安達太良山【雪崩に巻き込まれあわや!生きてて良かった・・・本当に】
- GPS
- 07:01
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 765m
- 下り
- 749m
コースタイム
天候 | スキー場付近は晴れ 山頂はガス+強風 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
<往路>原宿/23:00発 〜 あだたら高原スキー場/5:30着 <帰路>あだたら高原スキー場/17:10発 〜 新宿/21:40着 スキーツアーのバスはスキー場まで行ってくれるのでとても便利 レストハウスも利用できて、今回は使っていませんがリフト券も付いています |
コース状況/ 危険箇所等 |
●登山ポスト スキー場にあり ●登山前トイレ スキーツアーだったので、スキー場の施設を使わせてもらいました。 ●コインロッカー300円 ゴンドラ乗り場前、営業時間外でも使えました。 ●コース状況 奥岳登山口〜くろがね小屋 トレースもあり危険はありません。 小屋手前のトラバース付近は足場が狭いのでスノーシューやワカンで歩く場合は慎重に。 くろがね小屋〜山頂 この日はガスと強風、特に山頂付近は立っていられないほどの強風でした。 山頂までは強風につきトレースはすぐに消えてしまいますが、木と竹のポールが立てられているので、これを目印に進みます。 ●今回遭遇してしまった雪崩発生箇所 山頂から少し下って薬師岳とくろがね小屋への分岐からくろがね小屋方面に少し下った辺り。 デブリの写真を載せましたが、山頂直下から登山道上を通って下へと雪崩落ちています。 雪崩自体は小規模なものだとは思いますが、ポールが立てられたコースを外れて歩いていたわけではないので、避けられないコースで雪崩てきたということです。 |
その他周辺情報 | あだたら山 奥岳の湯 600円/大人(リフト券提示で550円、スキーバスツアー参加者は500円) オープンしたてできれい、とても温まる良いお湯で、粉雪の舞う中の露天風呂は最高でした http://www.adatara-resort.com/ski/faciliti.stm |
写真
感想
スキーのバスツアーを利用して安達太良山を目指したのは昨年の2月に続いて2回目です。
昨年は悪天候と時間切れでくろがね小屋にて撤退、山頂に立つことはできませんでしたので、今回はリベンジになります。
くろがね小屋までは青空ものぞき軽快にスノーシューを履いてのハイキング。
くろがね小屋から上はガスの中で、風も強そうでしたが、雪が降っているわけではないので少し休憩して山頂へ。
山頂付近は思った以上の強風で立っているのもやっとの状態でしたが、風にあおられながらも何とか写真を撮って下山の途につきました。
薬師岳への分岐を経て、くろがね小屋に向かって視界も良いとはいえない状態なので目印のポールを頼りに進み、山頂から十数分下ったところで・・・。
それは突然起こりました。
山頂を左手に見てトラバース気味に下っていた私は突然肩から側頭部辺りに強い衝撃を受けて転倒、そのまま滑落が始まりました。
何で倒れたのか、最初は何だか良く分からなかったのですが、雪にのまれて滑り落ちていくのが分かりました。
最初から視界は雪の中で、明るかった視界が滑り落ちるにつれてどんどん暗くなっていく。
そこで雪崩に巻き込まれて滑り落ちているのだと、そしてどんどん下に潜ってしまっているのだと気が付き、とにかく上にあがっていかなくては、本当にまずいことになるという思考は働くのですが、体は全く言うことを聞きません。
雪崩に巻き込まれたら、〜「埋まってしまわないように、じたばたと雪の中を泳いだらいい」〜
そんなことは無理です!!!
滑り落ちていくスピードと雪の重さ、そのすさまじい勢いの中にいて、それに抗うことなど到底不可能だと知りました。
とにかく勢いが収まってくれることを祈り、少しでも浮上することだけを考えながらできたことは、助けを求めて叫ぶことだけ。
やっと流れが止まり、頭を上、足が下でうつぶせの状態で斜面に対して水平に落ちたおかげで多少浮力が働いたのか、あまり深くは埋まっておらず、自力で雪から抜け出すことができ、幸いにも怪我もしていない様子で安堵、すぐに連れの姿を探しました。
連れは私よりも数メートル上で、頭が雪から出ていてこれまた安堵、でも胸から下が雪に埋まっていて自力で抜け出せない様子。
すぐに手でとにかく雪を掘り、足についたままのスノーシューを引っ張りあげて無事に脱出、足が変な方向に曲がって埋まっていましたが、こちらも怪我はない様子。
連れは、最初上から雪の破片が落ちてきたのに気がついた瞬間、背中に衝撃を受けて転倒、そのまま雪の中を回転しながら頭を下に滑り落ち、斜面に対して垂直に止まったため、体が埋まってしまったようです。
周りが見える状態で滑落したので、ものすごいスピードで滑り落ちていく様子が見えていて、かなり怖かったとか。
時間にしたら数秒のことだと思いますが、自由が利かず、なされるがままに滑り落ちていく時間は恐ろしく長く感じました。
総じて、私たちの上部で起こった雪崩ですが、音はせず、その先端に押し流されるまで迫ってくる雪崩に全く気がつきませんでした。
風も強く、フードも被っていたのもありますが、音もなく、ものすごいスピードで迫ってくる、これでは避けられません。
雪崩などというものは、映画や小説、ニュースの中の出来事で、厳冬期のアルプスに行くわけでもなし、私が目の当たりにするようなことはないだろうくらいにしか思っていない代物でした。
今回のことで、自分は丈夫だろうという、絶対はなく、雪が積もった斜面であれば、規模の差はあれど、どこでも雪崩は起こりえるものなのだと思い知らされました。
雪崩自体の規模は小さかったこと、運よく岩が出ているエリアの少し上で止まったこと、二人とも大きな怪我がなかったこと(連れは手首から指の付け根にかけて捻挫をして手がパンパンに腫れていましたが)、不幸中の幸いといいましょうか、ポールを1本失くしただけで、大事に至ることはありませんでしが、もし悪い条件が重なってしまっていたらと思うと身がすくみます。
それでも雪をまとった山々は美しいし、銀世界の中を歩く素晴らしさは知ってしまったらやめられるものではないのですが、注意は怠らず、どこにでも危険はあるのだということを踏まえ行動したいと思います。
皆さんにも安全に山行を楽しんでもらいたいと思い、今回の件を上げさせてもらいました。
最後に、後ろから来て一緒にポールを探すのを手伝ってくださったスキーヤーの方、本当にありがとうございました。
なんだかあの場に留まるのが恐ろしく、お礼もそこそこに逃げるように下山してしまい失礼しました。
もしこれをご覧になっていらしたら、この場を借りてお礼を申し上げます。
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