極寒の北横岳


- GPS
- 04:41
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 332m
- 下り
- 326m
コースタイム
ロープウェイ終点10:00-10:50北横岳ヒュッテ11:15-11:30北横岳南峰-11:35北横岳北峰11:45-12:00北横岳ヒュッテ-12:30坪庭縞枯山荘方面分岐-12:45縞枯山荘14:08-14:16坪庭方面分岐-(坪庭経由)-14:35ロープウェイ
天候 | 麓は晴れ。ピラタスロープウェイ終点より上は小雪のち薄曇り。気温-15℃程度。北横岳山頂は強風。 |
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過去天気図(気象庁) | 2010年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
ロープウェイ始発は9:00。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
坪庭の登りで急なところがあるのと、雪が締まっているため、アイゼンはつけた方がよい。 スノーシューは必要なし。縞枯山荘の小屋の人曰く、1月半ばまでは降雪があってもほとんど雪が飛ばされてしまい、あまり積もらないとのこと。縞枯山荘付近でスノーシュー散策していた人の話でも、トレースが狭く雪が踏み固められていてかえって歩きにくかったそうである。 ピラタスロープウェイの終点からスキー場に下りるコースも、ササが完全に出ていて滑走不可。そのため、ロープウェイは登山客のみで空いていた。 |
写真
感想
当初は天狗岳に行こうと思っていたが、風がかなり強いと思われたため、山頂近くまで樹林帯がある北横岳に変更。本日の目的を、本格的な冬の寒波を体験することとした。
ピラタスロープウェイの終点に着いた時点で十分に寒かった。ロープウェイ乗り場でのアナウンスでは、麓で-10℃程度なので、山頂付近は-15℃以下だろうとのこと。夏靴にソックス2枚重ねでは足の指先が冷たい。この靴ではこれ以上の低温で半日以上行動するのはもはや無理なようだ。
坪庭に上がるまでは風があまりなかったが、坪庭に出ると樹が少ないため風が強い。顔が冷たいのでさっそくゴーグルやネックウォーマーをするが、ここで問題が一つ見つかった。ダブルレンズのゴーグルが高かったので、風よけなら安いのでいいだろうと、シングルレンズのゴーグルを買ったのだが、装着してまもなく中が曇ったかと思うと、それがすぐに凍りついてしまった。曇り止めが効く間もない。成る程だからダブルレンズなのか、と納得はしたが、持ってきてないものは仕方がない。樹林帯では風が弱くなり外していても平気だったが、山頂では付けないわけにもいかないだろうと、指で温めて融かしティッシュで拭きとって何とか一部だけは見えるようにした。
北横岳は前が一部しか見えなくてもそれなりに歩ける危険度の低い道だったが、滑落の危険のある場所でこんなことになったらそれこそ命にかかわる。甘く見ていたが、ゴーグルが意外と重要なアイテムであることに気がついたのであった。
山頂まではそんな感じで、視界が悪くても危険を感じるような場所のない道である。ピッケルも途中で出したが、一部の急斜面で杖代わりにしたぐらいで、あとは単にぶら下げていただけ。ここはストックの方が役に立つと思う。
山頂の南峰に飛び出したとたん、少し体を風上側に傾けないと押されてしまうような風が吹いていた。ただ、耐風姿勢を取らないとよろけてしまうほどの風ではない。寒いので写真を撮ったら、すぐさま北峰に向かう。
北峰までは風が弱くなる樹林を抜ければすぐである。また強風にあおられながら写真を撮り、その後は縞枯山荘に向けて急いで下った。いずれスノーシューで縞枯山辺りをうろつきたいと思っていたので、小屋で情報収集。今のところ、乾燥した雪が降っても風で飛んでしまうため、スノーシューやテレマークスキーをするのは、1月中下旬の東京などで湿った雪が降った後の方がいい、とのことであった。
