現行犯逮捕

2015年08月04日 23:13未分類全体に公開

「現行犯逮捕」　を目撃したのではなく
「現行犯逮捕」　されそうになった話です。私が。

勿論、悪いことをしたわけではないです。
ただ、どう考えても状況的にアウトでした。
結果的に現行犯逮捕されずに済んで、命拾いしました。
人生、何があるか分からないです。　
一瞬、子供たちのこれからの生活や仕事のことや
いろんなことを考えました。
日常、油断大敵です。

近場のお山に行った後、汗を流すため登山口の入浴施設に行きました。
駐車場にパトカーが２台止まっていました。我関せず受付へ。
一刻も早く、汗ビショビショの体を洗い流したいのに、受付がいない。
「お願いしまーす。すいませーん。」と言っても出てくる気配なし。
数分後、警察官と一緒に係りの人が受付に戻ってきました。
この入浴施設で何かあったようでした。
酔っ払いのケンカとかかなとその時は思いました。
とりあえず、戻ってきた受付の人に、お金を払って、
カギをもらって、靴を入れて一刻も早く風呂に入ろうとしました。
その間、警察官Aがじっと私を見てるんです。
汗ビショビショ状態がよっぽど怪しく見えたのかな。
たしかに怪しいが。

え、おれ犯人じゃないし。今、ここに来たばかりでしょ。
おれが来る前に事件？はおこったわけでしょ。おれ関係ないじゃん。
あーそうか、そうか
犯人は犯行現場にすぐ戻ってくる的な観点でおれを見てるってことね。
ははーん。そうか、そうか。そんな目で見てるんだね。
でも俺は、汗ビショビショじゃん。格好からして山に行ってきたわけですよ。
ほ～ら、靴下だって、土で若干汚れてますよーだ。
太ももの、ほら内側、アブに刺されて、ちょっと赤くなってるじゃん。
こんな犯人いないじゃん！

お金を出して、お釣りとカギもらって、靴を片付ける一連の所作を
警察官Aは鋭くない目線を装って、鋭い眼光で目付けする感じ、
嫌だわーと思いつつ悪いことしてないんだから、こっちも自然でいていいのに
自然を意識して装わなければならなくなってしまう状況に陥るのはなぜ。
平静さを装って、いつもここに来ている常連ですよオーラを全開にして、
いつもの暖簾をくぐって、脱衣へ。
そう、いつものと男風呂と思っていた暖簾へ･･･。

ささっと脱いで（裸になってはいない）、風呂に入ろうとしたところ、
げげっ、女性のお年を重ねた方が脱衣にいらっしゃる。明らかに女性！
えーーー、何この人、何で男風呂入ってんの！
ぼけていらっしゃるのかな。ここ男風呂ですよ。と声をかけようとしたら、
違うロッカーの前に、もう一人女性が。
えーーー、この人も何で男風呂に。
目視できただけで数人の女性が男風呂の脱衣にいる。明らかにおかしい。
いや、皆さんの冷たい視線からしておかしいのはおれか。
振り返り暖簾をみたら、紺だと思っていた暖簾がなぜかピ、ン、ク。
ど真ん中に　「　女　」　の文字。
ここはいつも男風呂なのに、今日だけ女風呂？
ひょえ～～～　ここは（今は）女風呂なのか。
すいません、と小声で脱衣をでると、そこにはさっきの警察官Aが。
さっきと変わらない目つきでこっちを見ている。
周りのお客さんが、女風呂の入り口からでてくる私を見てざわついている。
うわ、意図的じゃないのに、状況的にのぞき現行犯逮ホ・・・

幸運にも、受付のおじさんが私のことを覚えていてくれて、
「この人は、いつも山に行ってからくる人なんですよ、ははは」
と笑いながらフォローしてくれたから助かったけれど
警察官は半信半疑のようでした。
近くにいたお客さんに男風呂はこっちだよと促されて、そそくさと男風呂へ。

男風呂の脱衣に行くと、警察官BCD３人と、鑑識Eが
ロッカーの鍵周りの指紋を採取してる真っ最中でした。
こう言っちゃ何ですが、田舎の入浴施設で盗難があっても、
ちゃんと鑑識の人やら何人も警察官が来て物々しくなるものなのですね。
昔からここに来てるけど、男風呂、女風呂を入れ替えていたっけ？
おれが行く日にたまたまいつも男風呂だったのか。
それとも男風呂、女風呂交換を最近始めたのか知る由もなし。

湯船につかり、露天風呂で夕暮れ時の角田山を愛でながら、夏の疲れを癒しました。
夜の７時をゆうに過ぎているというのにはっきりと見える角田山の稜線。
遠くから伝わる花火の響き。
目を閉じても、瞼越しに届く、ピカッとひかる閃光。
こんなに遠くから聞こえる花火なのに、どうしてこんなに閃光が強いの？
目を開けると、その閃光は、脱衣で写真を撮る鑑識のフラッシュでした。
あ～あ。興ざめ。
人すくない、ここのお風呂に来たというのに。
３０分くらい入って、脱衣に戻ると
まだ警察官BCDと鑑識Eがわちゃわちゃしていました。
黒い固形状の液体と、白い固形状の液体を並べて、指紋をとるのでしょうか。
まるで、白髪染めのようです。（使ったことはありません）
へえー、こんな風にするんですねとまじまじ見ると
宜しくないと思って、見ないようにしました。

脱衣を出ると、受付ロビーには、まだ警察官Aがいるではありませんか。
げっ。
驚きを飲み込んだのに、付近にいた（ババ○が）
おば様が、警察官Aに向かって小声で　　この人です　　と言う。

え----！！！！！！！！！！！！！！！
おめさんなんて見てないし、見たくもないし！
受付の人が再び、
「この人は、いつも山に行ってからくる人なんですよ、ははは」のフォロー。
私も笑って、すみませんで通す。
警察官Aは変わらぬ表情で、私が帰るまでずっとこちらを見ていたようでした。
あの時、警察官Aが現行犯逮捕で捕まえようと思えば捕まったのかな。
別件（盗難）でそこにきた案件だから、面倒くさくて、見逃したのかな。

見たくもないものを見たことになって現行犯逮捕で
職を失う、家庭を失う、信頼を失うかもしれない状況。
こういう状況は日常に潜んでいるのかもしれません。
家に帰るまで、警察官Aにずっとつけられいるようで、怖かったです。

くれぐれも、男風呂、女風呂の暖簾はちゃんとご確認くださいね