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10月は転職に伴う有給休暇の消化で、長期遠征を行うこともでき、日本三百名山の制覇の記録を一気に162座まで伸ばすことができました。
10月の長期遠征の記録一覧はこちら。
https://www.yamareco.com/modules/diary/114426-detail-312648
この遠征で、達成率50%を越えることができたのですが、山から山へ移動する際に車を走らせながらずっと考えていたことがありました。それは、なぜ自分は日本三百名山に登るのか、ということです。
全国の山を登るのであれば、より挑戦しやすい日本百名山でもいいわけですが、自分は三百名山が目標です。百名山であれば、比較的、公共交通機関もあって、登山道も整備されています(一部、例外はありますが)。三百名山はそうではありません。では、なぜなのか?
自分の過去の参考記録を紐解くと、はっきり三百名山を意識してコース設定したのは、11座~13座目となった2013年7月の日光連山縦走でした。
【日本三百名山 #11-13】女峰山、男体山、太郎山(二荒山神社→女峰山→男体山→太郎山→湯元)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2444150.html
このときは避難小屋泊でしたが、85リットルのザックを背負って女峰山にわざわざ馬鹿尾根から登ってみたり、時間を有効的に使うために2日目の夕方に男体山往復したり、そして縦走をやりやすくするために初日の朝に、下山予定地の日光湯元に車をデポして、出発地の二荒山神社までバスで移動したりしています。ガッツリ歩く、三百名山を効率的に回る縦走にする、そして下山地はなるべく温泉があるところにするという、今の自分の登山スタイルとは基本的に変わっていません。
それより前に百名山ではない三百名山は、農鳥岳しか登っていませんが、これは農鳥岳が目的というよりは、白峰三山をセットで歩いてみたい、間ノ岳から北岳への例の縦走路を歩いてみたい、というのが強かったので、三百名山としての農鳥岳を目的としていたわけではありません。
それでも11座目というかなり初期の段階で、三百名山を意識したのはなぜだろうか?その答えは、その1つ前、10座目の山行にあります。それは、2013年5月に登った宮之浦岳です。
【日本三百名山 #10】宮之浦岳(楠川→白谷雲水峡→宮之浦岳→尾之間)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2444163.html
ルートを見てもらえればわかりますが、百名山として宮之浦岳を登るのであれば、もっと単純なルートで登ることができます。それをわざわざ楠川の海岸からスタートし、白谷雲水峡から一旦下り登り返して宮之浦岳へ、そして最後は雨が降ったら途中で渡渉困難になる尾之間歩道で降りてきています。普通はこんなルート、歩きません。
なぜこんなルートを計画したかというと、宮之浦岳について事前にいろいろ調べる中で、屋久島には岳参りという習慣があり、浜の砂を各集落が奉じる山の山頂まで歩いて持っていき、供え、祈るということをまず知ったこと。島外の人間ではあるが、実際にどんなものか自分も体験してみたいと思ったわけです。そして、尾之間歩道はかつて屋久杉を盛んに切り出していたときに整備された石畳が、苔むした歴史を感じる状態で残っていると知ったことです。
当初は世界遺産でもある屋久島ということだけで興味を惹かれたのですが、調べれば調べるほど、そして実際に歩けば歩くほど、この最南端の百名山(三百名山)が面白く感じてきた。
そして、気づいたのは、日本には北から南まで多くの山があり、それぞれの地形や自然、土地に根ざしているということです。地理と歴史を感じる山行、学問的に言えば人文地理学的な山行です。それをもっと深く感じるためには、日本三百名山でなくてはならない、とも思いました。
百名山でない最大の理由は、百名山は地域に偏りがあるから、です。百名山はかなりの山が中部・甲信越地方に集中し、中国地方に至っては伯耆大山の1座しかありません。この国を、そして山々を知るためには、数も、地域的な分散も三百名山が最も良いだろうと思ったわけです(とはいえ、三百名山をもってしても、千葉、香川、山口、沖縄の山はないので、これは別に挑戦したい)。
以来、ほぼ全国の山を登ってきて、162座。道はあれども全く整備されていなくて難儀する山もありますが、山はそれぞれの土地の自然や文化に根ざしていることを今でも実感します。会津の山はやっぱり壮大なアバランチシュートの山肌が印象的ですし、九州や北海道の山は今でも活発に活動している火山が多く、地質学的なこの国のダイナミズムを感じたりします。
2008年の富士山から、途中、仕事の都合で数年間全く山に登れなかったり、コロナ禍もあったりして、ここまで辿り着くのに15年かかりました。残り139座、いつ達成できるかまったくわかりませんが、この国と、この国の山々をもっと深く知るために、登り続けていこうと思います。
長文、お付き合いいただき、ありがとうございました。
【写真】
1枚目: 進捗は、Googleマップでも視覚的に管理しています。大まかなルートを初期設定する際に、効率的なルートも考えやすい。
2枚目: いつもの飲み屋で、いつものエール、ロンドンプライドを飲みながら、さて、次はどうしようか
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