鹿島槍ヶ岳赤岩尾根 完璧な晴天!
- GPS
- --:--
- 距離
- 16.7km
- 登り
- 1,879m
- 下り
- 1,862m
コースタイム
天候 | 快晴! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・大谷原駐車場に登山届ポストとトイレあり。 ・今年は寡雪のため、西俣乗越にはデブリ全くなし。砂防ダム裏の地下トンネルで容易に対岸に渡れます。 ・高千穂平から冷乗越(県境縦走路)まで計4か所、急な雪面のトラヴァースがあり、ピッケルとクランポンがないと通過不能です。斜度が尋常ではないのでスリップすると深刻な事態に。大変シビアですので初心者は同行不可です。時間はかかりますが、爺ヶ岳南尾根からが無難です。 ・縦走路に出れば山頂まで危険はありません。冷池山荘からしばらくは雪庇を使えます。布引山の登りにかかるとあとは鹿島槍の山頂まで夏道が出ています。 ・吊尾根たどって北峰まで行こうと思いましたが、途中残雪も多く危険だったためやめました。夏道も以前(12年前に登ってます)より崩れて危険になっているように思いました。 |
その他周辺情報 | 下山後温泉は松川村すずむし荘。500円。併設レストランの信州サーモン丼がうまい(いつも欠食児童並に空腹なので写真撮り忘れる)。最近後立山の登山後はここばっかりです。 |
写真
感想
鹿島槍の豪壮な南東面をこれほど満喫できるコースはないだろう。赤岩尾根は素晴らしいルート。ただし今時期は残雪状態が中途半端で非常に厳しい。特に冷乗越の直下の3か所の雪渓トラヴァースは今時期は多かれ少なかれ命がけである。3週間後、もしくは3週間前がよかったかなと思う。
鹿島槍といえば深田久弥さん。日本百名山では北アルプスで最も好きな山は(穂高や剱すらを抑えて)鹿島槍だと躊躇なく書かれている。吊尾根の緩いループ曲線を褒めたたえ、「いったんその良さがわかると、もう好きでたまらなくなる」とまでおっしゃっている。今回、私もその神髄を心行くまで味わい、その言葉に偽りなきことを実感した。
もう一つ鹿島槍で心に残っているのは1990年代(いつだったか忘れた)の東京のS大学山岳部の遭難である。当時はWEBで詳細な遭難記が公開されており、私が物心ついてから初めて真剣に読んだ山岳遭難の記録である。それがこの赤岩尾根の下山で起こったのだ。真冬の悪天の中を赤岩尾根を外れて大滝に下り、リーダーが滑落死、残りのメンバーは決死の覚悟で稜線に登り返したが、途中で1名が衰弱死した。恐ろしくてガタガタ震えながらこの記を読んだのを今でも覚えており、これが私の登山への恐怖の原点になっている。
これらのことを思いながらの鹿島槍山行は、日帰りとはいえ実に印象深かった。赤岩尾根の緊張強いられる下りの重責を終え、高千穂平で夕方の斜光で彫りの深まった鹿島槍南東面を見ながらお茶を飲み、至福の時をかみしめていた。大げさかもしれないが、実に良い時間を過ごせた一日だった。
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