重廣恒夫さんとともに群別川から群別岳へ

2015年08月31日(月) [日帰り]

• GPS: 13:30
• 距離: 12.7km
• 登り: 1,183m
• 下り: 1,188m

コースタイム

日帰り

• 山行: 12:54
• 休憩: 0:38
• 合計: 13:32

4:44 スタート地点
11:24 12:02 群別岳
18:16 ゴール地点

天候

晴れのち曇りのち雨のち曇りのち晴れ

アクセス

利用交通機関：

自家用車

写真

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（重廣恒夫さん撮影）

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撮影機器：

PowerShot G16 CANON

Optio W60 ペンタックス

RICOH PX リコー

感想

kenn

　8月31日に西山泰正支部長らと、前関西支部長で現本部監事、支部会友でもある重廣恒夫さんに同行して、群別川から群別岳（1376.4m）に登った。
　エベレスト北壁初登攀、K2第2登などを成し遂げ、隊長、登攀隊長としても数々のヒマラヤ登山隊を成功に導いてきた重廣さんだが、近年は日本百名山連続踏破など、国内の山で精力的な登山を続けている。現在ライフワークとしているのが「4000山チャレンジ」。日本山岳会編著「新日本山岳誌」に掲載の全国の山4000峰に登頂しようという壮大な挑戦だ。現在までに1600山ほどに登ったという。北海道の山も120あまり含まれ、毎年6月と9月に来道して登っているそうだ。群別岳には昨年、一昨年と挑んだが、悪天候等に阻まれて未登頂。それを聞いた西山支部長が、この山域を庭とする地元在住で旧知の増田光雄さんとともにガイド・サポートを申し出て、今回の山行が実現した。メンバーは他に仲俣善雄さんと田中。
　重廣さん、西山支部長と田中は前夜、浜益の旅館に泊まり、31日4時に他の2人と合流して車で群別川沿いの林道終点へ。ここから5時過ぎに登り始める。ルートは、南東面の群別川本流から群別岳に登り、増田さんの名が付けられた南西面の通称・増田の沢を下る周回コース。
　天気は上々。尾根を乗越すところから尖った群別岳の南峰（1280m）が見え、群別川本流に下って重廣さんを先頭に遡行が始まる。水量はかなり少ない。増田の沢の出合を過ぎ、40分ほどで今日最初の15mの滝が現れる。重廣さんがザイルを出して右壁を登り、2人がビレイしてもらって続く。後の2人は高巻く。滝の上はゴルジュで小さく巻く。その後も函が続くが、水量が少ないので中を行ける。760m二股を左に入ると15mほどの滝が現れ、左から巻くと、間もなく30mほどの通称・群別大滝（写真左下）。右岸から巻き、落口下の岩棚に出て水流の下をくぐり左岸側に出る。その上はナメ滝や小滝が次々と現れ、傾斜も急になって楽しいところ。
　1000mを過ぎると源頭の様相を呈してくるが、この頃から天候が悪化。雨が降り出し、ガスに包まれる。水が涸れ、少々ガレて開けた急斜面に出ると、右手に奥徳富岳への稜線、左には群別岳の南峰がガスの中に浮かび上がる。最後はハイマツに突入し、10分ほどの藪漕ぎで稜線に飛び出し、12時すぎに山頂に着く。重廣さんの16??山目の登頂を祝して握手を交わし、記念撮影。
　山頂からは、うっすら見えるだけの南峰に向かって急な稜線を、ハイマツを漕いで下っていく。南峰とのコルまで来ると、後ろのガスが晴れて、群別岳の三角形の山頂部が姿を現す（写真右上）。岩場を乗り越え、細い稜線上を行くが、南峰を過ぎたあたりから、右の増田の沢へ下らなければならない。その降り口が問題。下るのが早すぎても遅すぎても岩壁の上に出てしまう。ノーロープで下れるところは一箇所だけだが、その下降点に増田さんがこの春、目印を付けてきたので大丈夫、とのことだったが……。結局、目印は見つからず、増田さんの勘で下ると、見事岩壁を避けることができた。正面に幌天狗、眼下には増田の沢の源頭部が広がっている。
　ここからも増田さんの指示に従い、灌木をかき分けて斜面を下っていくと、ブッシュが覆い被さる涸れた沢形に出た。しかし、下っても下っても水が出てこない。やっと水が出ても滝など難しいところはない。この沢が下りに使われる所以だが、面白いところもなく、とにかくどんどん下るしかない。
　しかし、ついに滝が現れる。30mの通称・牧ノ滝だ。上段はクライムダウンできるが、最後はちょっといやらしい。懸垂で下った方が早い、と重廣さんがザイルを出し、2人が続く。2人は右のブッシュの斜面を巻いて下った。
　また、どんどん下り、群別川の本流に出て往路を逆に辿ると、尾根の上からは、先ほどまでの雨が嘘のように、群別岳の南峰が、今度は夕日を浴びて鮮やかに輝いていた。午後6時過ぎ、駐車地点に帰着。約13時間の行動だった。
　西山支部長と田中は、重廣さんとともに帰札して白石ルームに宿泊。酒を酌み交わしながら深夜まで語り合い、重廣さんの貴重な体験談をいろいろ聞かせていただいた。