三ノ塔尾根-塔ノ岳
- GPS
- 07:17
- 距離
- 16.4km
- 登り
- 1,482m
- 下り
- 1,475m
コースタイム
- 山行
- 6:04
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 7:17
天候 | 曇り(山頂のみ晴れ) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
三ノ塔尾根ではだれにも会いませんでしたが、整備はまずまず。蛭を警戒して暑いのにスパッツ着用で登りましたが、姿は見ずに済みました。 表尾根は木段や木道が増えて整備が進み、歩きやすくなりました。 |
写真
感想
日増しに良くなる週末の天気予報を信じて繰り出したところが、山は低い雲がかかり、最後までスッキリ晴れなかった。標高1300m前後でかろうじて雲頂の上に出るか出ないかだったので、2000m近い山なら見事な雲海が見られたかもしれない。厳しい登降時に涼しかったことだけはラッキーだったが。
◇追記:他の方のレコを見たら、少し前まで雲頂が低くて表尾根は雲海の上だったらしい。木ノ又で昼にせず塔ノ岳まで頑張っていたら、きれいな雲海が拝めたかもしれず、残念。
バスを降りて独り風の吊り橋を渡りながら今にも降り出しそうな空を見てため息をついた。レインウェアで登ることになったら暑苦しいし、蛭対策をしてきたとはいえ、あまりに彼らの活動条件が整い過ぎていて気にかかる。血だらけで人の行き交う表尾根に登場したくはない。
路面の苔が滑る林道をジグザグに詰めて尾根通しの登山口へ。前回、西丹沢の県民の森で蛭2匹にたかられたので、迷わず林道経由を選択する。通りかかった伐採作業のトラックがワイパーを動かしていた。ガスが霧雨に変わり、仕方なくザックカバーをかける。林道から別れる牛首で念入りにスパッツを整え、再度ヤマビルファイターを振り掛けて山道に入った。
人っ子一人通らないが、さすが実線ルートだけあって路面に落ち葉はほとんどなく、蛭も隠れにくそうだ。安心して尾根に乗り、尾根通しの道をひたすらたどった。だんだん暗くなり、杉の植林が霧にけぶって幽玄な光景を醸している。涼しいが、あまり楽しい雰囲気ではない。標高800〜1000m付近は斜度40度くらいの急勾配で、ジグザグに道が切ってあった。
やっと勾配が緩くなり、どことなく空が明るくなってきたと思ったら人声が聞こえて表尾根縦走路に合流し、三ノ塔に到着した。相変わらず視界は利かないが、地面に影が映る程度には日差しを感じる。小腹がすいたのでお握り1個を早弁しながら一休みした。昨日、ごく軽くジムで汗を流したのだが、若干疲れが残ったようで早くも足がだるい。
お握りパワーによる復活を信じて10分ほどで出発。地蔵から急勾配を下り始めると鶯が良い声で鳴いていて、年配の女性がスマホを構えている。少し先で雀の尾羽を長くした程度の鳥の姿が見えたが、カメラを構える間もなく飛び去ってしまった。
鎖場の上の急坂に木段が整備されて楽になった。再び深い霧に包まれた最低鞍部を過ぎてしばらく登ると烏尾山。トリオヤマ、トリオヤマと繰り返すご夫婦に「カラスオヤマですよ」といらぬお節介をやいて追い抜き、止まらずに行者ヶ岳を目指した。
この区間には2か所下りの鎖場があり、二つ目の方が長い。ダブルストックの若い男性が両手でストックを握ったまま鎖にしがみついたものだから、グラグラ揺れて降りられなくなっていた。「片手は岩をつかんだ方が安定しますよ」とアドバイスしてあげた。難しい岩場ではないが、慣れないなら横着せずにストックはしまって下りた方が良い。
登り返すにつれてうっすら日差しが届き始め、暑くなってきた。足も重く、政次郎の頭、書策小屋跡と時々立ち止まって休みながら、正午過ぎにようやく新大日に着いた。北側から涼しい風が吹いてくる。汗をぬぐってもうひと頑張りすると、青空が覗いて明るい日差しの中に立つ木ノ又小屋に到着した。
缶ビールを注文し、ここで昼食の大休止。小屋番の女性に下はどんより曇り空で途中霧雨も降ったと話すと、驚いていた。小さな小屋だが、何人も立ち寄っては飲み物を求めていく。トイレを借りたいという男性に「うちは女性用だけなんです。男の方はそっちの方で適当に・・・」と答えるのには思わず失笑した。
視界を遮る雲はなかなか消えず、木漏れ日の向こうにガスが漂う不思議な光景を見ながら塔ノ岳への最後に登りにかかる。頂上まで登ればきれいな雲海が見渡せると期待してひと頑張り。到着すると、なるほど雲海は見えたが、この時間帯はぎりぎり雲頂の上という程度で「きれいな雲海」と言えるほどではない。数百m高ければ雲に浮かぶ富士山なども見えたのだろうが、残念だ。
いつもにぎわう塔ノ岳だが、さすがに真夏は暑さで敬遠されるのか、春秋ほどの人出ではない。雲もすっきり晴れないので一休みして大倉尾根へと下山した。金冷シ辺りまで下がるとすっかり雲の中に入り、登りと同じ霧中山行となる。ただ、雨にはならずに済んだので、暑い西日にあぶられることを考えれば遥かに歩きやすい。水は2.5リットル持参し、不足したら茶屋で買う予定だったが、涼しいおかげで何とか間に合った。
最近、疲れると痛み出す右足首を気にしつつ、歩きやすい尾根道を下る。蛭が隠れる落ち葉もなく、ここなら蛭対策はいらなそうだ。「トイレ故障中」の張り紙を出した堀山の家前のベンチで小休止し、ラストスパート。見晴茶屋は新しいトイレが完成し、臨時のう回路を通らなくても良いようになっていた。
ヤマビルファイターを染み込ませたスパッツと登山靴、靴下という蛭対策フル装備で臨んだが、皆さん特段そうした対策をしている様子はなく、素足むき出しのトレイルランナーまで見かけた。油断は大敵だが、主要な登山道を通る限りは大丈夫なのかもしれない。
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