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評価 ★★★★☆
・羽田 治 (著) 1,600円 単行本: 237ページ
出版社: 山と溪谷社 (2006/1/1)

1.経験のある「道迷い」がテーマで、身近に感じる
2.当時の遭難ルートを地形図に再現し、繰り返さぬようにと強く訴えかけている
3.インタビュー内容と、再現の描写がバランスよくまとまっている
4.表紙の写真が内容を見事に表現している
5.あとがきでとどめを刺す。捜索にかかる費用を掲載。

探したけど見つからない
★総評★
[遭難のしかた教えます]に続いて遭難系。報道沙汰のものを含め、7つの道迷い遭難を収録。ドキュメントと銘打っているものの、どうせウソっぽい美談が含まれているんだろうと、ひねくれた先入観のまま読み始めた。しかしいい意味で裏切られた。どれもドロ臭くて生々しい。幻覚や幻聴に襲われて、精神的にも肉体的にも追い込まれる状況は、読んでいるだけでも息が詰まる。軽率な行動から始まり、思い込みと過信からズルズルと深みにはまる様子はとても他人事とは思えない。遭難するのは簡単だが生還するのは困難であることを、改めて思い知った。"迷ったときには絶対に沢を下るな" "おかしいと思ったら引き返せ"どちらも山の鉄則で、前者は本著で初めて学んだ。
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