西丹沢/玄倉川水系 同角沢
- GPS
- 05:55
- 距離
- 10.5km
- 登り
- 422m
- 下り
- 413m
コースタイム
6:00玄倉林道ゲート6:20
青崩隧道入口から玄倉川へ下降し遡行
9:30同角沢出合(F1上で撤退)10:30
12:15玄倉林道ゲート
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年08月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
■青崩隧道は現在施錠により歩行者含め全面通行止め。 業者の方のお話だと岩盤弱く、ボーリングをしても4-5mで突き抜けてしまうので 完全閉鎖するとのことだ。 ユーシンへの新しい林道を上部の山側へ計画中で、報道だと2010年頃までに 通行させたいらしい。 玄倉林道を行くには、隧道をパスするために、玄倉川を遡行しなければならない。 河原へ降りるには、脆い踏み跡を下降するしかないし、花崗岩の岩を攀じる 必要があるので、沢に慣れた方以外はやめた方がよいでしょう。 ユーシンロッジのみに行くならば、比較的安全なルートとして、 寄大橋〜雨山峠〜玄倉林道が一番ましだが、途中ザレ場もあるので滑落注意。 または塔ノ岳〜西尾根を使い、尊仏土ノ平を経由するルートもあるが 塔ノ岳から西尾根を水場方面へ降りるとロープで侵入禁止となっている。 いずれもまた登り返さなければならず時間も体力も必要。 |
写真
感想
童人メーグリ家の山行として西丹沢/玄倉川水系・同角沢へ行く。
前夜玄倉バス停に外寝し、翌朝5:30起床。
晴天で風も穏やか、気持ちよい。
6:00玄倉林道ゲートまで車を移動し6:20出発。
現在玄倉林道は第2・4・6隧道(トンネル)は崩落の危険があり歩行も含め通行禁止。
その中の青崩隧道入口から小尾根沿いに踏み跡があり、これを使い河原へ下降。
岬状に沢は回りこんでおり、これに1時間使うが想定通りである。
南アルプスの沢を思わせるような巨大な白い花崗岩とコバルトブルーの釜が
幾つも続きとても美しい。本当にここは丹沢か。
ミニ黒部と言われた頃の様がまだ色濃く残って堪能した。
青崩隧道と次の隧道を沢からやり過ごし再び林道を歩く。
洞角隧道までは3つの隧道は問題なく潜り、同角沢出合に降り立つ。
すぐ下流に同角沢のF1(2段15m?いやスラブ滝+10m滝かな)。
斜度は70度くらいの花崗岩滝で、過去記録を紐解けば登られているのであるが
ハーケン類が見当たらない。
こういう滝は下で見るよりも実際は外傾していることが多いので
高巻きを探す。
と、右岸(左側)に古びたトラロープ。
下まで行ってみると、えぐれたハング気味の脆そうな壁だ。
同行のOさんが「左側の方が登りやすい」と、何とか手の届くブッシュに
スリングをかけA1で登ろうとするが、身体を引き上げると足がなく
下のスラブ岩へ一度滑ってしまう。
「やっぱりこのトラロープのルートを登るんでしょう」と
ロープを出してリードする。
バック&フットで何とか登りきり立ち木でビレイ。
そこからF1の落ち口上の川床までは2mほどの高さで
沢への踏み跡は付いていた。
足もしっかりしていそうな岩が階段状に降りているため
笹を両手にクライムダウンをしたその時。
スタンスの岩が見事に崩れる。
落ち口上の川床は花崗岩沢特有のツルツル岩で止めることができなかった。
「やべ、またやっちまうんかよ。せめて足はやらないようにしないと。
ここだと林道近くだから緊急車は入ってこられるよな」と
一瞬の間に考えていた。
(落ちる時って、昔グライダーでスピンフォールしたときもそうだったけど
冷静かつ客観的に思考が働く。助かる時は「大丈夫!」と感じるから不思議)
幸い、70度と寝ていた斜度の滝であったこと、狭いながら下の釜が
思っていたより深かったことで「ドボーン」。
水面から顔を出せるまでに結構時間がかかった。
「メ・・・メガネは?」・・・付いていた。
すぐに這い上がり、身体をチェック。
立てる。昔やってしまった左足のかかとが少し重い。
腕は?右足は?腰は?・・・大丈夫。
ロープは自分が既に背負ってしまっていたので
上のOさんが自身のスリングを継ぎ足し垂らしてもらい
ロープを渡し、懸垂下降で降りてもらう。
けれど、こういう時は後になって徐々に負傷部位が出現してくるので
しばらく休む。
やはり左足かかとがやや重い。釜にダイブしたとき少し踏ん張ったのであろう。
「二人同じ滝で滑るなんて、山の神様の警告だよ」
<直接原因>
・F1巻き路の沢へ戻るスタンスの崩壊
(巻き路の選択は間違っていない。)
<間接原因と反省>
・F1は直登している記録も見られた。しかし過去の経験で花崗岩の滝は
上述したとおり、見た目よりも外傾していることが多く、またハーケンを
打ち込むリスがあまりないと判断した。
高巻きを選択したこと自体は、複数ある選択肢の中で誤りではないと思う。
・沢床に降り始めたとき「落ち口のすぐ上だからな、気をつけよう」と思ったが
足元の岩スタンスは見た目しっかりしているように思えた。
下降する斜面はロープを出すほどのものではなかった。
しかし、滝の落ち口である以上、体重を乗せる前に三点確保しながら足で
チェックすべきであった。
また、踏み跡があるからといって、落ち口のすぐ上に降りるのではなく
安全圏までもう少し緩い斜面を登ってから降りた方がよかった。
・玄倉林道の閉鎖、西丹沢の小難しい沢を遡行する人の減少により
最近以前ほど歩かれていないので、スタンス、ホールドとも脆くなっている。
歩かれていれば自然としっかりしてくる。
・累積降雨量は西丹沢といえどそれ程多くはないが、単発的に豪雨が降るのが
最近の傾向。豪雨と乾燥と両極端な状態が交互に現れると土砂の緩みが大きく
なるのではないか。(白馬大雪渓の崩落事故にもその一因があると思う)
・身体面・・・今年はバランスがやや悪くなっていると感じていた。閉眼片足立ちが
昨年までは両足とも2分以上続けられたが、今年は時として1分もたなくなった。
(年齢?)
<今後の対応(教訓)>
・高巻きで落ち口近くに出る場合は、ロープ、スリング等で何らかの確保を取る。
・「今日は変」など感じたら、もしかすると体調及び精神面の変調があるかも
しれないし、心の隅でそのような不安因子が存在するならば、モチベーションや
技術面の隙を生む。
そのような時の本チャンは止められるようなら止めるか、メンバー全体に
(メンバーモチベーションを下げない配慮をしながら)共有してもらう。
・更なるトレーニングを積む。以前はトレーニングジム(週3)、ジョギング
(毎日)をしていたのに、今年はそれぞれ月2回、週1-2回に減っている。
加齢による理由を自分の中で正当化してしまえば、そこでゲームオーバーである。
そうならないため経験や回数による自信を回復していく。
・山神様に感謝の気持ちを!(宗教的?)あの釜が深かったこと、もし踏み込んで
いたらもっと重大事故に繋がったかもしれないこと、などにもっと感謝。
以上
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