三頭山から向山、熊を恐れてカラオケ練習
- GPS
- 07:19
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 1,390m
- 下り
- 1,337m
コースタイム
9:50 西原峠
9:58 槙寄山
11:02 大沢山
11:08 三頭山避難小屋
11:36 展望台
11:48 三頭山西峰
12:21 神楽入ノ峰(昼食)
12:43 発
14:15 向山
15:17 余沢バス停
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:「小菅の湯」から村営バス、「金の湯」バス停でJR奥多摩駅行きバスに乗り換え |
コース状況/ 危険箇所等 |
久しぶりの少し距離のある単独山行。三頭山から余りメジャーでなさそうな向山経由での小菅方面へ。マイマップの連結も今回のテーマ。 最後の小菅の湯で思いがけない迎車の親切を受け助かった。 危険な箇所はなく、足もとも積雪、泥道ともに無く歩きやすい。向山前後が落ち葉が厚く、コースが少しわかりにくかった。 |
写真
感想
<テーマ>
最近地元の山の会に入ったので、会の山行に参加して今までの一人での山歩きは少し休んでいた。会の山行は至れり尽くせりでとても楽しいが、一人で気ままにプランを立てる楽しみと緊張感もまた捨てがたい、年も押し詰まってきたので、久々にプランを立てて三頭山にいってきました。
今回は、前回未完に終わったヤマレコのマイマップつなぎもテーマにした。笹尾根の西原峠から三頭山間で歩けば、高尾山から雲取山までつながる。またあわよくば小菅の湯までいければ大菩薩からのラインともつながる、ということで数馬から三頭山を経て向山経由で小菅方面に出る計画を立てた。しかしマップ結合は最後でちょっと微妙な結果に。
<道すじ>
JR武蔵五日市駅から7:20発の数馬行きのバスに乗る。前に同じバスに乗ったときには長蛇の列だったが、この日は待っているのは発車寸前まで小生一人。発車時に2人同乗となって計3人、小生は終点近くまで乗ったので時々ただ一人の乗客ともなった。
数馬の湯の次の「仲の平」バス停で下車。昭文社地図にトイレが近くにあるとなっているので探すがよくわからず、近くの民家で声をかけるとおばさんが出てきてくれて親切に教えてくれた。なかなか立派なトイレだった。
<三頭山まで>
用意を整え登り始める。この前9月に笹尾根を歩いたときにはここに下りてきたが今回は逆に登ることになる。下ったときはさして苦労は無かったが、登ってみると結構斜度はあるように思った。朝イチということもあり、ちょっとハーハーいいながら1時間ちょっとで9:50に西原峠へ。しかしバスの状況と同じく峠まで誰にも会わず、黙々と登った。
西原峠から笹尾根を三頭山に向かって進むとすぐに槙寄山の小ピークに着く。少し展望が利き近くの山は見えるが雲が立ち込め富士山などは見えない。前回はトレランの「ハセツネ」前で大勢練習していたが、この日はそんな姿も見えず静かな山歩きである。ここから少し下ったあとはいかにも笹尾根を歩くというなだらかな尾根道になった。そんな尾根歩きを楽しんでいたが、また徐々にのぼりがきつくなり、息を切らせながら登ることに。なにせ7月に奥多摩湖側から結構苦戦して登った「オツネの泣き坂」の反対側である。それなりに上りがいがあるが、足場がオツネ側よりしっかりしているので、その分は楽かもしれない。
11時ごろに三頭山手前の小ピークの大沢山に着く。このあたりから都民の森のエリアに入るようで表示があり、道もより整備された感じになる。富士山の写真が入った展望案内の看板があるが、やはり実物は見えない。むしろ雲はだんだん厚くなってきてちょっと先行き懸念である。大沢山から少し下ったところに三頭山の避難小屋がある。7月にきたときにはここまで来て都民の森駐車場のほうに下った。これでようやく小生のヤマレコマイマップで高尾山から雲取山までつながった。
それにしても人がいない。夏にはこの小屋でも10人近く休んでいたが、結局ここまで登り初めから誰にもあっていない。ひょっとして1日誰にも会わない、ということもあるかな、とこのあたりでは考え始めていた。
まだ11時過ぎだったので食事はもう少し先にして、三頭山の頂上へ。余り見晴らしのよくない三頭山であるが、展望台が設けてある。前回はガスの中でほとんど何も見えなかった。まずその展望台に回ってみると若い人5人ほどのグループが休んでいた。今日はじめて会う登山者だ。都民の森の駐車場から上がってきたそうだが、駐車場には3台しか車が停まっていなかったとのこと。やはりシーズンオフである。
それから中央峰経由で、前回はへばってパスした西峰へ回る(11:48)。そこに30台ぐらいだろうか、男性が一人ベンチに座っておにぎりを食べておられた。奥多摩湖のドラム缶橋からオツネ坂側を登ってきたという。「3回目なんですが、こんなにきつかったかな。」とのことだった。小生が登ってきたコースに降りて数馬の湯による予定だという。互いに「お気をつけて」といってお別れした。
<向山に向かう>
さて、ここからは余りメジャーでないコースへ。西向きに尾根を進んでから西北にくだり、向山(オマキ平)を経由して小菅村に下りていく予定。iPhoneの昭文社地図でたてた計画だが途中に(迷)マークが2箇所あり、ヤマレコのレポートも少なく、どんなことになるかちょっと不安だった。
