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印象に残った所では、9合目付近の大岩の上に鉄剣が刺さった甲斐駒や、山頂に神社がある御嶽、白山、月山などなど。
修験道そのものの精神は良くわからず、自分の勝手なイメージではサドマゾ系の厳しい鍛錬をすれば何らかの悟りに到達できる(はず)という考えの下に行われた宗教なのかな?と山登りしながら薄っすら考えていました。
自分もどちらかと言うとサドマゾ系なので何となくは共感できるのですが・・所詮大変な修行したからと言って、自己満足なんじゃないの?(自分がそうなので)という考えでした。
その点について、最近自分なりに明確な答えが出たと言うか、修験道の真髄と思えるものを知る機会を得ましたので紹介します。
表題の「大峯千日回峰行」とは簡単に言うと、修験道の総本山である奈良県吉野町の金峯山寺に伝わる荒行です。(比叡山にも回峰行がありそちらの方が有名なようですが)
グリーンシーズン(5月上旬〜9月下旬)まで吉野の金峯山寺(360m)から山上ヶ岳(1700m)までの往復48kmを毎日16時間、9年間かけて千回往復する行です。
行の間は、常に短刀と縄を持って行くそうです。
何に使うかと言うと、行を続けられない状況に陥った場合、短刀で腹を切るか縄で首をくくって死ぬためだそうです。
体調不良も悪天候も関係なく続けなくてはいけません。
撤退、断念はすなわち「死」です。
達成した方は1300年間の歴史の中でたった2人だそうです。
その2人目の方が現代にまだ存命、と言うか私と同年代の中年男性です。
塩沼亮潤さんと言う方で、書籍を何冊か出版されていて、私はそのうちの3冊を読んですっかり心酔してしまいました。
今回はその3冊を紹介します。
修行の内容を知るに・・すさまじい、壮絶な内容であり、本当に尊敬します。
逆に48kmを毎日歩く事に比べればたいていの山行は楽であり、大した事ないなと、いつも励みにしています。
そして塩沼さんの謙虚な人柄も尊敬しており、久々に「本物」に出会えた気がしています。
9月の三連休は百名山ゲットのために奈良へ行きましたが、最初の2日間はさっさと登山を済ませ、3日目の最終日は時間の許す限り金峯山寺と大峯回峰行のコースを歩いてきました。
(できれば回峰行ルートを全て歩きたかったのですが・・)
序盤は舗装路ですがそれでも急斜面もありけっこう厳しい道でした。
『大峯千日回峰行』
http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E5%B3%AF%E5%8D%83%E6%97%A5%E5%9B%9E%E5%B3%B0%E8%A1%8C-%E4%BF%AE%E9%A8%93%E9%81%93%E3%81%AE%E8%8D%92%E8%A1%8C-%E5%A1%A9%E6%B2%BC%E4%BA%AE%E6%BD%A4/dp/4393135407
塩沼さんと先輩僧侶との対談方式で回峰行を語っており、行についての内容を知る事ができます。
どこか知らないお寺のお坊さんが人の道を説いていたとします。
でもたいていはどこかで聞いたことがあるような、綺麗事にしか聞こえないんですよね。
誰にも真似できないような厳しい修行を経て、人々の尊敬を集める事ができる人の語る言葉には重みがあります。
宗教としての修験道のポイントはそこなのかな?と思いました。
『人生生涯小僧のこころ』
http://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E7%94%9F%E7%94%9F%E6%B6%AF%E5%B0%8F%E5%83%A7%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%93%E3%82%8D-%E5%A1%A9%E6%B2%BC-%E4%BA%AE%E6%BD%A4/dp/4884748034
題名は、塩沼さんが千日の満行目前の999日目の夜にしたためた言葉です。
「初心忘れるべからず」、「実るほど頭を垂れる稲穂かな 」という言葉を思い出します。
千日回峰行について詳しく書かれています。
また、9日間の四無行(飲まず、食わず、眠らず、横にならず)についても書かれています。
『人生の歩き方 』
http://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E7%94%9F%E3%81%AE%E6%AD%A9%E3%81%8D%E6%96%B9-%E5%A1%A9%E6%B2%BC-%E4%BA%AE%E6%BD%A4/dp/4884748573/ref=pd_bxgy_b_img_y
では具体的に我々はどう生きればいいか?という具体例が書かれたヒント集です。
毎日でも読みたい本です。
山好きな皆さんは共感する方が多いんじゃないかな?と思います。
Amazon中古本を買えば安いのでおススメです。(Amazonの営業ではありませんが・・)
定価でも安いと思える内容です。
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