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注意書きのところに「絶版もしくは入手困難」とあったので見つからないかなぁ、と思いつつ図書館蔵書をインターネット検索したところ、最寄りの図書館に在庫あり、との結果が・・・。意外と簡単に手にすることができました。
著者は「タブー視される遭難の最大の要因は責任逃れの態度だ」と明言しています。
「遺族の心情を考えろ」ということに主眼をおくと責任者の結果責任も当事者の自己責任も問われないということになるだろうと・・・。
多くの遭難本は「道迷いが原因」とまでは分かっても「なぜ道迷いが生じたか」「どこに道迷いの責任があるのか」を明確にした本は少なかったように思いますのでこの著者が言っている事にも一理あります。
ただ「原因はあなたのこの行動だ」「周りの環境だ」と明確にしたところでその類の判断ミスは起こりうるし、ヒューマンエラーを100%なくすことは不可能でしょう。
個人的な意見として全く人の感情が入らない、エラーが全く起こりえない登山なんて魅力半減だと思います。リスクは低くできるけど0には出来ないでしょう。それをほじくって「これが問題」と指摘され矢面に立たされるなら登山なんてできないと思います。多くの登山者はきっとわずかにでも生じてしまうリスクを体力だったり、経験だったり、または「運」もあって埋めているのが現実だと思います。
登山ではよく「経験不足」という言葉が使われますが、それを言い出したら人間、自然界に対しては「常に経験不足」でしょう。初めて山に登った人が翌月にチョモランマを計画していたらそれは経験不足として皆が止めるでしょうけど、同じ状況でその人が雲取山に行く、と言ったら止める人がどのくらいいるんでしょうか?それだって遭難したら「経験不足」で済ませられますよきっと。で場合によっては止めなかった人も「判断ミス」って言われかねない・・・、著者はそういうところを、重箱の隅をつついている気もします。
この本には賛否両論あると言います。
読まれる方がそれぞれの感情で読めば良いと思います。
私にとっては論調はともかくも「山で死にたくないな」という気持ちにはなったので有益な本でした。
新年で今年も安全登山を祈願するあまり、長文になってしまいました。
ukimouさん、はじめまして。この本、よく入手できましたね。
この時期はどうしても年末年始の遭難騒ぎで世間を騒がせていますから、どうしても遭難の原因云々については考えさせられますね。意外とこの件は、メディアの身勝手な登山者、山を知らない人からの危険な冬山に入るなんて、という論調に押されてそれで終わり。という感が強いです。
この冬の二件の遭難騒ぎでも2チャンネルあたりでは玉石混交の議論がなされているにもかかわらず、ここでは割と冷静というか、下手にものいえない空気が漂っているような気がします。明日は我が身といえないではないですから。
個人的には、遭難そのものが問題なのではなく、遭難も含めた登山のルールが確立されていないのが一番の問題ではないかなと思っています。だから分析ができない、しにくい。原因が究明されないから対策が遅れている。だから個人の自覚と責任のみに帰結してしまう。。と
s-katayamaさま
コメントありがとうございます。図書館で意外と簡単に・・・(笑)本見る限りあまり読まれた形跡がない様子でした。
仰るとおりですね。登山を始め自然を相手にするレジャーは本来自由であるはずのものだと思いますし「あくまで自己責任で」という立ち位置は普遍的なものだと思いますが、こと生死にかかわることであれば(誰かに迷惑がかかるとかいう事も含めて)ルールや規制はされて当然だと思います。これだけクローズアップされてきているのに簡単な登山届すら出さない人は恐らくたくさんいるんでしょうね?
規制や法律でがんじがらめにしてしまうときっと事故自体は減ると思いますが、そんな窮屈な山には魅力がない、そのバランスが難しくさせてしまっているのかもしれませんね。
とても考えさせられる本でした。
はじめまして
私も最近図書館で見つけ読みました。
良い本だと思います。
「絶版もしくは入手困難」とは知りませんでした。
残された者にも注目し、「山で死ぬなら本望」などと言わせない説得力を感じました。
heinaiさま
コメントありがとうございます。
ヤマケイでは「絶版もしくは入手困難」と分類されていたので難しいかな?と思ったのですが図書館にありました(笑)
仰るとおり、私は山大好きですが、死ぬなら山で死にたい、なんて微塵も考えたことはありません。なかなかこういう視点で書いてある本は少ないので貴重だと思います。
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