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アルプス4000ｍ峰（ゲーゲケ版）

ラウターアールホルン(Lauteraarhorn)

ラウターアールホルンの情報を編集

最終更新：ベルクハイル

基本情報

標高	4042m
場所	北緯46度35分00秒, 東経08度07分42秒

カシミール3D

ラウターアールホルン（Lauteraarhorn;4042m）は、スイス中部、ベルナーオーバーラント(“Berner oberland”)山群の一峰である。

ベルナーオーバーラント山群を細かく分ける区分では、東部ベルナーオーバーラント山群（アール山群(“Aar(e) Massif”）ともいう）に属する（文献１）、（文献２）、（文献３）、（文献４）。

ラウターアールホルンやシュレックホルン含む、東部ベルナーオーバーラント山群（アール山群）は、北西―南西走向の主稜線をもち、いくつかの高峰が主稜線上に並んでいる。ラウターアールホルンから北に約２ｋｍの位置には、シュレックホルン(“Schreckhorn”;4078m)があり、遠方からは一塊の巨大な岩峰群に見える。

ラウターアールホルンの西側は、”Ober Ischmeer”と呼ばれる小規模な氷河の谷となっている。また東側には、ラウターアール氷河（”Lauteraar Glacier”）が延びている。（文献４）。

ラウターアールホルンから延びる稜線は３つある。
北西側に延びる主稜線の先には、シュレックホルンがある。反対の南東側に延びる主稜線の先には、ラウターアールロートホルン(“Lauteraarrothorner”;3476m)があり、その先は氷河へと落ちている。ラウターアールホルンからは西へも枝尾根が延びており、それは、少し先にシュトラールエックホルン（“Strahlegghorn”；3461ｍ）があり、そこから南東方向へと向きを変え、主稜線と平行に走って、最後は氷河へと落ちている。主稜線と、この枝尾根との間は、シュトラールエック氷河（“Strahlegg Glacier”）が横たわっている（文献２）、（文献４）。

ラウターアールホルンの山頂部は、主峰を含めた３つのピークからなる特徴的な姿をしている。３つのピークは北側から順に、北峰（”The north summit”;4,015 m) 、中央峰（” The central summit”;4,014 m)、主峰（”The main summit”;4042ｍ）と呼ばれている（文献２）。

ラウターアールホルンは、ベルナーオーバーラント山群の中でも奥まった位置にあり、特にアプローチが大変である。そのため（文献１）では、この山のことを「アルプスの秘境」と称している。

ラウターアールホルンの初登頂は、1842年８月に、A. Escher von de Linde(地質学者),P. J. E. Desor（氷河学者）, C. Girard, M. Bannholzer(guide), J. Leuthold(guide)による５人パーティにより、達成された（文献１）、（文献２）。

ラウターアールホルンへの一般的な登攀ルートについて、（文献１）に基づいて説明する。
アプローチは、ベルナーオーバーラント山群の南東側にあたる、グリムゼル峠からスタートする。そこから、グリムゼル湖（”Grimselsee”）沿いに谷を登り、ウンターアール氷河（“Unteraar glacier”）、フィンスターアール氷河（“Fiescheraar Glacier”）沿いに、モレーン地帯、氷河上を歩き、更に、シュトラールエック氷河（“Strahlegg-Gletscher”）へと進んだ場所に、アールビバーク小屋（”Aar Bivac”;約2700m）があるので、ここで一泊する。
このビバーク小屋からは、少しシュトラールエック氷河沿いに登り、途中から険しいラウターアールホルンの南壁へ取りついて登攀する。一般的には、南壁にあるクーロアール沿いに登攀するルートが利用されるが、雪崩の危険性は伴う。頂上の肩の位置まで登攀して、後は岩稜をたどると、ラウターアールホルンの山頂に至る。

グリムゼル（湖）からアールビバーク小屋まで、登りで約7時間、距離は約19ｋｍ、標高差は約900ｍ。
アールビバーク小屋からラウターアールホルンの山頂まで、登りで約５－６時間、標高差は約1300ｍ。

ラウターアールホルン南壁の、登攀ルートの難易度は、フレンチグレードで、ＡＤ（＋）。全体に岩と雪のミックスルート。
岩場のピッチグレードは、Ⅰ～Ⅱ。氷雪斜面（クーロアール部）の最大斜度は約40度。

本稿は、「アルプス４０００ｍ峰登山ガイド」リヒャルト・ゲーゲテ著、島田　訳、山と渓谷社　刊　（１９９７）の、「ラウターアールホルン」の項（文献１）、
ウイキペディア英語版の、ラウターアールホルン(“Lauteraarhorn”)の項（文献２）、
ウイキペディア　ドイツ語版の、ラウターアールホルン(“Lauteraarhorn”)の項（文献３）、及び、
スイスの公的なインターネット地形図（Swiss Topo）（文献４）、
を参照して記載した。

※ ウイキペディア英語版の、ラウターアールホルン(“Lauteraarhorn”)の項

　https://en.wikipedia.org/wiki/Lauteraarhorn

※ ウイキペディア　ドイツ語版の、ラウターアールホルン
(“Lauteraarhorn”)の項

　https://de.wikipedia.org/wiki/Lauteraarhorn

※ スイスの公的なインターネット地形図（Swiss Topo）のサイト

　https://map.geo.admin.ch/