[とりかへばや物語]に戻りました。
内侍は〔長き御髪(みぐし)を押し切りて、例の髻(もとどり)にとりなし給ふほど・・・
烏帽子うちし給ひて、狩衣・指貫奉りたる。・・・
ありつき、ただ失せ給ひにし右大将に、一つ違う所なく〕
[内侍]は、「失踪した[右大将]を探します」と、髪を切り、男の装束を身につけると、右大将にそっくりでした。
*ありつき=[ありつきがほ]の略⇒物慣れた様子
[右大将]は妊娠し、宇治に隠れて、髪を垂らし、歯を染めて女姿に戻りました。
[内侍]も、東宮の一宮姫の話相手になっていましたが、その一宮に子を宿らせていました。
[96/東宮との別れ]
内侍〈あはれとも 君しのばめや 常ならず 憂き世の中に あらずなりなば〉
(この世からいなくなったら、あわれと思って下さいますか)
東宮〈君だにも あらずなりなば 世の中に とどまるまじき わが身とを知れ〉
(せめてあなただけでも生きていてくださらなかったら、この世に生きていられません)
(ここに来て話は大きく動き出し、歯を染める殿、髪を切る姫)居彷人
【写真】柿の木越しに今朝の空
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