女峰山/霧降高原より
- GPS
- 08:20
- 距離
- 12.8km
- 登り
- 1,167m
- 下り
- 1,165m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年07月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
リフト(★2010年にリフトは廃止されました)に並行する道は思ったより勾配がきつく、雨上がりは難渋する。 焼石金剛から赤薙山を挟んで奥社までの尾根筋は、時折踏み跡が不明瞭になるほか、律儀に地形をなぞるためアップダウンの激しさに辟易する。ただし、晴れた時の眺望は素晴らしい。標高差で考える以上にきついコースなので、途中で引き返す勇気を持つか、東照宮方面へ下山する唐沢小屋一泊二日の日程を推奨したい。 |
写真
感想
当初、電車で行って黒岩経由東照宮という縦走を考えたが、バスの霧降着が遅く、あきらめた。実際、9時半なんて時間に登り始めたらどうなるか分からなかった。
霧降高原への道はカーブを攻めるオートバイが多くて気を遣う。標高1350mの第3リフト駐車場には既に15台ほど車が止まっていたが、リフトはまだ動いていない。小さな子供連れを追い抜き、雨上がりで滑りやすい急勾配に息をあえがせながら、リフトの上のキスゲ平を目指した。
そのキスゲ平に着くと、もう息が上がって脚が重い。「こんなはずでは」と首を傾げながら高曇りの尾根を辿る。先ほど日光市内から全山見えていた女峰山は、もう赤薙山から上の方がすっぽり雲に隠れてしまっていた。ついてねぇやとボヤきつつ焼石金剛で小休止。時折薄日が差し、そのせいか思ったより暑い。背の低い笹の中の踏み跡を辿り、赤薙山への急登で赤松の林に入ると、いくらか涼しくなった。林床は相変わらず短い笹で、踏み跡が勝手気ままにいくつにも分かれて伸びている。適当に登りやすいルートを選ぶしかない。
いい加減疲れたころ、赤薙山着。二組の夫婦が先着していた。タオルの汗を絞り、先を急ぐ。ここからが難所の尾根道だ。律儀に稜線を辿り、岩場が現れるかと思えば、足場の悪い急斜面を巻く。まれにロープもあるが、踏み跡が薄れたり途絶えたりして進退窮まることもある。小さな、しかし急なアップダウンの繰り返しなので体力を絞られることこの上ない。やっとの思いで奥社跡に着くと、先着していた水戸の男性と言葉を交わしつつ、お握り1個を“早弁”してエネルギー補給した。彼は思った以上に疲れたので、ここまでで折り返すとのこと。最近、北海道で8人が遭難した無謀なガイドツアーの話をしながら、「お互い無理は禁物ですね」と言って別れた。
とはいえ、この先は標高差50mほどのアップダウンを経て、ヤハズから一里ヶ曽根の楽チン縦走が待っているので気は楽だ。ごくわずかな傾斜でゆるゆると登る尾根を鼻歌交じりに行けば、道端に咲くシャクナゲが心を和ませてくれた。石くれの広場に小さな石の祠が置かれた一里ヶ曽根のピークには、またもここで諦めて折り返すという男性が休んでいた。そこへ午前4時台に駐車場をスタートして女峰山頂を踏んできたという初老の男性が到着。「この程度の標高の縦走でこんなにきつい所は経験がない」と消耗した様子だった。
10分ほど雑談して別れを告げ、水場の鞍部へ降りる。ここの水場は標柱から北へ分岐を50mほど入った所にあり、上り下りがないのがうれしいが、たまに枯れるらしい。昨年7月にこのルートを挑戦した時は一里ヶ曽根で遠雷を聞き、逡巡した末この鞍部まで降りたものの、昼食を採って引き返したのだった。結局、戻る途中で本降りの雨になり、散々な目にあった。きょうは途中で濃かったガスが上層へ来るにつれ心無しか薄れたように感じる。
いよいよラストスパートとばかり2318mピークへよじ登っていくと、南斜面が土のむき出す崖になっている所に出た。ちょうど折りよく日差しが降り注ぎ、サーッと雲が晴れて崖の向こうに女峰山頂が! 周囲にモヤモヤと雲がまとわりついてはいるものの、無理だと思った山体を望めて満足だった。とはいうものの、頂上はまだ遥か向こうの高みに聳えているように見える。
このルートの最難所は、実はここの最後の登りにあった。ロープも張られてはいるものの、両手で岩にしがみつくような登りが何十メートルも続く。夏の日照りの下ではごめん蒙りたいコースで、この時ばかりは雲に感謝した。最後はハイマツの中の踏み跡を辿り、まず三角点のピーク、そしてほどなく祠が見えて無事、女峰山頂に到着した。先客は初老と若者の男女2組。初老の夫婦は入れ替わりに霧降方面へ出発し、ふと気づくと若い2人も消えていた。独りお握りとカップスープなどの昼食を採る。天気は薄日が差したり陰ったりしていたが、徐々に雲が勝りだしてきたようだ。
予報は夕方から雨。その前にと下りを急いだ。難所をロープにつかまって滑り降り、先ほど山頂が見えた場所では振り返ってみたが、白いガスで山頂の方向すら定かでない。一里ヶ曽根で小休止。どうも下へ行くほど雲が厚いようで、気が重くなる。奥社跡の手前で休んでいた男性を追い抜き、が、こちらが奥社跡で休んでいると抜き返され、険しい赤薙の尾根道の途中で休んでいる彼を完全に抜き去った。その少し先では、一里ヶ曽根で折り返したという女性二人組もお先に失敬した。
赤薙山まで(標柱によれば)50mという所から左へ巻き道に入る。もうガスは暗く濃く、時おり雨粒も落ちてくる。10分あまりで意外にあっけなく山頂を通してきた登山道に合流。赤松の急斜面に迷路のように分かれては交わる踏み跡を辿る。林から出たあたりで雨粒が強くなった気がしてリュックにカバーをかけたが、たちまち雨はやみ、ただの濃霧に戻ってしまった。
焼石金剛も視界10mのガスの中では、よりルートが拾いづらい。溶岩のごろた石が散らばる広場と笹などに覆われた斜面が交互に現れる。なんとかキスゲ平から(晴れていれば)見える尾根道まで降り、リフトのゲートに近づくと何やら放送が聞こえてきた。フェンスのゲートが開いているので、リフトは運転中のようだ(★追記;残念ながらリフトは廃止されました★)。
昨年はリフトを使わず雨の中を歩いて下って滑りまくり、非常にくたびれたので、今回は迷わずリフト代1000円を奮発する。ニッコウキスゲなどの植えられた斜面を少し下り、第4リフト、ついで第3リフトに乗り継いでちょうど午後4時、駐車場に戻った。下は高曇りで、少なくとも雨が降った様子はなかった。
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