雨天を縫って 茅ヶ岳 俺の深田祭
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.5km
- 登り
- 769m
- 下り
- 767m
コースタイム
6:40 深田久弥「百の頂に百の喜びあり」碑
7:01 舗装道路横断
7:39 女岩入口
8:22 深田久弥先生終焉の地
8:43 茅ヶ岳山頂
9:00 山頂出発(尾根コース)
10:08 舗装道路
10:30 深田記念公園
天候 | 晴れ 雲量6 昨日の雨により登山道はほぼウェット 帰りも厚木付近から雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
きれいなトイレあり |
コース状況/ 危険箇所等 |
昨日の雨により、岩場は滑りやすく、落ち葉は湿り、土はぬかるむ。 それでも天気は晴れていた。大展望はできなかったが頂上では南アルプスが見られた。帰りに、厚木あたりで雨が降り出した、本当に選んだ場所、時間がぴったりだったのだと思う。 温泉は、道の駅「にらさき」に面している「ゆ〜ぷる、にらさき」。 ナトリウム・炭酸水素塩・塩化物泉という、さまざまな成分を含んだ湯である。 入ったすぐから体中がぬめり始める。お湯の中で体をなで、ぬるぬるを落としながら入る。垢の成分や古い角質が落ちている感じがする。典型的な「美肌の湯」である。お湯は素晴らしかった。露天風呂、ミストサウナ、スチームサウナなど施設もよかった。市外大人、710円也。 |
写真
感想
明日4月20日は深田祭である。この山にて登山中に亡くなった登山家であり文筆家の深田久弥翁にちなんで、毎年4月第3日曜日に行われる。私は基本的には土曜日しか自由な時間はないので、前日に行くことにした、しかしこの週に茅ヶ岳に登るのがいいのだと思い、数週間前から計画していたのだ。
深田久弥翁については、このページを見る人はもう説明する必要がないと思います。が、一応備忘録として書いておくと・・・。
大正時代から昭和時代にかけて活躍した文筆家。小説で名を上げようとしたが、思うように行かなかったようだ。妻の作品を自分の作品として発表し一定の評価を得るが、後に妻からそのことを世間にばらされてしまう。小説家としては全く評価されていないが、彼のもう一つの趣味である「登山」にかけては、現在にも多くの信者を持ち、影響力甚だしい。
何せ、名著「日本百名山」である。雑誌のエッセイとして書かれたもので読売文芸賞を受賞するなど当時も一定の評価を得た。しかし、彼の没後、この本が登山者のバイブルとされ「ぜひ日本百名山すべてに登ってみたい。」「今何座登った」などという会話がなされるようになる。
昭和末期から現在における登山ブームの根底には、この本の100座をオリエンテーリングやスタンプ集めのように考える人が一定の割合でいたのであろうと考察する。今現在でも、この本の百座に登ってみたいと思う人はたくさんいるのではないかと思う。
たくさんの山を見てきた深田翁が、どのような基準で百座を選んだかというと、「山の品格」「山の歴史」「山の個性」である。そして基本的には1500m以上の標高であるということも挙げている(例外は、筑波山、開聞岳、天城山など)
孤高を保ち続けるか、地域の人たちがその山に祠を立てるような山を好んだ。そして、あとがきには次のようなことを書いている。
「出版したのちにも登山を続けており、素晴らしい山をいくつも知った、その入れ替えも考えている。」「これは、あくまでも深田久弥の百名山であり、これを読み登った人が自分なりの百名山を作ればよい、そのためのベースになりうる本だと思う。」
この本が出てから、日本百名山にロープウェーやリフト、車道がつけられ登山に値しなくなったような山もある。あくまでも深田百名山は、深田久弥翁が登山をしていた時代に見合った百名山なのだ。
私は、この本の文庫本は、トイレに置いてある。大用をしながら3〜4山分ぐらいを読み、最後までいったらまた最初に戻るのである。そして、日本百名山に入っている山に登る前には数回読むことにしている。文章、その山の歴史や宗教などを本当によくわかるように書いてあり、登山に行きたいという気持ちを盛り上げてくれるような本であると思う。本については、文庫本が出ているのでぜひ読んでみてほしいと思った。
で、茅ヶ岳である。深田翁の終焉の地として知られており、後に深田クラブにより「日本二百名山」に選定された。しかし、深田久弥翁がこの山で亡くなったことを別とすれば、本当にこの山が二百名山にふさわしいかどうかは意見が分かれるところだと思う。
とはいえ。今日は、1日深田翁のことを考えながら茅ヶ岳に登ろうと思う。
朝一に深田記念公園にたどり着く、双葉サービスエリアで仮眠をして、朝からほうとうを食べ、ここにやってきた。大型バスからたくさんの人が降りてきて私が準備している間に登り始めてしまった。
私は準備を終えたらまず深田記念公園に行くことにする。「百の頂に百の喜びあり。」いい言葉だと思う。そして深田百名山の写真が掲示されていた、いよいよ明日が深田祭本番である。
深田記念公園を出てからのんびり山頂を目指す。集団も途中で追い抜く。女岩まではコースタイム1時間40分だが、1時間5分でたどりつく。
しかし、ここからが急登なのだ。急登り、しかも昨日の雨で滑りやすい、手足で岩をつかんで登らなければならない。息を整える時間が増え、岩に座ることもある。「これじゃあ脳内出血を起こしても仕方がないな・・・。」と思う、深田翁の直接の死因は脳内出血である。このまま自分も脳内出血で・・・。いやいやそんなわけない。
