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戦前の杉並は本当に田園で、詩文に描かれた景観が具体的なイメージとなった気がした。また、写真そのものも記録の域に止まらないセンスが感じられ、もっと評価されてもよいように思えた。尾崎についての紹介は概括的だったので、山に関するものは多くはなかったが、河田�呂箒�田孫一とのツーショットや初版本なども並べられ、他には詳細な自然観察簿や、ロマン・ロラン直筆の書簡、ヘッセのサイン入りポートレートなどが見ものだった。
展示写真にも写っているご息女の栄子さん（故人）を富士見でお見掛けしてから（日記�癸供法△發�十年近くも経っていることに驚くが、尾崎を知る人も次第にいなくなってゆき、忘れ去られていくのはいささか惜しい。文学や自然科学を通した山との関わり方とともに継承していきたいものだ。
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