぐ出せるように準備して」と注意している。とりあえず雨具が必要な降りではないが、先を急ぐに越したことはない。そう思って花立の階段を下り始めると、膝の踏ん張りが今一つ効かないことに気が付いた。これは随分ナマっているようだ。
林に入り、岩の多い急斜面を下る。雨音がせわしなく聞こえるようになった。木々の葉が雨を防いでくれているが、どうやら本降りに向かっているようだ。急ぎたいが、無理をするとバランスを崩しそうで、脚がそれを許してくれない。やっと堀山の家が見え、あまり濡れていないベンチを選んで一休み。まだ登って来る人がいるが、リュックにはレインカバーをかけ、髪も濡れている人が多い。
出発してしばらく歩くと、木々から落ちてくる水滴が増えてきた。もう雨を防ぎきれないのだろう。仕方なくリュックにカバーをかけ、この蒸し暑さでレインウエアは自殺行為なので折りたたみ傘を準備する。しばらくは傘なしで歩き、いよいよ雨粒が気になりだした時点で傘を差した。周囲はレインウエアの上着を羽織ったり、そのまま濡れて歩き続けたりする人が多く、傘派はちらほら程度だ。
さて、最後の急坂である見晴茶屋裏の斜面を無事下り、観音茶屋へと向かう何でもない緩い坂道で、右足のかかとが石か何かを踏んだのか、「膝かっくん」のように膝が前へせり出した。折悪しくストックを左手に持ち替えていたため、とっさに支えられず、ゆっくり崩れるように四つん這いになってしまった。どこも怪我はないが、思わず右手の傘の柄を握りしめてしまったため、華奢な折り畳み傘の骨が「複雑骨折」してしまった。
「大丈夫ですか」と声を掛けてくれた女性に、「大丈夫です。でも、傘が大丈夫じゃない」と訳の分からない受け答えをして、とりあえず半分だらりと垂れ下がった傘で再出発。山の中はともかく、住宅街を歩くのは少々恥ずかしかったが、雨自体は小雨に変わっていて助かった。
大倉では、靴の泥を落とす流しに列ができていた。こちらはズボンの膝も泥で汚れてみっともなくなっており、シャツも汗と雨でじっとりしている。一刻も早く鶴巻温泉に向かうべく、泥を洗い流すとすぐに今度はバス停の行列に並んだ。
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