2013OSJ八ヶ岳スーパートレイル100マイルレース
- GPS
- 26:08
- 距離
- 135km
- 登り
- 5,270m
- 下り
- 4,624m
コースタイム
06:57 A1蓼科湖駐車場
07:39 A2岳麓公園
08:49 A3自然文化園
10:38 A4八ヶ岳歴史館
14:25 A5天女山
15:49 CP1清里サンメドウズスキー場
19:25 A6南八ヶ岳林道出口ゲート
21:59 CP2松原湖公民館
02:00 A7NHK受信所ゲート
07:10 A8大河原峠
10:20 CP3白樺湖
13:29 ゴール(蓼科プール平)
天候 | 9/7 曇りのち時々雨、9/8 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
9/7 茅野〜白樺湖:大会シャトルバス(無料) 9/8 蓼科プール平〜茅野駅:路線バス(\900) |
コース状況/ 危険箇所等 |
コースの案内板はしっかりしており、わかりにくい所には誘導の人がいて迷うことはなかった。 なお、GPSデータはスマホのアプリ"Runkeeper"で計測したが、大河原峠でバッテリー切れのため、そこまでのもの。 【大会ホームページ】 http://www.powersports.co.jp/yatsugatake/13_yatsugatake/ |
写真
感想
【CP2:松原湖(96km)】
A6を出て、真っ暗な舗装路をしばらく行き、また林道に入る。説明会では昨年からコース変更されたところで、ごきげんなトレイル、との話であったが、ここまでくるとガレたトレイルはかなり苦痛... でもトレイルレースなんだからしょうがないか。
トレイルを抜けると市街地に出て、第2関門の松原湖公民館(96km)に到着。これまでの自分の実績から見て、この関門に時間内に着けるかどうかがポイントと考えていたが、ここもCP1と同じく制限時間まで2時間を残す22時に入ることができた。ドロップバックを受け取り、温かい豚汁をいただいた後、公民館の中に入って装備の入れ替え。公民館は広くはなかったが、明るく、そして暖かく、奥には休憩場所と救護所があってUTMFのエイドよりも快適(ただし、こちらがよかったのはここだけ)。
周囲を見るとリタイアを決めた感じの人が多い。降り続く雨が体を冷やし、しかもこの先には最大の難所である大河原峠が待っており、それにもかかわらずエイド間隔はこれまで以上に開くため、相当の覚悟がないと先には進めない。装備の入れ替えの済んだドロップバックをゴールに返送してもらうため、たくさんのバッグが並ぶ公民館の入口で係の人に渡そうとすると、そこは未受取のバッグの山だとのこと... 今回の大会も容易ならざる展開になってきていることをあらためてここで知る。最後にもう一度パンやらフルーツをおなかに詰め込んで関門を後に。
【A7:NHK受信所ゲート(113km)】
CP1を出るとロードの登りが延々と続く。ここは600m登って同じだけ下りというちょっとした難所で、数少ない通行車が登るにつれてさらに減ってゆくことに夜が更け、市街地から離れてきていることを感じる。そしてようやく下りに入っても、次第に前後のランナーとの間隔が大きく開いてきて、全く灯りのない中のひとり旅が続き、結構精神的に堪えてくる。心細さと共に、早くこの下りを終わらせて難所の大河原峠に取りかかりたいという焦りが交錯する。A7では持ってきたランチパックを食べ、エイドにあった血流改善効果があるとのグミをいただいて、いよいよ大河原峠に向う。
【A8:大河原峠(132km)】
A7を出ると雨でぬるぬるになった泥道が続き、滑って歩くのさえ大変。しばらく進むと前方からランナーがやってきて、どうしました?と聞くと、足の状態が悪いのでとてもこの先を越せる自信がなく、手前のエイドまで戻ってリタイアするとのこと。その先も2、3人戻ってきた人とすれ違った。昨年は11月開催であったため、夜間に-10℃まで気温が下がったという大河原峠はすでに伝説化しているのか、多くのランナーがこの峠を前に心折れてしまっていたと思われる。
どこから登りが始まるのかと探り探り進むうちにテントが見えてきて、そこにいた係の人から、ここからが登りです、9kmあります、峠は標高2,000mを越えかなり冷えているので気を付けて、と励ましともおどしともつかない言葉をいただき、もう後戻りはできないと腹を括って登りにかかる。
100マイルでは120kmを越えると「それ」はやって来る、とよく言われる。ここまで何とか集中を切らさずセーブしながらやってきたが、さすがにハムからふくらはぎにかけてパンパンに張って足が上がらなくなってきており、度々止まってストレッチを入れ、悪態を吐きながらふらふらのろのろと登り続ける。聞いていたほど急な登りではない。が、時折風雨が強まってさらに気持ちを萎えさせる。しかも眠い。無駄な行為と思いつつも早く明るくならないかと何度も何度も時計を見てしまう。
ようやく空が明るくなり、峠まであと4キロくらいかと思われた辺りで、巡察車と救急車が静々と下ってくる。「あと峠まで4、5キロありますが、大丈夫ですか? 携帯も通じないし、上はかなり冷えてますよ」とリタイアを促すかのような言葉をかけられたが、大丈夫ですと返事して先に向かう。ここまで来てそれはないだろうというか、ちょっと腹も立ってきたが、おかげで気力がよみがえる。100マイルでは「それ」もやってくるが、復活もあるという。まさにそんな感じだった(単にその前に飲んだカフェインの強いジェルのおかげかもしれないが)。
