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涼しい部屋で読書をする。
「おかえり」と言える、その日まで
著者の中村富士美さんは、
民間山岳遭難捜索チームの代表者。
捜索が打ち切られた遭難者を
家族などの依頼によって再捜索、
さまざまな手がかりから
遭難事故をプロファイリングし、
未だ発見されない遭難者を
根気よく、丹念に探し出す。
ここに記された6つの事故は
どれも見つかりそうで見つからず、
捜索が断念された事案ばかり。
遭難者の性格、当日の持ち物、
前後の言動、残されたメモなど、
あらゆる手がかりを元に
辿ったであろうルートを推測し、
遭難者がいる場所へと迫る
ミステリー的な展開で、
事実の羅列だけを記した
遭難をデータとして扱う書籍とは違う、
独自の内容になっている。
さらに、遭難者の人となり、
残された家族の哀しみまでも
こちらに伝わってくるようで、
「遭難事故」の奥にある
いろんなドラマが詰まっている。
遭難事故は痛ましいし
起きてはならない出来事だけど、
山登りを趣味としている以上、
自分も同じ目に遭遇する可能性が
つねについて回ることを考えると、
しっかりした準備、登山計画書など、
遭難した時のことまで考慮して
山へ向かわなくてはならないな、と
褌を締め直すのでありました。
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