山を登り始めて数年は山頂に立っても達成感に酔いしれ、周囲の景色を堪能するだけで満足していた。
撮影も山頂標識と周囲の景色を撮るだけ、まさに記念写真そのもの。
自分を写真に収めようという気持ちは全く起こらなかった。
そんな私が自分を撮ってもらいたいと思うようになったのは数年前に登った谷川岳がキッカケ。
谷川岳山頂に立った時には濃いガスに覆われ周囲の景色も何も見えず、いつものように山頂標識を撮り、カメラをポケットへ納めている時、男性に撮影を依頼された。
手渡されたカメラを向けると派手な黄色のシャツを着た年配の方。
シャツの胸部分には2XXXと4桁の数字が刻まれていた。
話を聞くと2XXXという数字は谷川岳に登った回数だという。
後で知ったが名物おじさんらしい。
「凄いな〜」と感心しつつシャッターを押しカメラを返すと「写真、撮りますよ!」とお返しを受けた。
普段なら間違いなく丁重にお断りするところ、無意識に自分のカメラを名物おじさんに手渡していた。
これが(山で)初めて自分が映った写真となり、これ以降の山でも続く事となる。
撮ってもらいたい気持ちに何故なったのか理由は覚えていない。
カメラを向けた名物おじさんの誇らしげな表情を見て何か感じたのか・・
単に自分が歳を取って記録に残したいという気持ちが出てきたのか・・
撮影して頂く際に必ず守っている事がある。
どんなにキツくても体が悲鳴をあげていてもカメラの前では満面の笑顔をするように心がけている。
下山後、笑顔の写真を見ると辛かった事を忘れ「楽しかったな〜」と振り返れるし、下手すると人生最後の写真になる可能性もある。
最後は笑顔でいたい。
ところで撮影して頂く際、ポーズをとりますか?
シャイな私は頑なにポーズをとらない(とれない)派でしたが、昨年秋に数年前から登りたいと切望していた山域に立て、喜びのあまり無意識に決めポーズ(サムズアップ)が出てしまった。
今後も喜び表現の一つとして無意識にポーズが出るような山旅を重ねていきたい。
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