林道が終わり舗装路に出るとすぐにエイド、ガスの中、係の人が大きく手を振ってくれている。補給食をとるため、水のおいてあったテントに入っていいかと聞くと、横の休憩場所をすすめられ、そこはストーブがついていて暖かく、さらに味噌汁まで作っていただいて感謝。あまりエイドはよくないと聞いていたOSJだが、さすがに前回大会でかなり非難されたせいか、ここまでのエイドはウルトラマラソン並みには整備され、ちゃんと係の人もいて親切に対応していただいているので、不満はなかった。
【CP3:白樺湖(149km)】
第3関門の白樺湖の距離を153kmと途中まで勘違いしており、A8に着くまでは第3関門がちょっときびしいかと思っていたが、あらためて距離を確認すると149kmだったので、ここからは舗装路の下りでもあり、何とか11時の関門時刻に間に合いそうとわかって、気持ちを新たにスタート。
しかし、長い下りは足にキツく、体はもうバテバテであるのでペースは上げられない。感覚頼りで3キロ走ってしばらく歩きというパターンを繰り返してようやく女神湖まで。ここから白樺湖まですぐかと思っていたら、予想以上に距離がある。感覚もおかしくなっていたと思うが、このコース、地図表示以上に距離があるのではないか。
やっと湖畔に出て、金曜日に泊ったホテルの横が第3関門、何とか制限時間の40分前に到着。ここのエイドは関門でもあり、何か腹の足しになるものがあることを期待していたが見事に裏切られる。係の人は親切ではあったが、継ぎ足した味噌汁を温め始めたばかりで、とても待っていられず、MONSTER ENERGYのみいただいて、エイドを後にする。こんなことだったら湖畔に入るところにあったローソンに寄っておけばよかった。
【ゴール:蓼科プール平(160km)】
前日に通った八子ヶ峰に再び登ることになるが、前日と違って大雨の中、スキー場の急な道はどろどろのぬかるみで、つるつる滑って難渋する。ついにはドタりと前に倒れ込んでしまい、顔やめがねにまでべったりと泥がついて、気落ちと怒りがないまぜになったやりきれない気分。
それでもスキー場の頂上に誘導係の女性がいて、コース案内と共にがんばって!と声をかけられ、ボランティアなのにこんなところで、しかも雨風の中たったひとりで、と申し訳ない気持ちになる。
前日は気持ちのよかった山上部のトレイルも川のような状態、もう気にせずジャブジャブと。しかし、下りはそう簡単には行かず、バランスを取るのがやっとというか、もう滑ることを常態として、路面に逆らわず、時間も気になるがとにかくケガはしないようにと慎重に下る。途中、誘導の人の声援に「もういっぱいいっぱいです」と答えたら、「まだ表情に余裕がありますよ、大丈夫、ゴールできます!」と言われ、ようやくゴールが現実のものに感じられてくる。
トレイルを抜けてラストのロード、何とか制限時間の30分前くらいにはゴールできそうか。前にも後ろにも誰もいない。最後のプール平への急な登りを歩くうちにゴールのMCのアナウンスが次第に大きくなってきて、でもどこかひっそりとしたゴールにようやく到着。32時間29分08秒の自己最長の稼働時間でした。
(ここからが感想)
【関門毎の人数の推移】
スタート 452名
第1関門(清里63km/OUT) 342名(75.7%)
第2関門(松原湖96km/IN) 288名(63.7%)
第3関門(白樺湖149km/IN) 165名(36.5%)
Finish(蓼科湖) 154名(34.1%)
松原湖で今年もきびしい展開になっていると感じたが、完走率は34%と昨年の27%は上回ったものの、相当に難易度の高いレースであったと思われる。9月開催で昨年のような夜間のきびしい冷え込みはなかったものの、土曜日の夕方から続いた雨はやはり難敵であった。
同じ100マイルのUTMFと比較すると累積標高では2,000mほど低く、天子山地や杓子山のような険しい地帯の少ない穏やかなコースではあるが、半面、関門時間はきびしく、そこそこ歩いても何とかなりそうなUTMFに比べると、こちらは走れるところはちゃんと走っておかないとタイムアウトになってしまう(ただ、私、UTMFはDNFだったのでエラそうなことは言えません...)。
また、完走狙いの者にとっては第1関門以降は暗くなってからの通過になるにもかかわらず、エイド間隔が開き、特に第2関門から先はもはや伝説化しつつある大河原峠があるため、文中にも書いたが先に進むにはちょっとした覚悟が必要と思われる。せめてもうひとつエイドがあれば少しは気が楽になるが、ここがこの大会のポイントでありヤマ場なので、やはり今のかたちがこの大会の大会たるゆえんと言えるかもしれない。
エイドの改善ぶりは文中に書いたとおりで、コース誘導も含め、人気の信越五岳110kmと比べてもそれほど遜色のない大会になっていると思われる。ボランティアの方々には親切にサポートしていただいて本当に感謝です。どうもありがとうございました。
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