メモ
【南ア】本谷山(2658ｍ)小黒山(2421ｍ)樺山(2285ｍ)入山(2186ｍ)笹山(2121ｍ)
【データ】 ��12.8ｋｍ(沿面距離13.5ｋｍ)／12'27 �▲如璽燭覆�しました
【日 時】 平成24年10月6日（土）〜7日（日）
【同行者】 単独
【天 候】 曇り〜雨〜曇り
【ルート】
�。�(5:40)〜笹山(5:56)〜入山(7:36/43)〜樺山(9:45/10:00)〜小黒山(11:33/54)〜幕営地(12:07/29)〜本谷山(15:05/25)〜幕営地(18:00)
�∨覬鎮�(6:59)〜小黒山(7:09)〜樺山(8:42/9:15)〜入山(10:44/11:04)〜笹山(12:19)〜Ｐ(12:34)
本谷山と樺山をカバーするルートを３本引いてみる。最後まで迷った三伏峠を経て塩川小屋へと下るコースも、車の回収を考えると候補から落ちる。前回と異なるバリエーションにも心引かれるが、ここは無難に、２週前の下見を活かせるライン取りでいこう。
挨拶代わりに笹山を踏んで入山を目指す。ここまでは楽ちん。これは楽勝ムードかと言えば、とんでもない。背中の荷物が重い。テント装備やら５リットルの水やらが、肩に食い込む。
笹尾根の向こうの入山や樺山が私に微笑みかける。奥座敷に塩見岳がうっすら青く佇んでいる。ファイトが湧いてくる。私はリベンジ山行特有の期待と緊張との奇妙なブレンド感が好きだ。
朝露に足元はびっしょり。白峰三山の応援を受けながら最後の登りをこなして入山へ。三角点にタッチ。
ひと息ついて東の稜線に踏み出す。先は長い。前回、引き返した地点を越えると、稜線上がヤブっぽくなる。それをうまく交わして稜線直下に逃げる。
細かなアップダウンが多い。染まり始めの紅葉が息を飲む美しさ。こういうのを見ると、なぜ、自分が山に登るのかの答えを見つけた気になる。樺山の右手に小黒山が見えている。
岩のギャップを左から越え、右にナギ落ちた崩壊地を通過。尾根上の起伏を丁寧に辿っていく。朽ちゆく区画班界や、錆びたプレート、苔に被われた石標があったりで、人がこの山域を管理しようとした跡が目に入る。岩塊の基部を回り、岩溝を登り、前進。
深い森を歩いて、高度をあげると樺山の山頂。ここは山頂台地の東寄りに例のプレートがある。それにしても時間がかかるなあ。本谷山までのルートを考えると、真剣にデポする適地を考えないとね。
樺山から小黒山までのコースは、一旦2160mの鞍部まで下ってから再び登り返す素直な地形だ。でも、倒木をくぐり、針葉樹の灌木を抜けてルートを探す労力はそれなりだ。小黒山の山頂はシダとシラビソの中にあった。白骨化してへし折れた木が突っ立っている。
気分的には早く荷物をデポしたい。けれども、ここはどう見ても幕営地には不適だ。やむなく下りかける。すると、山頂南東直下2380ｍの鞍部に、ソロテントを張れそうな適地を発見した。傍らに色づいたナナカマドの大木がある。おまけに携帯の圏内だ！これは、今夜の宿に、ぴったりだ。
荷物を整理してアタックに必要なものをザックに詰める。これで肩に食い込むザックとはサヨナラだ！と言いたいけど、この先のルートは、ネット上にはゼロだった。しっかりベーシックを詰め込むと、それなりの重量に化けた。
さあ、いくぞ！しかし、小黒山の南東ピークから西にそびえる2360ｍピークまでがやっかいだった。倒木帯と密生したシラビソの幼樹の嵐。何度か方向を失いかける。
それでも、2360ｍピークを越えると、地形読みも楽になった。アップダウンを繰り返しながらようやく最終鞍部へ。
ここからターゲットの本谷山までは標高差300ｍ。単純な登りというわけにもいかず、二重山稜が連続する。どこを歩けば効率的な歩きが出来るか気を遣う。果たして無事に稜線まで詰めあげられるのか。
何ヶ所かヌタ場を見ながら最後の急登にかかる。シャクナゲを避けて歩くうち、草もみじの草つきに突っ込む。ここの二重山稜は、本峰に近い尾根筋を選択。
けれど、行く手を阻むハイマツ帯が通せんぼ。ヤツらにローアングルから攻め入るのは「地獄の沙汰」だ。やむなく時計廻りに回り込む。ヤブはない。やった！すぐに稜線だった。
ちょうど、登山者が姿を現われた。これから三伏峠のテン場を目指すらしい。彼がその場を去り、改めてまわりを見渡してみる。錦繍の山肌にまとわりつくガスの流れが塩見岳を覆い隠している。ここは、お得意の(？)想像力で、見えない部分を補うしかないね。
本谷山三角点に移動する。男女のカップルが塩見小屋を目指して歩いてきた。あいさつ交わしてから、腰を上げる。そして、幕営予定地をめざして下山にかかる。途中、集中力を欠いて、何度もルートアウト。登りと違って、下山は難しいね。どうにかデポ地点に到着。
さっそくテントの設営に入って食事の準備。少量の白ワインにほろ酔いの夕べ。ほんわか気分で眠りについた。ところがだ。夜半の雨がテントを叩いた。出がけの天気予測では、気圧の谷が通過するなんて聞いてなかったのに。
降り止まぬ雨と横なぐりの風。外気温が一桁の、この季節に聞く雨風の音。ちょっとなえる。しかも、今回のテントはベンチレータ開きっぱなしの一枚物のシェル構造。なので、開口部から霧雨が、止むことなくテント内に降り込んだ。ひたすら耐える時間は長かった。でも、夜が明ける頃になって、ようやく雨はおさまった。
テントをたたんで出発準備にかかる。来た道を、忠実に戻り返す。針葉樹をくぐると、コメツガの葉っぱが首から侵入してちくちくする。ワイルドや山行では、こんな余興も、楽しく思える。
朽ち木に育った淡い色合いのキノコがしっとりつややか。サルオガセについた水滴が真珠と輝く。ガスの間に間に覗く山々が、まるで浮島だ。
照っても降っても美しい。雨がもたらしてくれた自然の叙情に思わず息をのむ。
やはり普通の人では本谷まで繋げるのは難しいのだな、と良くわかりました💦
あと水場のないのがやはりネックですね、5リットルの水、とてもじゃないけど担げないです(^^;)
未だに記録が少ないこのルート、繋がっているとわかっていても容易に繋げられない道、思いを馳せるだけでもドキドキワクワクしますね。fura_riさんのメモ、本当にステキです。朝から何回も読み返してしまいました（＾＾）また楽しい記録やメモ、楽しみにしています。
お誉めのコメント、恐れ入ります。
tamさんの山行記録を見せて頂くと、むせかえるような(^_^)山への愛情と情熱いっぱいです。
これからも、素敵なレポート楽しみにしています！
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