歩き始めてみると尾根を伝って行くルートでそんなにきれいに整備された道ではないが迷いようは無い、アップダウンが結構あるルートだった。そんなコースを歩きながら、どう考えてもこのコースでは下山まで誰にも会わないだろう、と思った。ふと、これではひょっとして熊にあうことも無いとはいえない、ひょっとして冬眠前の一番凶暴な時期じゃないか、と思うとむらむらと恐怖心がわいてきた。
小生は熊鈴というものを持っていない。今まで登山者の多い山で鈴を鳴らす人を見ると、「こんなところに熊が出るかどうか、考えたらどうだ。」と苦々しく思っていた。しかしこの状況では熊鈴が欲しい、とだんだん切に思い出した。しかし無いものはしょうがない。どうするか?「しょうがない、歌を歌おう。」しかも小さな声では熊よけにならない。この後下山まで、声量をあげてカラオケのレパートリーを順番に歌っていった。予想通り誰にも会わなかったのでちょっと恥ずかしい思いをすることは幸いにして無かった。やはり熊鈴は買おう。
何回か上がって降りてまた登ったところに 神楽入ノ峰という標識がある小ピークがあった(12:21)。ベンチも何も無かったがここで食事にすることにした。ここでもう一度地図を見て考えたのが、昭文社地図にはこのルートと平行してもう一本線が引いてある。歩いてきた道のほうが近道だと思ってきたが、よく考えるとこっちは尾根道でアップダウンがあるが、もう一本は山腹に引いた道でアップダウンが無い道のようだ。楽なのは山腹道のほうだったようだ。
食事を終えて歩き出す。いつしかもう一方の道と合流した。やはりそこから道がよくなった。少しいったところに鶴峠に下る道との分岐があった。昭文社地図にはここから向山に行く途中にひとつ(迷)マークがついている。たしかに枯葉が積もってどこが道かわかりにくいが、尾根を頼りに進むと迷うことはなさそうだった。とはいっても命の綱のiPhonを握り締めてGPSで確認しながら進んでいった。
そのままゆるゆると下っていったところで向山あたりについたのは2時を過ぎたころ。ところがこのあたり(二番目の(迷)印のあるところ)で道がわかりにくくなったのだが、木に赤いテープがあってそれを頼りに進んでいった。ところがここから急なくだりという場所に来てGPSを確認するとコースから外れている。向山のピークを素通りしたようだ。あわててピークのほうに戻ったが、後で確認すると2009年の昭文社の地図では別ルートの下山道(途中で本道と合流)が破線で書いてあった。赤いテープはそのコースを示していたようだ。
<向山から小菅の湯まで>
向山の頂上あたりは以前丘の上の公園として整備したところであったようだ。その残骸というべき木造の展望台(高さは3階建てぐらいか)が朽ち果てていつ崩れるか、という状況で残っている。登るには勇気がいるというより無謀な状況だ。小菅村が整備したらしいがほかの施設と登り道を含め荒れたままになっている。何しろふもとへどこから下っていいのかよくわからなかった。しょうがないので地図のコースが書いてある方向へ落ち葉の積もった斜面をまっすぐ下っていった。結構な急斜面だったが50Mほど下ったところで、落ち葉に埋もれた斜めの道にぶつかった。この道を下っていくと山の斜面にジグザグに下っており、下るにつれてだんだんきれいな道になり、1時間弱で小菅村の余沢にたどり着いた。道なりに下ったが、GPSの軌跡は昭文社地図から途中で大きく離れている。これは地図が間違っているのかもしれない。
さて、車道に出て余沢のバス停(15:17)でバスの時間を見ると15:55分に奥多摩行きがある。これに乗って帰るか、それとも小菅の湯に入って帰るか。小菅の湯には歩いて1時間ぐらいだろうか。しかし歩いて行ってから風呂に入ってそれから帰れるかどうか。確認するために電話してみたら女性が出られた。
「今余り沢のバス停ですが、いまから歩いていってそのあと奥多摩駅に帰れますか?」「えー、歩いてだと1時間でこれるかしら。5:23にここからバスが出ますが。」「じゃー歩いていけば入る時間は有りますね。」「有りますけど...遠いし。」「大丈夫ですよ。6,7時間歩きましたから、あと1時間ぐらい。」「でも.....わかりました。車で迎えに行きましょう。」「エーー。それはご迷惑でしょう。」「大丈夫です。今日はお客さんも少ないし...特別ですよ。」「それは助かりますが...」
結局好意に甘えてしまった。
青梅街道を小菅の湯方向に10分ほど歩いたところで、さっきの女性が車を運転してきてくれた。そのまま恐縮しながら助手席に乗せてもらい、小菅の湯へ。車だからすぐだが距離は相当あって、歩いてでは1時間でもとても無理だったかもしれない。その間こちらの暮らしの話などもお伺いし楽しく話させていただいた。本当に助かりました。ありがとうございました。
入浴料の600円を申し訳ないような気持ちでお支払いし、時間もたっぷりあるのでゆっくり温泉を楽しんだ。貸切ではないが入っている人もごくわずかでなんとも贅沢な入湯だった。湯上りにビールを一本飲んでバスを待つ。
5:23にもうすっかり暗くなった中を小菅村の村営バスが来た。乗客はやはり小生だけ。このバスで「金の湯」バス停まで行くと奥多摩駅行きのバスに連絡している。村営バスの料金100円だった。
<まとめ>
久しぶりの単独山行だったが、危なかった天気も持ち、冬枯れの山をたっぷり堪能できた。(オマケ:カラオケの練習もできた)いい温泉と人の親切にも恵まれ大変いい一日だった。ありがたし、ありがたし。
(なお、コース記録に車に乗せてもらった分も入ってしまっております。マイマップは大菩薩までその分は本当はつながっておりません。)
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