八ヶ岳 天狗尾根
- GPS
- 32:00
- 距離
- 15.8km
- 登り
- 1,339m
- 下り
- 1,325m
コースタイム
大天狗 11:40 - 14:30 ツルネ東稜 - 出合小屋 15:50 - 撤収 16:30 - 18:00 駐
車場
天候 | 2/12 晴れ 稜線は強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年02月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
今週末の天狗尾根には 5 パーティ(尾根上に幕営 2 パーティ、 出合小屋に 3 パーティ)。 コース全般にそれなりの積雪がある。さらに、週半ばの降雨のため所々氷結して いる。 トレースは稜線までついているのでラッセルの必要はない。 |
ファイル |
非公開
5478.xls
計画書
(更新時刻:2012/02/17 05:00) |
写真
感想
初日にカニのハサミ手前まで偵察へ。雪が降っていないためかトレースが
ついている。
2 日目は 5:00 出発。カニのハサミでロープを出す。去年に比べると雪が
多い。もっと多ければ岩が出ておらず、楽なのだがそこまではない。
大天狗は左の直登ルートへ。
岩にアイスのベルグラ状態。カムを決めてみるが、滑って役に立たない。
うーん、トライカムが必要?
アイスピックを刺し、あとはアイスクライミングの要領で上がる。
上がったと思ったら強風。岩にはえびの尻尾。ホールドがない。
風に耐え、ホールドを掘り出しやっとビレイ。
ビレイも寒くて顔上げられない。
いや〜、楽しい。
3 人上がってやっと懸垂。大天狗の処理に 2 時間かかりました。
苦労したなぁ。
今回は結構厳しい状況だったと思うけれど、充実したクライミングを楽しめ
ました。
この冬の個人的目標は石尊稜までだったが、yhiro先輩から天狗尾根の募集がかかり、
ルートを勉強した結果、参加表明をおこなった。
今回は小屋泊アタック形式。数日前には八ヶ岳の稜線でも雨が降ったとのことで、
ラッセルの可能性は低くなった。
アプローチの林道は長くつらい。さらに雨のおかげで至る所が凍結しており、
慎重を要した。
地獄谷はその名前とはほど遠い、広々した谷。堰堤が続くが整備されている。
2時間ほどで出合小屋。小屋には先客おらず、手前の良い場所に4テンを張る。
この小屋、高根山岳会の方が管理されているとのことだが、トイレ、ストーブも
さることながら、手入れが行き届いており、本当に助かります。感謝感謝、
ありがとうございます。
テント設営後、カニのはさみ手前の標高2,400m付近まで偵察。
雨のせいで雪はモナカ状。やや歩きにくいが、トレースもあり、明日の登攀に向けて
モチベーションもあがる。
小屋に戻り、夕食。今回は、トマト鍋。前日にオリーブオイルでペミカン風に
しておいた。
<料理メモ>
具材は、鶏もも(にんにく、塩、胡椒で下味)、バジルソーセージ(焼き目つける)、
キャベツ、ズッキーニ、じゃがいも、人参、玉ねぎ、エリンギ、しめじ、まいたけ、トマト
これらを炒めて、白ワイン振って、塩コショウ&コンソメで味付け。
鍋に具材とトマト水煮(デルモンテから紙パックのものが出ていたので、それを×2パック)と
水とコンソメを入れて煮る。最後にバジルの葉を散らして完成。
〆はチーズリゾット。
アルファ米ととろけるチーズを入れて出来上がり。
持参したペットボトルの赤ワインが何ともマッチして美味しくいただけました。
この日は小屋に3パーティ。外にテント1パーティ。小屋のパーティは全員天狗尾根とのこと。
登攀日。
3:30起床。5:05出発。
昨日歩いた樹林帯の尾根を黙々と登る。地獄谷方面には強い風が吹き抜けている。寒そうだ。
カニのはさみ手前でギアを装着。
抜けるところでyhiroさんからの確認もあり、ロープを出す。トラバース気味に右上し、雪壁を
登る。雪壁はアイゼンが良く効き気持ちよく登れたが、トラバース箇所は氷結してて厭らしい。
その後、再度樹林帯を登ると、岩稜帯が現れる。
