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評価 ★★★★☆
・山本 正嘉 (著) 2,100円 単行本: 360ページ
出版社: 東京新聞出版局 (2000/06)

1.細部までもこだわりが感じられる
2.実験時の心情がひしひしと伝わってくる
3.わかったつもりで終わらない
4.高所登山・クライミングなど異次元の世界に興味がわく
5.子供の登山について取り上げている

1.高い
2.タイトルを見ただけで挫折しそう
★総評★
著者は以下3点にこだわって執筆にあたった。
1つめ.なぜそうした方がいいのか、実験データと照らし合わせながらその理由を詳しく解説。「こうすればよい」を謳うハウツー本とは一線を画す内容を目指した。
2つめ.これまでの研究から結果が予想できそうなことも再実験を試みた。各分野の第一線で活躍する人物のほかに著者自身が被験者となり、データの確実性と普遍性を追求した。
3つめ.運動生理学,健康科学,スポーツ医学,トレーニング科学への入門の足がかりとなるべく、専門用語をわかりやすく置き換え、難解なメカニズムを徹底的に噛み砕いた。
ん〜っグッジョブ!3つめのこだわりには特に拍手をおくりたい。なんでもこれを満たすため、執筆時間の大半をここに費やしたとか。なるほど堅苦しいタイトルとは裏腹にスイスイ読めたワケはココにあり。
中身は基礎編・発展編の2部から構成されている。
基礎編では健康、疲労のメカニズムを解析することから始まり、中高年・女性・子供が登山を安全に楽しむ方法、有効な体力トレーニング方法などが書かれている。
発展編ではクライミング技術、6000m以上をも対象とした高所登山が中心となる。もはや異次元の分野だ。しかし、この異次元から知識を拾えたのも、著者のこだわり3つめの効果だろう。
全編を通して印象深かったのは基本編 2章2節-下りで起こる疲労・・・筋細胞の損傷-。
山の下りは丁寧に歩け、とよく言われるが根拠までは理解できておらず「油断が生じやすいから」と精神論として解釈していた。
なんでも、下り運動後にはCPKなる物質の濃度が急増するらしい。これは筋肉の細胞が壊れた証(筋肉痛)で、登りではほとんど増えない。筋肉痛が下りで起こる症状だと初めて知った。
登りよりも下りのほうが難しいことをいくつかの実験で実証している。
下りを制するものは山歩きを制する、という言葉がアタマに浮かんだ。
下りの疲労を完全になくすことはできないが、大腿四頭筋を鍛えることで強い着地衝撃力に耐性をつけることは可能だ。2章2節の終わりに具体的なトレーニング方法が書かれているので、ニガテな下りを克服したい方に一読することをすすめる。
あーこれ 以前持っていましたが
実験データ例が
1:自分自身
2:ゼミの学生
だけなんで 正直どこまで信憑性があるのか
少なくとも統計的にはダメなデータ数で
不完全な疑念が払拭できずに古本屋に売りにいったら
「買取拒否」 うぉ
コメありがとうございます。前にザックのレビューにコメくれた方?
せっかくコメいただいたのに返信できず申し訳ありませんでした
それにしても買取拒否とはまたヒドイ。古本屋としてあるまじき行為だ。
1について。山岳部出のおじさんがどこまでやれるのよ?身近な存在として自分に置き換えやすく、ありがたい試みだと感じました。
2について。写真にはそれらしき人いますが、データどれでしょうか。
統計的にどうかは別として、個人的には著者の試みで信憑性は上がりました。このあたり求めているものの違いかもしれませんね。
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