縞枯山荘では、こたつでゆっくりくつろいだ後、出かける準備をしている時、自炊室ですき焼きをしている若い女性グループと話してみると、なんと以前から読ませていただいている「ガールズ・マウンテン」というブログを書いているバルさんであることが判明。これにはさすがにびっくりした。同時に有名人に会えた気分でうれしくもあった。
ちなみに、バルさんのブログはこちら。
http://ameblo.jp/girlsmountain/
ヤマレコには記録してないが、10月に谷川岳に行った時は、西黒尾根で「青い山、白いヤマ」ブログを書いているまきchinさん隊とも遭遇しており(この時は、追い抜かれただけですが)、意外と有名ブログの主と会う機会ってあるもんだなと思った(気がつくかどうかは別にして)。
ちなみに、まきchinさんのブログはこちら。
http://blue-white-mt.cocolog-nifty.com/blog/
縞枯山荘を出て、あとはロープウェイ乗り場に行くだけだが、歩いていると日が差してきて、青空も一部に見えてきた。まっすぐロープウェイ乗り場に向かうと景色が見れないので(低いところを歩くので)、遠回りになるが途中の分岐より再び坪庭に登ると、さっきは見えていなかった北横岳山頂や、縞枯山が見えていた。
最後に素晴らしい景色を堪能することができ、バルさんにも会え、-15℃の寒さでの夏靴の限界やシングルグラスゴーグルの欠点も分かり、短いながら有意義な山行ができたと思う。
なお、この時期、秋までは渋滞がひどかった中央高速が、全く渋滞なしで帰れるのもうれしいことである。
naoki99999さん、こんにちは。
狙い通り本格的な寒波を楽しめましたね
写真を見ているとこちらまで寒さが伝わって来ます
kusmmkさん、こんばんは。
厳しい気象条件になると、装備の質がもろに影響するものだなと、身を持って体験しました。
凍ってよく見えなくなったゴーグルで何となく歩いてたら、トレースをそれて深みに足を突っ込んでびっくりしたり。ミス即滑落なんてシビアな場所だったら、ヤバい状況でした。
逆にいえば、冬山初心者の厳冬期体験としては、なかなかいい選択だったのでは、と思ってます。
縞枯山荘でたらふく食べて、こたつでほかほかになって出てきた後は、日差しが差してきたことも相まって、行きに通った坪庭で同じような寒さであっても、気持ち的には景色を堪能する余裕ができていました。
慣れというのも大事ですね。
本当に寒そうですね
私も年明けに北横岳へ行く計画があるのですが、冬山は全く経験がないのでどのくらいの心構えと装備が必要なのか勉強中です。
naoki99999さんの記録を拝見して…むむ。
今の私の装備では、気象条件によってはちょっと対応が難しいかも。
ダブルレンズゴーグル、大切そうですね。
お正月が明けたら早速見に行ってみよう。
初の冬山。楽しみだけど、緊張します
chanqさん、はじめまして。
年明けだといわゆる厳冬期で、曇っているにしても晴れたにしても、寒気の影響で風も強くかなり寒いと思います。
いずれにしろ、それらを知識としてではなく体験として自分のものにするのが大事だと思います。そういう意味では、最初から絶対登頂を目指すのではなく、レポにも良くありますけどヤバいと感じたら即撤退、のつもりでまずは行ってみるのがいいと思いますよ。
北海道出身の方ならともかく、普通だと−15℃とか未体験ゾーンでしょうからね。
ダブルレンズなら絶対に凍らない、ということでもないと思います。装着の仕方などにもコツがあるような気がするので、その辺は、いろいろやってみるしかないと思ってます。例えば、鼻で息を吹きだすと顔を覆っているときは目の方に息が抜けやすいので、それで曇るのかもしれません。それだと、なるべく口で息を吐いた方が良さそうですよね。
その辺、北横岳ならロープウェイが使える分すぐに極寒の地にいけますし、終点ですでにひどい状態だったら、縞枯山荘まで往復するだけでも、いい体験が出来ると思います。
是非、無理をせず楽しんできてください。
レポ楽しみにしてますね!
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