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Yamareco

記録ID: 90685
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
丹沢

表尾根逆行―二ノ塔南尾根

2010年12月11日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
07:35
距離
15.4km
登り
1,430m
下り
1,507m

コースタイム

渋沢駅7:35〜7:50大倉バス停8:00→8:40見晴茶屋→9:05駒止茶屋→9:20堀山の家→10:05花立山荘10:15→10:28金冷シ→10:45塔ノ岳11:15→11:48新大日11:50→12:20行者ヶ岳→12:35烏尾山12:40→13:07三ノ塔13:40→13:50二ノ塔13:55→14:00日本武尊足跡分岐→14:30林道横断→14:55林道ゲート(葛葉の泉)→15:35菩提バス停
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2010年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
菩提からの秦野行バスはハイカーが少なくすいている。土休日は利用価値あり
コース状況/
危険箇所等
 大倉尾根、表尾根は整備が良く、政次郎尾根分岐から行者ヶ岳にかけての鎖場(逆行では登り)が数少ない難所。冬は雪解けなどでドロドロに歩きにくい区間がある。
 二ノ塔の南尾根の下山路は、昭文社山と高原地図では実線ながら植林帯では踏み跡が不明瞭で注意を要する。指導標もテープも少なく、尾根を外さず地面のえぐれた登山道跡を見分けて歩くことが必要。
見晴茶屋
堀山付近で富士が雲から出てきた
堀山付近で富士が雲から出てきた
花立へと急な階段が伸びる
花立へと急な階段が伸びる
振り向けばまばゆい相模湾(花立)
振り向けばまばゆい相模湾(花立)
右を見れば三ノ塔へ伸びる表尾根と大山
右を見れば三ノ塔へ伸びる表尾根と大山
塔ノ岳が近づく
金冷シの先では雪道となる区間も
金冷シの先では雪道となる区間も
塔ノ岳からの富士。とにかく西風が強かった
塔ノ岳からの富士。とにかく西風が強かった
新大日から三ノ塔への稜線を望む
新大日から三ノ塔への稜線を望む
政次郎尾根分岐から階段を下ると、正面の行者ヶ岳へ至る難所となる
政次郎尾根分岐から階段を下ると、正面の行者ヶ岳へ至る難所となる
中央・烏尾山、右・塔ノ岳、左・雲の中に富士山(三ノ塔より)
中央・烏尾山、右・塔ノ岳、左・雲の中に富士山(三ノ塔より)
三ノ塔から大山
二ノ塔南尾根の道。初めはしっかりしている
二ノ塔南尾根の道。初めはしっかりしている
すっぽり雲の帽子を被った富士山
すっぽり雲の帽子を被った富士山
道型は薄れる。たまに青テープも
道型は薄れる。たまに青テープも
鳥獣保護区の看板の右から林道に出た
鳥獣保護区の看板の右から林道に出た
登山口の林道で振り返る。登山道は左上から合流
登山口の林道で振り返る。登山道は左上から合流
ゲートのすぐ向こうが葛葉の泉
ゲートのすぐ向こうが葛葉の泉

