野鳥ファンの方には、既知の話題でしょうが、種名が単に「シラサギ」というサギはいないということは、雑学の1つとして話題になることがあるかと思います。現在、日本国内でみられるサギ類の中で白色の種は、一般にシラサギとよばれるコサギ、チュウサギ、ダイサギ(左の写真)の3種とアマサギ(非繁殖期)、カラシラサギで、白色でない(ゴイサギやミゾゴイのグループを除く)サギ類はアオサギ(中央の写真)とムラサキサギ(ただし九州以北では稀)でしょう。例外はクロサギで、本州では一般的に濃い灰色ですが、沖縄や鹿児島では白色の個体も生息しています。ざっと確認したところ、和名では〇〇サギで統一されているので、羽色を問わずサギ類であることが分かるかと思います。
ところが英名では、上に挙げた種のうち白色の種は"~ Egret"という種名となり、それ以外の種は"~ Heron"という種名になります。この使い分けは、オンライン版のロングマン英語辞典によれば、Egretは「水の近くに住む、長い脚と白い羽をもつ鳥(筆者訳)」、Heronは「とても長い脚と長いクチバシのある大きな鳥、水の近くに住む(筆者訳)」とされています(Egretのほうはなぜかクチバシについて言及がありません)。なんとなくお気づきかもしれませんが、これらの差異は(暗黙にサギ類であることを前提として)白いか白くないかで決まっているようです。ちなみにアマサギは繁殖期に亜麻色になりますが、egretの分類に当てはまるようですが、首から上が白いシロガシラサギ(右の写真)は翼が黒いためかheronのグループになるようです。
以上、とりとめもなくサギ類の英和名の違いを書き連ねてまいりました。およそ、普段使いできるような話題ではないですが、興味を持っていただければ嬉しいです。
(写真左:三重県伊勢市, 2023年11月14日/筆者撮影, 写真中:三重県伊勢市, 2023年7月21日/筆者撮影, 写真:アルトナ ヴィクトリア州 オーストラリア, 2023年3月5日/筆者撮影)
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