最初はバンドを左に行き、目の前に大天狗が現れるが、こちらは違うようだ。岩壁に戻り、
そこを直登することに。ホールドはしっかりしているが、やはり氷結しており、スラブ状なので、
やや悪い。後続はロープを出していた様子。
稜上を歩き、大天狗の直登の取り付きへ。
大天狗の直登ルートは垂壁。
取り付きは高度感もあり、3人でいっぱい。
そして風が強い。時々体が持っていかれるし、何より寒い。強烈に寒い。
あらためてバラクラバでしっかりと顔を覆った。
リードは山ちゃん。出だしの一段上がるところで、アックスを刺そうとするが
なかなかかからない。右足を右壁の氷結部分にキックするが、アイゼンが効かない。
カムが滑るようでランナーもとれない。フィフィをかけるだけかけた。が何とも頼りない。
出だしの2mがなかなかに厳しそう。ここで恐らく5分〜7分くらい格闘。
が、アックスを刺して、思い切って左足をあげて、そして決めて、登った。
マジで痺れた。私には無理。
その後10分くらいは待ったか。ビレイ解除の声。
続いてmkameさん。やはり最初の3mに苦労したが、山ちゃんとは違うムーブで
越えていった。堂々とした登り。強い。
最後は私。アックスは効かない。アイゼンはやや不安定。前回の石尊稜を思い出しつつ、
身体を押し上げる。同様に5分くらい粘って抜けた。一段上がって稜上に出ると
さらに強烈な風。が、見上げれば大天狗のピークが見える。強風に気をつけながら、
完登。ホッとした。
そこから5mほどクライムダウンして懸垂。支点にはワイヤーと残置スリング。
ここに捨て縄で補強し、さらに最初の2人はワイヤーから伸ばしたヌンチャクで
バックアップ。
空中懸垂も交えて無事にルートに復帰。
が、ここでガスも抜け、風もよけられる場所があったので、小天狗手前で大休止。
何という独占感。越えてきた大天狗、その向こうの富士山を満喫。
20分程度休んでから小天狗を左から巻いて赤岳〜権現岳の縦走路に飛び出た。
その後積雪で道が分かりづらかったが、キレットまで下り、ツルネへ登り返し。
稜線に別れを告げてツルネを一気に下った。途中でアイゼンを外してグリセード
シリせ―ドで下りたが、下部で一箇所厭らしいスラブがあるので注意。
出合小屋でテント撤収して日没とともに駐車場に帰還。
初の東面は氷結と強風でなかなか手強い登攀となりました。
13時間行動で体力的にもさすがにシンドカッタです。
CLとmkameさんのヴァイタリティーに助けられました。
また修行します。
コメント
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大変そうだなあ〜。
大天狗。無雪期に登ったルートと違う感じがする。
どこ登ったのか今度教えて下さい
アルパインチックを狙うのならやっぱり全荷だろうな。
アタック形式もいいけれど、自分的には絶対的に気楽だった。
まあ、旭岳東稜でトライしてもらいたいものだ。
がんばぁ〜
はい、大変でした。
山ちゃんも「なかなか厳しいコンディション」と言っていました。ルートもやや悩ましい箇所ありです。是非行ってみてください。
全荷。。。とりあえず今回のコンディションでの全荷直登は厳しいと思われます。旭東稜、五段の宮、見えました。怖そうです。
直登しなければ全荷でいけると思う。
むしろほどほどに体が温まっていいかも。
天狗尾根くらいの行動時間だと、ワンデイでいけるといえばいけるし、全荷で行く選択もある。どちらのスタイルをとるかは山行のテーマによるかな。
今回はとりあえず Light & Fast がテーマでした。
やってみたい半分、恐れ半分…。
噂通りの良いルートでした。
キビシイ箇所もあったけれど、メンバーのお蔭で
安心感もありました。
来月また行きますが(今度は基本自分たちの力で)、
状態が違うとどれだけ違うか、見るのも、楽しみ半分、
恐れ半分…。
とても臨場感のあるレポートでした。参考にさせていただきます!
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