ずーッと昔の話。
中学生の社会学習でうちの職場へ研修生が３名やってきた。
１日うちで仕事をしていただくことになった。
私の母校の中学校で教頭先生が知り合いだったので引き受けた。
うちの仕事は職人的な仕事で肉体労働。
３ｋです。
やってきたのは若くてはつらつとしたメンバー。
アリ君は器用ではないが小柄で黙々と仕事をこなすタイプ。
キリギリス君は長身で明るく朗らかなタイプ。
そして、班長は女の子だが全体を見て弱い所をさりげなくフォローしてまとめ上げる才能を持った、長にふさわしい子だった。
教頭先生はうまく人選をしているなと感心した。
このメンバーで１日の仕事をまとめるのに一番大切なことは、キリギリス君をどのように使いこなすかだなと私は思った。
そして、班長をさりげなく観察していたのだが、やはりと思ったことが何度かあった。
キリギリス君はいろんなことをできる能力を持っているのだが、すぐ飽きてしまう。
そこがキリギリス君か。
で、ちょっと休憩。
一方、アリ君は黙々と仕事を続けている。
班長から休憩と言われるまで休まない。
班長はアリ君と一緒に仕事をしているが、キリギリス君に注意はしない。
２人とも汗を流しながら黙々と仕事を続けている。
そのうちにキリギリス君も仕事に加わってくる。仕事をしだすと馬力がある。今まで休んでいた分を十分補ってあまりが出るくらいだ。
班長も上機嫌で キリギリス君が来たら仕事が進むわー とか言ってる。
中学生なんだけど、それぞれの能力と個性を見極め、うまくバランスを取りながらまとめている。
悪い所を責めるよりも、良いものを引き出す。
中学生の女班長から教えていただきました。
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