ＧＷの連休を利用して家族（大人２子供２）で奥秩父・甲武信岳に登った時のことです。西沢渓谷から「徳ちゃん新道」を歩いて往復、２泊３日の行程でした。幕営ベースは西沢渓谷の入り口から東沢に入り少し河原を歩いたところです。平らなところもゴロゴロの石だらけの河原は避け、水の調達には少し離れているが、盛り土したような３ｍくらい高い台形状になった場所にテントを張りました。山の中の河原にしては人工的な台地で不自然と思いつつ、何かの工事で関係者が土砂を持ったのだろうと思いました。しかし重機の侵入路が見当たらないのが不思議な台地でした。子供が楽しみにしていた釣りの真似事をしたりして、その日は翌日の登山に備え早めに就寝しました。
翌日は甲武信岳を往復して、また東沢に張ったテントで泊まりました。その夜のことです。夜の８時を過ぎた頃から、遠くからチリーンチリーンと鈴のような音が聞こえてきます。そして、だんだんと聞こえる音が大きくなるとともに、こちらに近づいてきました。テントの入り口まで来たと思った瞬間、ピタリと音が止まりました。しばしの無音の後、チリーンチリーンとまた始まり、今度はだんだんと音源が離れていくように小さな音になっていきました。そしてまた、遠くからチリーンチリーンと近づいてきました。私は寝ている妻に「聞こえるか？」と言うと、妻もじっと聞いていて「聞こえる」と言います。私だけでなく２人が確認している音でした。テントの前まで来ると何か探している様子で鈴の音は止まり、探しているものが無いかのように、鈴の音が遠くに離れていきました。時には、テントの前を通り過ぎ、東沢の上流の方へ行ったようでしたが、また戻ってきました。その繰り返しが続きましたが、トイレにも行きたくなり意を決してテントの外に出ましたが、闇夜があるだけで魔物はいませんでした。一段落していると、またしてもチリーンチリーンと鈴の音がテント前にきて、また遠ざかることが繰り返され朝５時ごろでしょうか、薄っすら明るくなって、ようやく音が止みました。テントの周辺を確認しましたが、音源になるような物などありませんでした。また谷風の影響かなとも思いましたが、テントが音源の川上側（上流側）にあるので音が風に逆らって近づいて来るはずはないし、周辺には金属製の物は無いのでチリーンという金属音はしないはずでした。子供たちは何も知らないで朝を迎えましたので、親として安堵しました。帰りに西沢渓谷から東沢に入るところで、「立入禁止」の看板を見て、何かあった場所なのかなと嫌な気持ちがしました。
それから、何年も経ってから、仕事場で若い素敵な女性が隣に座ることになりました。とても活発で明るく、可愛く、よく気がつき、人に優しい、名前を出して宣伝してあげたいような女性でしたけど、山の怪の話をしたら「ホワイトセージを燃やすとよいですよ」と言って、自宅から少し持ってきてくれました。彼女は神道（神社）系の家系で、彼女も少し霊感があるとのことでした。それから、山に行く時は、乾燥したホワイトセージを必携するようになりました。しかし時の経過とともに、一度購入したセージが無くなってから、それも面倒になり、今では心霊には気合で対抗し般若心経を唱え、お話でも伺って臨機応変に対応しようかなと思っています。
yasuji-さん、こんにちは。
幕営していて鈴の音がしたという話は聞いたことがあります（私自身は経験ありません）。なんだか村上春樹の「騎士団長殺し」のエピソードみたい。一人じゃなくてよかったですね！
はじめまして parsleycandyさん
コメントありがとうございます
一人で遭遇したら、トイレに行きたくてもテントの外に出られなかったかもしれません チリーンチリーンが人の歩行で揺れるような感じと間隔だったので非常に怖かったです
村上春樹は好きな作家ですが、「騎士団長殺し」も興味がありますが、ページ数が多いので、なかなか手に取れません
yasuji-さん、こんばんは。
私も何回か不可解な体験をしたことがあります。
幻視・幻聴を感じやすい体質？なので、声や姿がはっきりしている場合が多いです。
夜間恐怖系では、yasuji-様が前回の日記に書かれた廃屋の一夜と似た経験があります。40年前のこと。誰もいない夜の廃屋で、男性の「水が増えちょったきチンドウィン川をよう渡らんかった」というつぶやきが聞こえてきました。（『増水していたためチンドウィン川を（渡りたくても）渡河することができなかった』という意味の高知方言。太平洋戦争中にミャンマーを敗走する旧軍兵士が雨期で増水した大河を見たときの絶望を伝えていたのだと理解しました。）
昼間不思議系では、20ｍ程先にある遭難碑の前で寂しげに立つ男性が見えたものの、近づくと誰もいなかったことがありました。遭難碑が荒れていたので関係先に連絡したところ、翌年には丁寧に修復されていました。
最近では、3段以上ある滝のような沢を2段転落した時に、下方の岩上に自分の死体のような物を一瞬間だけ見たことがあります。（見たのは自分のヘルメットや着衣、ザックで、見たときには激流で装備等を全て剥ぎ取られたと思いました。安全な所に待避して何一つ失っていないことが分かってから、死体を見たと感じました。）
このような現象は心理学者や医学者がそれなりの科学的な説明をするし、それはそのとおりだろうと思います。
しかし一方では、不思議な出来事はそのまま受け入れて聞いた声や見た姿に自分なりの意味づけをすることも、登山を味わい深く安全なものにする上で大切だと考えています。
irazuyamaさん こんばんは
コメントありがとうございます
戦死者の霊が話すなんて凄い体験は私にはありません 昼間には見たことなどありませんし、いろいろなご経験があるので、irazuyamaさんは霊感が強いのではありませんか？
エンジニアの端くれだったので、100％正しく完全なことなど無いと思ってましたし、その方がよい結果を生むという姿勢でした また量子力学でもって色即是空の世界を証明できそうですし、心霊現象をテレビなどで面白おかしく科学的な説明をして100％錯覚と決めつけるのは科学的態度でもないように思います
確かに今でも山行を思い出すのは、恐怖体験や心霊現象が味わい深くしてくれているのかもしれません
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