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2024年07月10日 22:06未分類全体に公開

待たせるほうが申し訳ない

「登山口に着く前に電話してくださいね。そうしたらすぐ迎えにいくので、登山口で待たないで済みますから」

登山口まで送迎を頼んだ宿の方は、車から下りる私に声をかけた。

「いいんですか。私にあわせるのは、ご迷惑では」

「いいえー、待たせるほうが申し訳ない」

「すみません。ありがとうございます。本当に助かります」

「いってらっしゃい、お気をつけて」

宿の方の自然な気遣いに、肩の力みがすっと無くなった気がした。

そして、気がついた。

気遣われるって、こんなに嬉しいものなんだ、と。

娘として、姉として、姪と甥の保護者として、教師として、私はずっと誰かを気遣う立場にいる。相手がしたいことを察し、先回りをして手を差し伸べる。自分の気遣いが足りないと、自分を責める。

そして、私にとって、誰かを頼ることは、イコール、誰かに迷惑をかけることだ。

山だって、計画をたて、荷物を持ち、移動する.....全てを独りでやってきた。

車を持っていないので、よく宿の方に送迎を頼むが、申し訳なさがいつも先立つし、自分が待つことは当たり前だと思っていた。

この世に登山口で私が待つことに対して申し訳ないと思ってくれる人がいるとは…

待たないようにと気遣ってもらえたことが、これほど嬉しいものとは…

宿の方は、自然に声をかけてくれた。仕事柄身についたことなのか、性格なのかは分からない。

どちらにしても、たまには気遣われたり頼ったりするのもいいものだな、と思う。
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