果無山脈中央部(冷水山から石地力山まで。百前森山経由で熊野萩へ)【和歌山県、奈良県】
- GPS
- 07:40
- 距離
- 16.1km
- 登り
- 839m
- 下り
- 1,834m
コースタイム
- 山行
- 7:01
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 7:33
冷水山登山口 838 ―ロープ 852 ― 冷水山頂直下の分岐点 857 ― 冷水山 858/904 ― 県境尾根と合流 923 ― カヤノダン 938/940 ― 公門崩の頭 1020/1036 ― 筑前タワ展望地点 1055/1057 ―筑前タワ 1058 ― ミョウガタワ 1114 ― ブナの平 1158 ― ブナの平峰 1201/昼食/1230 ― 石地力山 1250/1256 ― ブナの平峰 1314 ― ブナの平 1317 ― 巻き道との分岐点(上部) 1409/1424 ― 百前森山 1436/1441 ― 巻き道との分岐点(下部)1500 ― 三越方面への道との分岐点 1503 ― 名称が無い展望所 1550 ― 集落跡 1607 ― 萩登山口 1611 ― 熊野萩バス停 1613
● 行動時間 07:35
天候 | 曇り、晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(和歌山=冷水山登山口) 冷水山登山口―冷水山―公門ノ崩の頭―ブナの平―石地力山―ブナの平―百前森山―熊野萩バス停 (熊野萩バス停=和歌山市内) ●登山口へのアクセス ○冷水山登山口 ・国道311号中辺路の小広トンネル手前から北側の旧道に入り少々西へと進むと「新高尾トンネル」がある。これを抜けて約15km進むと冷水山登山口 ・本宮側からも発心門から先に進むように林道を行くとこれに合流できる。道の駅奥熊野から約25km ・登山口付近は道幅が広くなっており、10台程度は駐車できそうだ ○熊野萩バス停、道の駅奥熊野 ・登山口は熊野萩バス停の十津川寄りにある。擁壁に設けられた階段のうち北側のものを上っていくと山へと進むことができる ・バス停付近には駐車場はないが、徒歩約10分の道の駅に駐めることができる ・今回は別働隊の送迎があったからこそこの行程を採ることができたのだが、公共交通機関の利用でこの両地点(冷水山と熊野萩)を結ぶことは不可能 (いずれの記述も2023.5現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○冷水山登山口〜冷水山 ・急斜面を一気に駆け上がる ○冷水山〜公門ノ崩の頭〜ブナの平〜石地力山 ・尾根歩き続ける。頂稜だが道幅も広く、分岐もないので迷う懸念も少ない ・ピークやタワには名称標示が設けられている。奥辺路開拓部隊が設置してくださったキロ付き標示があり、目安になる ○ブナの平〜百前森山〜熊野萩バス停 ・急斜面。落ち葉が足下を滑らせ歩きにくい。特に百前森山から下降する側は急斜面になっている ・殆どは道筋明瞭。痩せ尾根となっているところも数カ所ある。 ・テープ誘導が更新されており、最近付けられたピンクテープが明瞭なので、これを頼りに進めば迷うことはなかろう。古い標示もいくつか残っている (いずれの記述も2023.5現在) |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・コンビニエンスストアは、和歌山、田辺方面からであれば、国道311号田辺市大塔にあるのが最後。近露には「道の駅牛馬童子」と「古道歩きの里ちかつゆ」があり、買い物ができるほか「古道…」にはレストランもある。新宮、本宮方面からの場合は、国道168号新宮市街がコンビニの最後。本宮にもコンビニはあるが、早朝深夜は開いていない ・飲食店は近露や本宮に複数あり ●日帰り温泉 ・近露には複数の温泉施設がある ・本宮側では、湯の峰、渡瀬、川湯と温泉地があり、それぞれに日帰り入浴できるところがある (2023.5現在) |
写真
感想
先月に続き果無山脈へ。
1年以上前から職場のMさんと約束していたプランを実行することにした。Mさんには申し訳ないのだが、冷水山への送り込みと道の駅奥熊野でのピックアップをお願いした。
同行者は、今回はO氏のみ。声がけが遅すぎたようで、メンバーが集まらなかった。あるいは、コースが長すぎるため敬遠されたのかもしれない。O氏も広島からの遠征。わざわざ来てもらって天気が悪かったらどうしようとやきもきしたのだが、どうにか曇りから晴れということで、少しは眺望も楽しめるかもしれない。
近露から続く長い長い林道走行の末、冷水山直下の登山口に到着。クルマはここまで。登山口は道幅がずいぶん広がっており、ここからの登山を期待して設計されたものなのであろうことが窺える。
いつもならば、少しくらいは歩きにも同行するMさんだが、今回は新宮でのご用に向かうとのこと、冷水山登山口でお見送りただき、いったんお別れした。
いきなりの急登をじりじり上っていく。雨後で緑がいっそう濃さを増す中、シャクナゲの咲き残りが彩りを添える。途中には用と不明のケーブル設備もある。ひょっとしたら何かの工事が行われていたのかもしれない。しかし今はこれより上方には人工物は無いようだ。
ロープのあるところも過ぎ、やがて山頂すぐそばの分岐点に到着。わずか一ヶ月ほど前に見たばかりの冷水山の山頂だ。あいにくなことにも、ガスに取り囲まれており、見えるのは大塔山系の半作嶺付近くらいだ。
