![]() |
熊に関する本、その1。
「人を襲うクマ」
本好きの方の日記に紹介されていた本。著者が前回紹介した「山岳遭難の傷痕」の羽根田治さんだったこともあり、早速図書館で借りてきた。事前に「強烈」との情報をいただいていたので、心して読み進めた。
内容は、1970年、北海道での大学生パーティとヒグマの事故/秩父の猟師のインタビュー/6つの近年の事故/専門家による解説/の4章で構成されている。
近年の事故を扱った第3章は、当事者への詳細な取材がなされており、なかなかヘヴィだった。熊による攻撃は頭部を狙うことが多いらしく、顔付近に重大なダメージを受ける事が少なくないという。大きな後遺症が残り登山を続けられなくなった人、復帰はしたものの事故のあった山には行けない人。そして、まさに自分が入っている山域で数年前に起こった事故のレポート。
通常の遭難と違うのは、意思をもって攻撃されること。様々なシチュエーションで事故は起こっており、最終的には運に左右されるところが大きいという。
前半で色々削がれてしまうが、4章の「クマの生態と遭遇時の対処法」が非常に分かりやすくまとめられており、気持ちを立て直すことができた。以下引用。
「人身事故を防ぐもっとも重要なポイントは、いかにクマに遭わないように工夫を重ねるかである。遭ってからの人の行動に正解を求めることは難しく、そもそもそのような状況で冷静に行動できる人はほとんどいないと考えることが大事である。」
様々な要因で、クマとの遭遇が増えてきた感のある昨今、読んでおいてもいい本だと思う。
私自身はずいぶん前に50m以上離れた位置で小グマとおぼしきものを見た事はあるが、接近遭遇の経験はない。もし、そんな事が起こったなら、ムツゴロウさんかナウシカが憑依してくれないかと常々思っている。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する