ヨーロッパ
ヴェッターホルン(Wetterhorn)
最終更新:ベルクハイル
基本情報
標高 | 3962m |
---|---|
場所 | 北緯46度38分17秒, 東経08度06分54秒 |
ヴェッターホルン(Wetterhorn;3692m)は、スイス中部、ベルナーオーバーラント(Berner oberland)山群のうちの、一峰である。
ベルナーオーバーラント地域の山岳リゾートとして有名な、グリンデルワルト(Grindelwald)の町の北東、約8kmの位置にあり、アイガー(Eiger)、メンヒ(Monch)、ユングフラウ(Jungfrau)と並び、グリンデルワルト周辺の山々の一つとしてよく知られている。
ヴェッターホルンは、巨大な岩山という感じのゴツゴツした山容であり、インパクトのあるその山容は、グリンデルワルトの町からも良く望むことができる。
(文献4)では、このヴェッターホルンのことを、「牧歌的なみどりの谷間からゴシックの大聖堂のようにいくつもの柱状岩稜をそそり立たせ・・(中略)・・いかにも美しい」、「18-19世紀の多くの風景画家がグリンデルワルトの風景を描いたが、その背景に登場させたのは、象徴的な姿をしたヴェッターホルンであった」とも書かれている。
また頂上部は主に3つのピークから構成されていることから、ドイツ語では複数形で、“Wetterhörner”とも呼ばれる(文献1)、(文献2)。
頂上部の3つのピークはそれぞれ、ヴェッターホルン(本峰) ”Wetterhorn”(3692m)、ミッテルホルン “Mittelhorn” (3704 m)、ローゼンホルン ”Rosenhorn” ; 3689 m)と呼ばれている(文献1)、(文献2)。
ヴェッターホルンは、グリンデルワルトの北東に、やや独立峰的にそびえている。
その西側は、氷河が削った、標高差 約1300mもある巨大な岩壁(西壁)となっており、グローセシャイディック(Grosse Scheidegg)という峠へと落ち込んでいる。南側は、オーバーグリンデルワルト氷河を間に挟み、メッテンベルク(Mattenberg ; 3104m)という山がある。東側は、ローゼンラウイ氷河(Rosenlouwi Glacier)など、いくつかの氷河の源頭部となっている。北側は短めの尾根が続き、その先に、ヴェレンホルン(Wellhorn;3191m)がある(文献3)。
ヴェッターホルン(Wetterhorn)という名前のうち、“Wetter”とはドイツ語で、「天気」、「気象」を意味する(英語の“Weather”の類似語)。”Horn”は、スイスのドイツ語圏でよく使われる言葉で、「峰」、「山」(特に高くて険しい山)を意味する。
すなわち、ヴェッターホルンという名前は、日本語に訳すると、「天気の山」という意味になる(文献4)。
これは、この山に雲がかかると天気が悪くなり、雲がかかっていないと天気は悪くならない、という、このグリンデルワルト付近での観天望気的な山であったことに由来する、という(文献4)。
地質学的には、(文献5)によると、石灰岩と片麻岩で構成されている。
ヴェッターホルンの初登頂は、1844年8月に、グリンデルワルトの山岳ガイドであった、H. Jaun , M. Bannholzer による2人パーティにより、達成された(文献1)、(文献2)、(文献4)。
ヴェッターホルンへの一般的な登攀ルートについて、(文献5)に紹介されているコースに基づいて説明する。
この山へは、グリンデルワルト側からスタートし、中腹にある、グレックシュテイン小屋(Gleckstein Hutte;2320m)まで登り、一泊する。
そこから、脆い片麻岩と石灰岩で出来た岩場を登攀し、主稜線上のヴェッターザッテル(Wetter Sattel ;3479m)と呼ばれるコルに至る。ここから主稜線を少し西に進むと、ヴェッターホルン(本峰)に達する。
他の2つのピークも登る場合(縦走)は、いったん、ヴェッターザッテルに戻り、東へと岩稜である主稜線を登攀すると、まずミッテルホルン(Mittelhorn;3702m)、次いで、ローゼンホルン(Rosenhorn;3672m)に至る。
また、北東側、ローゼンラウイ氷河(Rosenlouwi Glacier)側にもドーゼン小屋(Dossen Hutte)という山小屋があり、こちら側からスタートするルートや、縦走後にローゼンラウイ氷河側に下るルートも使われる。
このルートの難易度は、UIAAグレードで、3級(+)。
※ 本稿は、
ウイキペディア(英語版)の、ヴェッターホルン ”Wetterhorn“ の項(文献1)、
ウイキペディア(ドイツ語版)の、ヴェッターホルン ”Wetterhorn“ の項(文献2)、
スイスの公的なインターネット地形図(Swiss Topo)(文献3)、
