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ネクタイ尾根のルートは、それほど難しくないだろうと、ろくに下調べもせずに登ることにしました。
不動尻の登山口から一般ルートを歩いて、唐沢峠に着きました。ここから石尊沢に下りて、ネクタイ尾根の取付き地点を探します。下調べが不十分だったせいか、どうしても取付き地点が分かりませんでした。
しばらく堰堤付近をウロウロしていましたが、あきらめるのは悔しいので、河原を上流に向かって歩いてみました。すると、尾根の末端らしきところがありました。
ひょっとすると、ここがネクタイ尾根の取付き地点かな?と半信半疑でしたが、あまり深く考えずに足を踏み入れてしまいました。
少し進むと、木にくつ下が括り付けられています。「あれ?ネクタイじゃないな。」と思いましたが、かまわず登っていきました。
しっかりした細尾根をゆっくりと進み、順調に高度を上げていきます。途中に広く開けた所があったので、休憩にしました。
ここであることに気がつきました。大山山頂の電波塔が、右方向に見えるのです。ネクタイ尾根は大山北尾根と合流するので、逆に左方向に見えなければなりません。よく見ると、もう一つの尾根が電波塔方向に伸びていました。
「あ〜畜生!やっぱり間違ってたか。」と少しばかり後悔しましたが、戻るわけにもいかず、上を目指して再び歩き始めました。
登れば登るほど、電波塔は右側に遠ざかっていきます。「しかたない、いずれどこかで一般ルートに合流するだろう。」と、あきらめました。
やがて予想通り、大山南側の見晴台からの登山道に合流しました。他の登山者が、へんなところから出てきた私を見て、不思議そうな顔をしていました。
このルートが「くつ下尾根」であることを、後日知りました。「そういえば、くつ下が一つあったな。最初からこのルートを歩くつもりだったと思えばいい。」と都合の良いことを考えました。
その2週間後、今度はヤビツ峠から大山に登り、唐沢峠まで歩いて石尊沢に下りました。この時は、正しい取付き地点から気持ち良くネクタイ尾根を歩くことができました。
これは2年くらい前の経験談です。私はこの時、山登りを始めた頃からほとんど進歩していないことに気づきました。こんなことではいずれ痛い目にあうことなるぞと、きつく自分を叱りました。
山に登るには、しっかりした計画と準備が必要ですね。それではまた。
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