感想

 冬というのに大倉バス停には県警が登山カード記入所を設けていた。近頃の山歩きブームを実感する。今日は表尾根を通常と逆コースで辿り、二ノ塔で南へそれてややマイナーな尾根道を葛葉川左岸に向かう計画。今朝は暖かいが、稜線は残雪や霜のぬかるみが確実なのでスパッツを装着する。そんな準備で出遅れて、バスの同乗者の大半が去った後で出発した。
 最後の民家である克童窯を過ぎ、林道が山道に変わればほどなく観音茶屋。汗を拭いつつ先行者を抜いて行くと、雑事場ノ平で尾根に出た。西から吹き渡る風が心地よい。開店準備中の見晴茶屋を回りこむと最初の急登が始まる。ついで木の階段が現れ、なだらかな区間で一息ついた後、再度急な登りを行けば駒止茶屋。さらにひとアルバイトで稜線に出ると、左手の小丸尾根越しに富士山の姿が見えた。山体を邪魔な雲が取り巻いているが、だんだん消えていくようだ。
 なだらかな道は堀山の家の前で終わり、時々覗く富士の姿を励みに厳しい登りを行けば、やがて周囲の木々が消えて営業中らしい花立山荘。前面に表尾根が連なり、後ろには相模湾が輝いている。富士山は周囲の雲の動きが激しい。ごうごうと梢を切る風の音が響き、あたりもだいぶ西風が強くなってきた。
 標高1300m、ついに残雪が現れ、溶けた登山道はぬかるんで歩きにくい。金冷シの先の溶け残った雪道で子供の声がした。父親に連れられた小学校低学年の兄弟がはしゃいでいる。他に女の子を連れたお父さんもいて、微笑ましいというか、子供たちの天晴れな体力に脱帽である。こちら疲れが出始めた脚に鞭打つようにして塔ノ岳山頂にたどり着くと、強風で吹き飛ばされそうになった。
 富士山が良く見えるが、小さなデジカメを向けると西風でグラグラして固定しづらい。何より寒くてたまらず、急いで尊仏山荘に駆け込んだ。温かい甘酒を買い、取り合わせとしては妙だが、それでお握り2個を食べて昼食とした。腹具合によっては三ノ塔の休憩所でスープかカップ麺を作るつもりだ。
 30分休んで出発。相変わらず西風は強いが、この先は塔ノ岳の山体が壁となって風をいくらか防いでくれる。一気に100m近く下って木ノ又大日から新大日へ快調に飛ばす。遠く北東に霞んで見えるビル群は東京都心だろうか。新大日からは三ノ塔へと伸びる表尾根が一望の下に見渡せた。
 書策小屋跡を通り、政次郎尾根分岐から行者ヶ岳にかけてのアップダウンに挑む。裸尾根の階段を下り、そこそこきつい鎖場を2箇所通過。Tシャツ姿!の男の子(小学校低学年?)を連れてワイシャツに運動靴、荷物は片手に提げたレジ袋というトンデモ父さんとすれ違った。鎖場を降りて来たのが驚きだが、いくら何でも非常識な装備の親子ハイキングではなかろうか。
 行者ヶ岳の先は下り基調で、ぬかるみはあるものの比較的歩きやすい。少し登り返すと烏尾山。木の又大日とここの小屋も人影があって営業中のようだ。風が強いので東側に少し下りた所で小休止した。標高1060mの最低鞍部を挟んで三ノ塔の平らな頭がそびえている。今度の登り返しは標高差150m近くあって、疲れた脚には最後の試練だ。
 危険というほどではないが結構急なガレ場がある。すれ違った男性が帽子を飛ばされ、取りに行こうとしてスリップ、転倒した。男性を制して代わりに取って上げたが、渡す時、プンとアルコールが匂った。先ほどのトンデモ父さんといい、丹沢をナメ過ぎてはいまいか。危なっかしく下っていく男性を、落ちやしないかと思わず目で追ってしまった。
 小さな地蔵の所で急登が終わり、振り向けば烏尾山を経て塔ノ岳へ続く稜線が見渡せる。烏尾山の左に富士がそびえているのだが、湧き立つ雲に遮られてかすかに頭が覗くのみだ。ここも西風がまともに吹き付けて寒い。山頂では何組かの登山者が昼食休憩中だったが、なぜか風をしのげる三角屋根の休憩所は無人。中でカップ麺を食べることにしてコッヘルで湯を沸かしていると、2、3組が入ってきた。ドアを閉めれば避難小屋としても使えそうな休憩所だから、日差しがあるにせよ強風の外よりずっと温かい。
 時計を見ると、そのまま表尾根を辿っても何とか明るいうちに蓑毛まで着きそうだが、全行程が通ったことのあるルートでは面白くない。計画通り二ノ塔から南へそれることにして休憩所を出た。堂々とした大山を仰ぎ、10分ほどで二ノ塔へ。ルートを検証し、「菩提」と記された道標に従って二ノ塔南の尾根に分け入った。
 08年版山と高原地図には実線で記されているルートで、初めのうち踏み跡はまずまずしっかりしている。明るい尾根で左に大山、右は表尾根からはるか富士まで一望の下。ただし、富士は全身をモコモコした雲に覆われてしまっていた。見下ろせばゴルフコースの向こう、大倉バス停と駐車場が半逆光に輝いている。5分ほどで日本武尊足跡入口という標柱の立つ分岐に至り、直進すると見晴らし台のような休憩所(跡?)に出た。
 その先で杉の植林帯に入るが、だんだん道が怪しくなってきた。林床をえぐる溝が登山道の跡だろうと見当をつけ、南から南西へと流れる尾根を外さないように進む。右に鹿柵の残骸が現れると、その向こうは広葉樹の林になっていた。テープは少ない。わずかな青テープを目印に南西から西へと進路を変えると、急坂の下の木々の合間に林道が見えた。標高700m余、これは横切ってさらに下る。
 林道に道標こそあったが、その先も道は良くならず、初めての登りに使うのは迷いそうなので避けたい。植林の林をさらに20分ほど下り、ようやく葛葉の泉近くの林道に飛び出した。どこかから林道伝いに降りてきたグループが、道標を見て「二ノ塔からここに下りられるんだあ」などと話している。容易じゃないですよと教えてやろうと思ったが、やめておいた。
 ゲートを通って泉で靴のドロを落とし、喉を潤す。葛葉川左岸を辿り、野外活動センターで桜沢橋を渡って直進・・・のつもりだったが、道が森の中へ登っていくので左の川沿いの道に変更した。茶畑が目立つ。途中、定源禅寺付近で本来の道「坊坂」に戻った。菩提バス停にハイカーの姿はなく、年配の女性2人と男の子が2人だけ。おそらくヤビツ峠はもちろん蓑毛発のバスも満員なのだろうが、こちらはゆっくり座って秦野駅に向かった。

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