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少し戻って、162番目の説話より
巻十三(二)元輔落馬の事
📖〔いまはむかし、哥よみの元輔、くらのすけになりて
・・・・
馬をいたくあふりければ、馬くるひて落ちぬ。
年老いたるものの頭ににさかさまにておちぬ。
・・・・
いととくおきぬれば、冠ぬげにけり。
本鳥(もとどり)つゆなし。
ただほとぎをかづきたるやうになん有りける。〕
*[哥よみの元輔]=歌人清原元輔/清少納言の父
*[くらのすけ]=内蔵助/中務省内蔵助寮の次官
*[本鳥つゆなし]=髻が少しもない
*[ほとぎ]=土器の瓶/禿頭の形容
本来、髪をかんむりの巾子(こじ)の中に搔き入れて、それによって落ちないよう留められるようです。
以前、春日大社の式典のビデオを観ていて、なんか変だなと思ったのは、髪型が現代人なので冠を被った姿に違和感があったのでした。
長い髪を始末するための冠の役割であり形だったんですね。
式典では、跳んだりすることもないでしょうから落ちることもないでしょう。
(冠もその形にはそれなりの長い髪持つその時代ゆえ)居彷人
【写真】は小倉山から京都遠望
枕草子「春はあけぼの」の、清少納言の見た「やまぎわ」はこの風景だったのかと。
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