一呼吸置いて出発。果無山脈中央部へと進む。ブナに囲まれた頂稜部は左右になだらかに肩の線を落とし、丘の上と見間違う。ブナ林、敷き詰められた落ち葉、ガス。まるで信州の高原散歩のようだ。
なだらかなのは両肩だけではなく、行く手も同様。緩やかな上り下りを繰り返して「カヤノダン」と書かれたピークに到着。ところが標示の裏手に明らかな高みがある。そちらへと踏み跡をたどってみると、明らかに一番高いと思しきところに「カヤの壇」と手書き札がかけられていた。どうやら本来の地名の示し先はここなのであろう。
次は「公門崩の頭」を目指す。このように書いて「クモンツエノカシラ」と読む。クズレがなまったものであろうが、ツエに変化するとは想起しがたい。公門崩の頭が近づき道標を見ると、あと0.2kmとある。それよりも手前0.7kmのところが「公門崩」だとある。どこが「崩」であったのかも判らないまま、「頭」のほうに到着した。
「頭」はもったいを付けた名前の割には見晴らしのない、山道途上の外より高い点に過ぎなかった。
暫く進むと、手製標示が「果無山脈縦走」に変化した。確かに公門ノ崩の辺りが果無山脈の核心部になる。冷水のようなショートカットでは無いどの登山口からでも5時間はかかりそうな山奥だ。ここを歩く人は縦走以外に目的はないだろうと主張しているようにも思えてしまう。
「頭」から緩く下っていくと、見晴らしの利く細い尾根渡りに出る。「カシ尾谷の崩」とはここのことだろうか。北面が開けており、本コースでも随一の景観がある。左手には護摩壇から大峰にかけての山々が幾重にも連なっている。あいにくの雲で護摩壇山や伯母子岳は隠れているようだが、遠く大峰の山並みはほんの一部だけだが見えている。そこからややあって、筑前タワに到着。名前の由来は何だろう。
ここからミョウガタワにかけての斜面には、ブナと思しき巨木が目立つ。
そして、奥辺路開拓チームが設置した標示からミョウガタワの文字がなくなり、「筑前タワ0.7km ブナの平2.4km」とした方向標が現れた。ミョウガタワは過ぎたのであろうか。なだらかな地形が続くこともあって、明確な山や谷が判別しにくい。
そこからしばらく平坦な道を行くと、世代の古い「ミョウガタワ」という標示。さらに暫く進むと「ブナの平2.0km ミョウガタワ0.4km」とした奥辺路開拓チームの標示が現れる。どうにも足し算が合わない。
3つの看板などから判ることをまとめるとこうなる。
・奥辺路開拓チームでは、最初の方向標のところをミョウガタワとしている
・古い標示は、奥辺路開拓チームとは異なる地点をミョウガタワとしている
・地形がタワ(峠)っぽいのは前者のほう
などから、奥辺路チームの標示に従いミョウガタワを通過したことにしようと思う。尤も、ミョウガタワがどこであっても通過してきたことに代わりはないのだが。
起伏の少ない道を進むうちに、別の尾根が近づくように北側が広くなる。どうやらブナの平に到着したようだ。やがて標示が現れる。後から戻ってきた時に気がついたのだが、ここが百前森山方面との分岐点にもなっている。
ブナの平から一登りするとブナの平峰。ここは南側の眺望がある。子ノ泊山が正面に見える。右手には烏帽子山や大雲取山など熊野の山々が集まっている。ここで昼食を摂り、石地力山まで歩を進める。今までにも増して穏やかな尾根を進む。確か、昨年果無峠から石地力山まで歩いた時もこんな山容だった。
石地力山の山頂直下では北面の見晴らしが得られる。ここまで歩いてきた冷水山からの山並みを見ることができる。冷水山もずいぶん遠くなった。そして牛廻山や鉾尖岳も見えている。遠くには城ヶ森山や護摩壇もあるはずだが、雲もあってよくわからない。
それでも今日一番の眺望に満足して折り返す。
ブナの平峰を通り越し、ブナの平の分岐から百前森山方面へと向かう。いよいよ頂稜を離れ下降する。
急傾斜の細い尾根を下る。緩むことなく降りていく。時折朽ちた標示がある。「…龍神へと至る」とあるから、熊野萩から入り、果無を縦走するような案内だ。
厳しい下りが緩み、前途が二手に分かれている地点に出た。百前森山へのルートと巻き道の分岐のようだ。一頻り休憩し、山頂ルートへと進む。
上部の分岐点からは指して登るほどでもなく百前森山山頂に到着。あいにくここも眺めはない。そして最後の下りへ。
先ほどの巻き道と再度合流するまでは、急斜度が続く。狭い尾根をジグザグに降りていくのだが、落ち葉もあって滑る。ようやく朽ちた標示が現れたと思ったら、巻き道との合流点だった。
合流点まで来ると、道の明瞭度合いが高まる。わずかに進むと、“萩・八木尾”と“中下番”を分ける分岐点。これを左の萩方面へと進む。
こちらの道は明瞭なままだが、気がつくと、テープが少ないようだ。先ほどまであった誘導テープは中下番方面に繋がっていたのであろうか。
こちらのルートは、しばらくは緩やかに進むが、やがて急斜面のへつりとなり、集落跡を過ぎると、一気の下りで国道へと出た。
降り立つ直前にM氏から、道の駅ではなくバス停まで迎えに行く由の連絡が入った。ありがたいことだ。国道に降り立ち、カーブした車道を少し進むと、熊野萩のバス停には、M氏の姿が見えた。ちょうど背後からバスがやってくるタイミングとなり、二人とも慌ただしくクルマに乗り込んだ。
長い縦走路だったが、送迎のおかげで達成することができた。M氏には感謝感謝だ。このコースに付き合ってくれたO氏にも感謝。ウェアラブルカメラの映像を見せてもらうのを忘れていたが、またそのうち鑑賞させてもらおう。
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