先日の穂高山行での心に残る出会い。
奥穂から涸沢への下り、ザイテンを下りきった少し先あたりで女性と出会いました。（15時半過ぎくらいだったかな？）
少し前から僕らの前方に見えていましたが、その時から明らかに膝をかばっていてペースが激遅でこのままでは日が暮れそう。
岩に腰かけて休んでいるところに追い付き、友人が声をかけるとご本人は「大丈夫、小屋すぐそこだしヘッデンもあるから先に行ってね」と。
装備もしっかりしてそうだし山歴も長そうなのでお一人でもきちんと降りられるだろうけど、相当辛そうな雰囲気で心配だったので無理言ってザックを預かり一緒に涸沢小屋まで降りることにしました。
普通なら20分もあれば着くであろう距離をゆっくりゆっくり下って17時頃に小屋に到着。
そして落ち着いたところで話を伺ってみると、
「今年2月に主人が亡くなったので弔い登山で奥穂に登りたかった」と。
さらに、驚くことにご年齢は80歳、穂高に来るのは20年振り。
それ以上は聞きませんでしたが、きっと穂高にご主人との大切な思い出がたくさん詰まっているのでしょう。
“80歳でソロで奥穂高、下り途中で足がガタガタでまともに歩けない”
無謀登山と批判されるであろう部分もあるとは思いますが、きっとおかあさんはどうしても登りたい強い想いがあったのでしょう。
そして、ちゃんと帰るための準備と覚悟もあったはず。
僕らと歩いている時は安心したのか、膝が辛そうなのに
「涸沢で満点の星空を見たいの〜」
「パノラマコースで雪渓を横切りたいから念のため軽アイゼンも持ってるの〜」
「涸沢小屋のソフトクリームが食べたくてね〜」
とワクワクした顔で嬉しそうに話していたおかあさん。
僕はおかあさんに出会えて嬉しかった。
少しだけど一緒に歩けて嬉しかった。
ご主人に対する想い、山に対する想い、いつまでもワクワクを持ち続ける若い気持ち。
それに少しでも力になれたというか共有できたというか分けてもらえたというか…。
夕食を一緒にと誘って頂きましたが遠慮してソフトクリームだけご馳走になりました。
とてもてとても美味しかった、ありがとうございました。
写真だけでも一緒に撮らせてもらえばよかったな。
辛気臭いですが、少し自分のことを。
僕の周りには山に登る人誰もいませんでした。
なのに4.5年前から突然山に興味を持ち始めたのはある一つの出会いから。
長い人生できっと誰にでもあるように、僕も生きる力を無くしかけていた時期があり、その時にある場所でふと出会った名も知らない山男の方から優しさと生きる力を貰ったのです。
その方とお話したのは1時間にも満たないほんの少しの時間ですが、僕にとっては一生忘れることのない有り難くとても大切な時間。
きっと今もその方はきっとでっかいザックを背負ってどこかの山に登っていると思います。
いつかどこかの山で会ってお礼を言いたい。
そして少しでもいいから一緒に山を歩きたい。
そんなバカみたいな想いを持って僕は山に登りはじめました。
でもまぁ今となってはその方とどうこうよりも、
ただ純粋に山の魅力にぐいぐい引き込まれていってるという感が強いですが。
なんにしても、山って本当に良いですね。
シンプルな自分になれる。
シンプルだけどとても大切なことを再確認できる。
そんなことを改めて思ってとても嬉しかった心に残る三日間の穂高山行でした。
忘れないようにどこかに記したくて。
ありがとうございます。
ちゃんちゃん。
sunnyさん、いいお話ありがとうございます！
ほんわか心があったかくなりました。
うん、山ってシンプルになれるよね。
私も昨日改めて思っていたこと。
80歳のおかあさんも、sunnyさんたちに
出会えて良かったと思ってるはず。
山男との出会いも、穂高での出会いも、それぞれいい出会いでしたね〜^^
山への想いも人それぞれ。登る理由も人それぞれ。
登り方も10人いれば10通り。
それでいいと思います。
山って、いいことも悪いこともシンプルにしてくれますよね。だからこそ、大切なこともわかりやすくなるんだと思います。
いい山行になりましたね！
はじめまして。
お邪魔します。
とっても心を打たれたお話でした。
小説の一説のようでした。
山は山だけじゃないんですよね。
出会いや出来事ぜんぶ含めて。。
素敵なお話ありがとうございました
sunnyblues さん
はじめまして。(^-^)/
何だかジンワリ泣けてきました。
人との触れ合いや有り難みを
感じられるような一期一会が、
不思議と山では多い気がします。
私は単独なので、尚更。
様々なしがらみや煩わしさから離れ
静かな山歩きをする度に
それらを感じる出来事が。。。f(^^;
きっとその女性も、同じように
素敵な山行を回想しているでしょうね。
(*^^*)
sunnybluesさん はじめまして churabanaと申します。
すてきなお話ありがとうございます。
いろんなことがありますが、山ではほんとシンプルになれますよね。
比良、金勝あたりでそのうちお出会いできるかもしれませんね。
皆さん、コメントありがとうございます。
拙い長文読んで下さってありがとうございます☆
「山っていいな」と思えたその先に、
山に登らせてくれる家族や周りの人達と
山に登れる自分の健康な身体に対して改めて感謝の気持ちが浮かび上がってきたりもしますよね。
あら、また辛気くさーい。笑
これからもたくさん山に登ってたくさんの人と出会って
たくさんの最高なヤホーをしていきたいですね。
どこかで出会えたらその時はよろしくお願いします！
こんにちは
素敵なエピソードに涙が出そうになりました
80歳で単独で奥穂・・・少々、無謀な印象も受けますが、それなりの装備もお持ちだったようですし、しっかりした計画と装備、それに気持ちでのぞまれていたのでしょうね
そんな方に自然に手を貸せるsunnybluesさんの暖かい心遣いにウルッと・・・（涙）
まだまだ初心者で人に手を貸せる気持ちの余裕がありませんが、そんな余裕が出来た時、きっと自分のスキルがワンランク上がっているのだと思います
これからも山に登り続けると思いますが、そんな気持ちの余裕が持てるようになりたいものです
air_4224さん
はじめまして！
手を貸すのはありがた迷惑かと思って躊躇しましたが、結果的に喜んでもらえたようでよかったです。
僕もまだまだ未熟な初心者なのて、今回は友人が主導で動いてくれての出来事でした。
スキルが上がって余裕ができてきたら、よりもっと人との出会いも素晴らしい景色も噛み締められるんでしょうね。
そうなれるようお互い安全に気を付けてこれからも楽しんでいきましょう☆
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