春山(残雪期の山）登山のすすめ

　私の登山スタイルは、あくまでも「夏山縦走」です。１、２月頃に東京近郊の山に出かけると、雪景色の中の歩行となりますが、これも夏山縦走の一部と考えられます。一方で、ヤブ山（登山道のない山）の攻略法としての春山登山があります。残雪期ということで、美しい雪山を特別な技術なしで、比較的に安全に体験できるのが最大の魅力です。私がこれまでに登った主な「春山」は、以下の通りです。

　◇大佐飛山；おおさびさん／1908ｍ／栃木県　　Ｈ.22−5/2〜3
　◇野伏ヶ岳；のぶせがたけ／1674ｍ／岐阜県　　Ｈ.23−4/14
　◇猿ヶ馬場山；さるがばばやま／1875ｍ／岐阜県Ｈ.24−4/28
　◇会津駒ヶ岳；滝沢コース／2133ｍ／福島県　　Ｈ.27−5/22
　◇山毛欅沢山；ぶなざわやま／1523ｍ／福島県　Ｈ.28−4/20他
　◇桑ノ木山；くわのきやま／1495ｍ／新潟県　　Ｈ.30−4/28

　会津駒以外は登山道のないヤブ山です。すべての山で雪山の美しさに感動しました。登山に際しては、冬山のような特別な技術や重装備は不要ですが、いくつかの注意点があります。
　まず第一に、天気予報が重要です。移動性高気圧に被われる、安定した好天日に登るのが絶対条件です。装備としては、アイゼン(私は６本爪を使用）、雪山用ストック、サングラスは必要です。歩行時間には余裕を持ちたいです。安全登山に関して、天気・時間・コンディション等を考慮し、絶対に無理をせずに、勇気ある撤退も必要かと思われます。ヤマレコにも多くの登山記録が載せられているので、参考になると思います。ある程度、山慣れた人が対象です。

　おすすめは、「桑ノ木山」です。５月のＧＷ前後辺りが適期です。三国川（さぐりがわ）ダムで車中泊し、当日早朝の出発となります。この先、車は通行止のため登山口の十字峡の先まで、１時間ほど歩かされます。まずは長く急な階段をいっきに登り、その先は夏道の急登が断続的に続きます。岩場の通過、キレット状の尾根など注意が必要です。
　後半は雪道となり、樹林帯から解放されます。ここからがハイライト。青空と白一色の世界となり、正面に桑ノ木山の穏やかなピークを仰ぎます。頂上は平らな雪原です。ここまで特に難しい所はありませんが、めったに人に会うこともありません。越後三山の眺めが最高です。

写真１：桑ノ木山を仰ぐ
写真２：会津駒頂上直下
写真３：野伏ヶ岳