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最終更新:ヤマレコ/YamaReco
蛇紋岩と花々の共演が美しい岩手の百名山
早池峰山は岩手県の山で、日本百名山に選ばれています。北上山地のほぼ中央に位置しており、標高1917mは同山地の最高峰です。
山名の由来はいくつかあり、一説では山頂の霊池を「早池(はやち)の泉」と呼ぶことからとしています。「早池」とは水が枯れても、修験者が祈ればたちまち水が湧き出ることを意味します。
またアイヌ語の「パ・ヤ・チネカ」を語源とする説もあり、「東方の陸の脚」と訳されます。
古くは東根岳(あづまねだけ、東子岳) ないし、東岳 (あづまだけ)などと呼ばれていたようです。
珍しい高山植物に出会える山
早池峰山の成り立ちは古く、山体は永年の侵食に耐え残った蛇紋岩です。蛇紋岩地帯は植物が育ちにくく、固有種や希少種が多い独特の植生を築きます。
この山のみに自生するのはハヤチネウスユキソウ、ナンブトラノオ、ミヤマヤマブキショウマなどの5種です。他に見られる高山植物も、種類が富んでいます。
無雪期の山上は、蛇紋岩と草花が成す山岳風景が見どころです。その美しさと貴重な植物分布から国の特別天然記念物「早池峰山および薬師岳の高山帯・森林植物群落」に指定されています。さらに早池峰山は花の百名山、および新・花の百名山に選ばれています。
また北斜面は国の天然記念物「早池峰山のアカエゾマツ自生南限地」として、本州で唯一アカエゾマツが生育しています。
山頂はごつごつとした岩場
山頂は岩がごろついていますが、そこそこの広さです。早池峰神社の奥社と、早池峰山頂避難小屋が建っています。
眺望は良く岩手山や月山、鳥海山など東北の名峰に加え、太平洋が望めることもあります。
漁師も崇める信仰の対象
早池峰山は霊山です。三陸沿岸からも見えることから、航海の目印や守り神として漁師らの信仰も集めました。
山頂の早池峰神社奥社には、たくさんの剣が突き立って奉納されています。麓の早池峰神社は複数あり、それぞれ登拝路の入口近辺に設けられています。
また修験道の霊場としても栄え、山伏らが修行を行っていました。彼らが舞い継いだとされる早池峰神楽は、500年以上の歴史があるユネスコの無形文化遺産です。山開きとする毎年6月の第2日曜には、早池峰神社奥社で早池峰神楽が奉納されています。
定番は小田越からの道
早池峰山の登山道は、四方の麓から山頂へ収斂するように付いています。
専ら選ばれているのは南側の登山道で、比較的短い時間で登頂できるとされています。南麓の登山口は小田越(おだごえ)登山口と河原の坊(かわらのぼう)登山口の2箇所です。前者は尾根上に、後者は谷に沿って道が付けられています。
ただし現在、通行できるのは小田越登山口からのルートのみです。河原の坊から伸びる登山道は、一部崩落による立ち入り禁止が続いています。
小田越登山口に駐車場は無く、自家用車で向かう場合は河原の坊登山口に駐車します。また登山者が多いこともあり、特定日はマイカー規制が実施されています。その対象は山開きから8月上旬までの土曜日曜と祝日で、夜を除いて行われます。この場合、登山口へのアクセスは岳ないし江繋でシャトルバスに乗り換えるほか、花巻駅からの直行バスやタクシーなどを利用します。
小田越登山口からの出だしは木々が茂る道です。
ほどなく一合目の御門口を迎え、森林限界を超えます。ここから見晴らしの良い登りが始まります。
蛇紋岩の道はつるつるとした平面が多く、足を滑らせないよう注意が必要です。
七合目と八合目の間には、天狗の滑り岩なる大岩が立ちはだかっています。乗り越えるために長い鉄の梯子がかけられています。
早池峰山は原則、日帰りで登ります。点在する山小屋は無人の避難小屋のみで、緊急時以外の使用は禁止されています。
携帯トイレの利用が推奨される山
山中にトイレは無く、携帯トイレの持参が呼びかけられています。登山道脇や避難小屋にはそれ専用のブースが設けられています。
登山口 |
河原の坊登山口 小田越登山口 鶏頭山登山口(岳) 握沢登山口 |
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周辺の山小屋 |
※すべて無人の避難小屋、緊急時以外の利用禁止 早池峰山頂避難小屋 鶏頭山避難小屋 うすゆき山荘 小田越山荘 |