仕事(会社)に関するあれこれの説明がちょっと煩わしく感じ「要するに会社の今後がちょっとやばそうで、リストラされそうな自分に不安を感じてる」っことね?
で、同僚の妻鹿さんに頼んで「バリ」に連れて行ってもらい・・・・反発しながらも刺激を受け、妻鹿さんの仕事ぶりを見て更に「バリ」に惹かれて自分もその世界に入っていく・・・・
妻鹿さんが使っていたのが「ヤマレコ」だった・・
私は妻鹿さんのような「バリ」をするわけではないけど、人のあまり歩いていないマイナールートをソロで行くことも好きなので、山を歩いているときの感じ方は共感するところも多かった。
特にコーヒーを飲むところなんかはきっと共感する人は多いのでは?と思う。
あの緊張感やそれを抜けた後の自然との一体感も。
ほかの人、特に山に登っている人たちは読んでみてどんなふうに感じたのかな?と思って、レビューも探して読んでみた。
そのときは「バリバリ山に行ってます」という人のレビューは見当たらず・・
レビューの中で「たまには子供の保育園の送迎くらいしろよ」っていうのがあり、それは読んでる間に自分が感じた違和感がまさにそれ!と思い、ちょっと笑いつつ「それそれ!」と思う。
(奥さんに文句言われる場面もあって、本人も葛藤してるようだけど、後半はその葛藤はどこいった?って感じ。)
子育てしながらの共働き。奥さんもきっと仕事や育児のことで悩むこともあるだろうに、主人公は自分の悩みで精いっぱい。
こんな風に休日バリに行けるのも奥さんがワンオペ状態で家事育児をしてるからじゃない?なんて、俗っぽいかもしれないけれど、思ってしまいました。
(まあ、そんなことを言っていると小説にならないんでしょうけど。だったらせめて、設定で奥さんの負担がもっと少ない状況にしてほしかったな・・。例えば、子供は大学に入学して、子育ては一段落したけど、教育費やらローンやら老後のことやらもあるからリストラされたらまずい・・・ならもっとすんなり読めたかも。そういえば、レビューはほとんど男性だったので女性のレビューも見てみたい)
色々疑問に思うこともあったので、もう一度読んでみた。
読み返してわかった、違和感の正体。
主人公の体験や思いはとても分かりやすくまとまっている、、でも実際、今どきのこの世代の男性ならもっと家事や育児もしていて、私の知っている男性ではそれまで自分のペースで山に行っていたのが、子供ができてからはなかなか山に行けない、行っても子連れ・・・という人も多く、こんな環境にいながら家族を置いてひとりでバリに行くようになった主人公はちょっと現実離れしているように思えてしまう・・・小説だからね。作者も男性だし。
波多さんに世の中の妻を代表して言いたい
「本物の危機は山じゃないですよ、家ですよ!生活ですよ、波多さんはそれから逃げているだけじゃないですか!」
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もともと山岳小説よりもノンフィクションやドキュメンタリー、エッセイのほうが好き。
自分としてはこの小説よりも「ヤマレコ」ユーザーさんたちのレコの中に透けて見える生活感、人生観や悩み、仕事との両立だったり、身体の不調や衰えなどなどもっと複雑で人間臭さのようなもののほうに魅力を感じるな、と思いました。
それがレコを読む楽しみの半分くらいを占めているかも。
この本を読んで一番実感したのが、それ。
レコの中に滲む、その人その人の山への向き合い方や思い、などなどが小説よりももっともっと魅力を感じる、と改めて感じたのでした。
私も『バリ山行』読んだんですが、実は全く入ってこなかった!(◎_◎;)
>波多くんに妻を代表して言いたい
>「本物の危機は山じゃないですよ、家ですよ!生活ですよ、波多くんはそれから逃げているだけじゃないですか!」
これか!『ミイラ取りがミイラになる』(笑)
コメントありがとうございます😊
女性の感想を聞きたかったのです。こんなふうに波多くんに対して「甘いぞ❗️」って感じるのっておかしいのか?と。
山行の描写は良かったんですけどね💦
私にとっては、「山岳小説」に分類されない小説でした。
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