【私が属するホモ・サピエンスという種は、進化の過程で脳の前頭葉(思考や感情に関する部位)を肥大させ、文化をつくり、社会システムという見えないシェルターの中で生活するようになった。その社会システムは自然環境から自分たちの生活をどんどん切り離し、食べ物を自分たちで作りだし、できるだけ不確定要素を排除して、すべてのことを自分たちの管理下に収めようとしているようにも見える。
現代の農業や畜産はお金を稼ぐための手段になっている。ビジネスとしておこなうため、作物や家畜は商品として計画通りに作り出し、効率よく出荷しなければならない。生産安定のために、肥料や農薬などさまざまな化学物質が投入される。また電力や大型機械がなければ、育てられない作物や家畜も多い。それは作物や家畜の一部が石油エネルギーによってできあがっている、ということでもある。
都市文明は生態系からどんどん遠のいているのである。】
『お金に頼らず生きたい君へ』服部文祥著(河出書房新社)
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