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朝食を済ませ、外を見ると陽射しが眩しい。
「いや、今日は行かない」
と言いつつ、3度、4度と窓際に立つと、もう我慢できない。
五頭へ。
三ノ峰の登り口に着いた時間は11時をとうに過ぎていた。
ほぼ同時刻に登り始めたご婦人に4合目で追いつく。
「今日は山に行くつもりじゃなかったんですけどね」と声をかけると、相手も「私も。この天気で慌てて出てきちゃった。」とフっと小さな笑いが起きる。
ただ、5合目くらいを過ぎると、ガスがかかったような雲の中に入ってしまい、全くのモノトーンの世界へ。
忘れていた何かを思い出す。
今冬は好天が多く、青空をバックに輝く霧氷に嬉々とし、今日もそれを期待してきたワケだが、いや、そればかりじゃない。冬の楽しみは。
これだよ、これ。このモノトーンの世界。
幸い、風がない。一ノ峰も視界はないものの、驚くほど穏やかで不思議な気分。
遅く出発したお陰で、下りはひと気がない。
風の音もなく、枝から雪がこぼれる音もなく、立ち止まると完全な静寂。
何度も何度も立ち止まっては、冷たい空気をゆっくり身体に取り込み、モノトーンの冬の世界に同化を試みる。
忘れていた冬の楽しみ。
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