ストックをザックにひっかけ、両手両足で猿のように登っていると、「深田久弥先生終焉の地」にたどり着く。石を一つ積み上げ、5円玉を置き、合掌する。「そう、ここに今日来たかったんだ・・・。今日だからよかったんだ。」と思う。本当は明日だったらなおよかったんだけどもそう唱えることで自分を納得させるわけだ。
その後ほどなくして頂上へ、女岩から1時間というコースタイムをオーバーしてしまう。本当に岩登り、急登は自信がない・・・。昨年9月の瑞牆山を思い出してしまった・・・。
山頂は小学校の教室一つ分程度のスペースがあり、木はないので360度の眺望が楽しめるはずであるが、今日は全然ダメ・・・。しかし一瞬だけ南アルプス方面の雲が切れたのであわてて撮影する。いったいこの山から深田百名山は何座見えるんだろう、深田翁はきっとこの地でたくさんの日本百名山を眺めているに違いない。
私はアンパンを食べる。深田翁は行動食としてこれを好んだという。当然、茅ヶ岳ではアンパンが食べたくなるのが心情だ。セブンイレブンはなかったかもしれないが、今は気軽にアンパンが手に入るんだなとも思う。
西洋のパンの中に日本のあんこを入れてしまった。こういう食べ物、他にもあるなあ・・・。イチゴ大福、たらこスパゲッティ、大葉醤油スパゲッティ・・・。そんなことを考えながら食べていた、でも、これ行動食にいいかもしれない。(大福は行動食にしたことはある)
帰りは、尾根道経由で降りる。金ヶ岳も考えた。時間も体力もまだまだある。しかし、今日の目的は深田翁に思いをはせることである。したがって、金ヶ岳はあきらめ、尾根道コースで下山することとする。尾根道経由は岩を手足を使って降りることはほとんどなく、これを登る人がいてもしかるべきかなとも思ったりする。女岩コースは、女岩までは緩やかでそれからが急登だが、尾根道コースはほぼ一定の割合で降下(上昇)し続ける。
舗装道路までで尾根道は終わり、登山道と下山道が重なる、まだ10時台で登ってくる人たちもいる。2,3話を交わしながら深田公園駐車場に戻ってくると車で一杯である。今日私は初めての下山者だろうか・・・。
車の中で余韻に浸ってから、温泉に入りに行く。今日は道の駅「にらさき」に併設されている「ゆ〜ぷる にらさき」だ、710円を入り中に入る。今日はサービスで風呂上りにお菓子と飲み物がプレゼントされるとのこと。まあ、先ず温泉に入る。すごい・・・体中がぬるぬるする、これは炭酸水素塩の効能である。体表面の角質や汚れなどを強アルカリによって溶かしてしまうので体はすべすべである。何と、15分以上は浸からないでほしいと書いてある、それだけアルカリ性が強いのであろう。そして、塩化物泉は保温効果がよく、なかなか冷えない。神奈川まで半そで一枚で運転して帰ってきてしまったのである・・・。本当にすごい温泉であった、この地域に行ったときはここは通いたいと思った。
なお、風呂上りには濃い玄米茶とおまんじゅうであった。「また、あんこ〜?!」と思ったが、美味しく頂いた。
昼ごはんは、甲府市にある「スマル亭」でそばを食べることにする。「スマル亭」は静岡のロードサイドによくある蕎麦屋で、冷凍麺、桜えび天、シラス天、24時間営業という特徴がある。冷凍麺でも、なかなかおいしく。東京の駅そば屋の茹でおきに比べるなんて申し訳ない。それに桜えび天から出た揚げ玉(全部エビ)を載せた桜えびそば(冷)が470円、大盛りをプラスして150円、でこの内容である。美味しく昼ご飯を頂きました。
そのご、神奈川まで車を運転しながら帰ってきた。日本の登山に多大なる影響を与えた深田翁、これから夏山シーズン、私はきっとまた数十の山を知ることになるであろう。その前に、深田翁に逢いにこれてよかったと思っている。なお、私は深田翁や関係者とは血縁など関係は全くないことを記しておきます。
はじめまして。茅ヶ岳の地元民pasocomと申します。
私の裏山にようこそおいで下さいました。
毎年4月第3日曜日は深田祭りですね。今年は今日20日になりますが、雨が降りそうなあいにくの天気になってしまいました。
それにしても大型バスがやってくるほどの人気だとは驚きました。やはり深田氏は日本の登山史に大きな影響を与えた方なのですね。
昨日の土曜日はそこそこいい天気のように思っていましたが、山の上では少々ガスがでてしまったのでしょうか。
茅ヶ岳の山頂からは四周に名峰が望める絶好の展望スポットです。その展望をご覧頂くと二百名山に入れてもよさそうだな、と思って頂けるかもしれません。
ところでShot21は鳳凰三山ですね。中央の一番高いのが観音岳、左は薬師岳、右の鞍部を隔てて地蔵ヶ岳です。これも快晴なら地蔵のオベリスクがくっきり見えてなかなかの景色です。
ぜひ快晴の日に再訪下さい。
コメントとご指摘ありがとうございます。写真のコメントについてはすでに直しました。
クラブツーリズム、HISなどで茅ヶ岳のツアー登山を募っているようで、その一行だったようです。1日の登山でバス代などを含み8000円程度のようです。それを高いと思うか安いと思うか・・・。
私が登った時間は、山頂からの展望はほとんどありませんでした。展望があるときっともっと楽しいのでしょう。瑞牆山、大菩薩嶺でも一面の霧、この山域では展望とあまり縁がありません。6月に金峰山に登る予定ですがはたしてどうでしょうか・・・。
茅ヶ岳については、来年も深田祭近辺で登る恒例登山にしようと考えています。来年こそは良い展望に出会えることを期待しています。また、アンパン持って登りたいと思います。
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