銀次郎山、再び
- GPS
- --:--
- 距離
- 13.4km
- 登り
- 1,262m
- 下り
- 1,270m
コースタイム
- 山行
- 7:10
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 8:20
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
この冬、股関節の故障で、3ケ月間全く走ることが出来ず、申し込んでいたフルマラソンも欠場を余儀なくされた。ようやくぼちぼち走れるようになったのが、2月も半ばのことだった。春山のシーズンに向けてのトレーニングが、いつもの年のように出来なかった中、しかし、再び、あの河内の山々の春の風景を歩きたいという欲求は止みがたく、せめて銀次郎まではたどり着きたいと、意を決して出かけることにした。
悪場峠の登山口には2,3台の車がとまっていた。空は薄曇り、雨は降りそうもなく、暖かい。それにしても、暖冬のせいか、春の進み行きが早い。昨年同じ時期に登った時は、登山口にも残雪があったのだが、今年は全くそれが見られない。
登り口のところで、数人のパーティがほぼ同時に登り始めた。しばらくは、にぎやかで、楽しそうな笑い声が聞こえていたが、そのうちいつの間にか声がしなくなった。
水無平を経て、焼峰山の神様のある尾根まで上がっても、雪はほとんどない。尾根をしばらく進むと、道が分岐していて、左手の谷側に「木六山」の標識がある。昨年は雪が多くて、避けたのだが、木六山を巻く道だと思われた。木六山に通じる尾根の前方には、ロープが張られて、通行止めのようになっているので、今回は巻道を行ってみることにする。
しかし、このへずり道、谷側がけっこうな斜面になっていて、極めて歩きにくい。尾根へ登りつくためには、沢をまたいで、雪で埋まった谷に取り付かなければならず、少し苦労した。
尾根にたどり着くと、木六山への分岐の標識があった。今日の目的地の銀次郎山、そして銀太郎山の姿が見える。銀次郎までは、まだまだ遠い。ここから七郎平山までが、アップダウンもいくつかあり、道のりも長く、きついところだ。だが、今年は、雪がほとんどなく、夏道オンリーなので、迷うところがないだけ、楽かもしれない。
七郎平への最後の登りは、さすがに雪があらわれ、雪の急斜面に長靴の先を蹴り込みながら、登る。
七郎平の水場で一休みする。木々の間から粟ヶ岳がかすんで見えた。水筒に水を汲み、体にも補給する。それにしても、ここの水は本当に美味しい。
七郎平山の雪に埋もれた西側斜面を、テープをたどりながら進む。銀次郎が大分近くなって来た。しばらく行くと、尾根の東側の谷が目の前に開けてくる。真っ白な雪の谷に、色づきはじめたブナの新緑が、何ともいえない風景をかもしだしている。今回で2度めでしかないが、昔から何度も眺めてきて飽きないような静謐な懐かしさを感じる。
銀次郎は間近に見えて来たが、その前に、もうひとつピークを越えなくてならない。喘ぎながら登り切ると、いったんまた下り、山頂への最後の急登となる。この登りは案外、短い。しかし、それなりにきつい。
山頂に立つと、河内の山々が出迎えてくれる。今日は、御神楽岳がとりわけ綺麗に見える。こうしてみると、銀太郎までは、まだまだ遠い。去年は、あそこまで行けたのだと思うと、少し淋しい気がする。昨年は、この山頂にも、雪が残っていたのに、今年はほとんどない。しかし、昨年と同じなのは、虫の大軍だ。虫を払いつつ、食事を済ませ、下山に掛かると、七郎平の方から5,6人の登山者が連なって登ってくるのが見えた。朝、同じ頃登山口を登り始めた人達かも知れない。
男女6人ほどの団体さんは、銀次郎の登り口で、こちらが下るまで、待っていてくれた。どちらまでですか、と尋ねると、リーダーらしき男性が、
−ここまでです。無理はしません、とけっこう余裕の笑顔で答えてくれた。
−この時間であれば、銀太郎まで行けたんではないですか、と男性。
−いや、もう限界です、このあたりがちょうどいいところです。
七郎平山を過ぎたあたりで、Tシャツ姿の若者と会う。何やら入ったビニール袋をぶら下げていたので、何が取れましたか、と訊くと。聞きなれない名前を言ったので、首を傾げると、コシアブラです、と言いなおしてくれた。
−へえ、じゃこの先、帰りに採れますかね、と尋ねると、
−うーん、僕がみんな採っちゃったからな、と笑って答える。
それでも、それ以後は、道の両脇に眼を凝らして、コシアブラを捜しながら歩いた。収穫はほんの少しだけあった。しかし、山菜を捜すのに夢中になったおかげで、歩きの苦しさを忘れ、木六山まで来ることができた。
木六山からの下りは、へつり道は避けて、尾根道を行く。何故、この尾根道が立ち入り禁止みたいにロープなど張ってあるのか良く分からない。尾根道の方がずっと安全で、歩きやすいように思うのだが、何か理由があるのだろう。
水無平からの登り返しを、乳酸の溜まった足を踏ん張りながら登り、峠を越えて、悪場峠にたどり着く。今回は銀次郎までだったが、それでもこの山は、登りがいのある、いい山だと改めて実感した。いつまで、ここに登れるだろうか。
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