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ところがーー「なぜそこまで山に惹きつけられるのか?」というありふれた問いに明確な答えを見出せずにいた。
植物や動物に特別な関心があるわけでもない。
登っている最中は景色を楽しむ余裕もなく、「あとどれくらいで頂上か」ばかりを気にしている。
下りは温泉とご飯のことしか考えていない。
じゃあなぜ山に登るのか。
他に何か理由はあるのか。
そんな問いを、登るたびにぼんやりと考えている。
頂上で景色に感動することもある。
山では何を食べても美味しい。
けれど、それが「目的」と呼べるほどのものかというと、ちょっと違う気がする。
バイオフィリアという言葉がある。
人は生まれながらにして自然を愛するという意味である。
コンクリートに囲まれながら過ごすようになったのはごく最近のことで、我々の祖先の99%以上は自然とともに暮らしてきた。
人間の歴史からすると、自然とともにあるのが普通であり、我々のほうが異常なのだ。
20年前、初めて登山に触れた頃の自分はパチンコ屋と雀荘の往復だった。
そんな私にとって、山の雄大さは強烈だった。
あのときの感覚が、今もどこかに残っていて、私の足を山に向かせるのかもしれない。
とはいえ、それも決定打ではない。
自然を感じたいのであれば、近くの川や公園で事足りるのだから。
そんなモヤモヤを抱えならが登った先日の鎌ヶ岳〜水沢峠の周回コース。
登山復帰10回目だった。
回数を重ねるうちに、少しずつ足が動くようになった。
息も落ち着き、筋肉痛も和らいでいく。
ふと、余裕ができたときに見上げた景色が鮮やかに目に飛び込んできた。
ああ、これかもしれない。
たとえ亀のようなペースでも、たしかに自分の中で何かが変わっている。
着実に成長している。
その実感。
それこそが、自分を山へと向かわせる理由かもしれない。
いや、やっぱり断定はできない。
きっと理由なんて1つじゃない。
感動も、美味しさも、疲労感も、達成感も。
それら全部ひっくるめて「登山」なのだろう。
マロリーも言葉に詰まって「そこに山があるから」なんてこたえたのかもしれない。
しらんけど。
はじめまして。
ヤマレコで初めてコメントがついて感動しております!
本宮山は思っていたよりも厳しかったのと、ふもとの温泉施設が素晴らしかった記憶があります!
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