近藤 等 著「アルプスの名峰」 山と渓谷社 刊(1984)
の、「ヴェッターホルン」の項 (文献4)、
及び、ハンス・グロッセン著(近藤 等 訳)、
「ベルナーオーバーラント 特選100コース」(日本語版)
山と渓谷社 刊 (1983)の、「ヴェッターホルン」の項 (文献5)
を参照して記載した。
※ ウイキペディア(英語版)の、ヴェッターホルン(Wetterhorn)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Wetterhorn
※ ウイキペディア(ドイツ語版)の、ヴェッターホルン(Wetterhorn)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/Wetterhorn
※ スイスの公的なインターネット地形図(Swiss topo)のサイト
https://map.geo.admin.ch/
ベルナーオーバーラント地域の山岳リゾートとして有名な、グリンデルワルト(Grindelwald)の町の北東、約8kmの位置にあり、アイガー(Eiger)、メンヒ(Monch)、ユングフラウ(Jungfrau)と並び、グリンデルワルト周辺の山々の一つとしてよく知られている。
ヴェッターホルンは、巨大な岩山という感じのゴツゴツした山容であり、インパクトのあるその山容は、グリンデルワルトの町からも良く望むことができる。
(文献4)では、このヴェッターホルンのことを、「牧歌的なみどりの谷間からゴシックの大聖堂のようにいくつもの柱状岩稜をそそり立たせ・・(中略)・・いかにも美しい」、「18-19世紀の多くの風景画家がグリンデルワルトの風景を描いたが、その背景に登場させたのは、象徴的な姿をしたヴェッターホルンであった」とも書かれている。
また頂上部は主に3つのピークから構成されていることから、ドイツ語では複数形で、“Wetterhörner”とも呼ばれる(文献1)、(文献2)。
頂上部の3つのピークはそれぞれ、ヴェッターホルン(本峰) ”Wetterhorn”(3692m)、ミッテルホルン “Mittelhorn” (3704 m)、ローゼンホルン ”Rosenhorn” ; 3689 m)と呼ばれている(文献1)、(文献2)。
ヴェッターホルンは、グリンデルワルトの北東に、やや独立峰的にそびえている。
その西側は、氷河が削った、標高差 約1300mもある巨大な岩壁(西壁)となっており、グローセシャイディック(Grosse Scheidegg)という峠へと落ち込んでいる。南側は、オーバーグリンデルワルト氷河を間に挟み、メッテンベルク(Mattenberg ; 3104m)という山がある。東側は、ローゼンラウイ氷河(Rosenlouwi Glacier)など、いくつかの氷河の源頭部となっている。北側は短めの尾根が続き、その先に、ヴェレンホルン(Wellhorn;3191m)がある(文献3)。
ヴェッターホルン(Wetterhorn)という名前のうち、“Wetter”とはドイツ語で、「天気」、「気象」を意味する(英語の“Weather”の類似語)。”Horn”は、スイスのドイツ語圏でよく使われる言葉で、「峰」、「山」(特に高くて険しい山)を意味する。
すなわち、ヴェッターホルンという名前は、日本語に訳すると、「天気の山」という意味になる(文献4)。
これは、この山に雲がかかると天気が悪くなり、雲がかかっていないと天気は悪くならない、という、このグリンデルワルト付近での観天望気的な山であったことに由来する、という(文献4)。
地質学的には、(文献5)によると、石灰岩と片麻岩で構成されている。
ヴェッターホルンの初登頂は、1844年8月に、グリンデルワルトの山岳ガイドであった、H. Jaun , M. Bannholzer による2人パーティにより、達成された(文献1)、(文献2)、(文献4)。
ヴェッターホルンへの一般的な登攀ルートについて、(文献5)に紹介されているコースに基づいて説明する。
この山へは、グリンデルワルト側からスタートし、中腹にある、グレックシュテイン小屋(Gleckstein Hutte;2320m)まで登り、一泊する。
そこから、脆い片麻岩と石灰岩で出来た岩場を登攀し、主稜線上のヴェッターザッテル(Wetter Sattel ;3479m)と呼ばれるコルに至る。ここから主稜線を少し西に進むと、ヴェッターホルン(本峰)に達する。
他の2つのピークも登る場合(縦走)は、いったん、ヴェッターザッテルに戻り、東へと岩稜である主稜線を登攀すると、まずミッテルホルン(Mittelhorn;3702m)、次いで、ローゼンホルン(Rosenhorn;3672m)に至る。
また、北東側、ローゼンラウイ氷河(Rosenlouwi Glacier)側にもドーゼン小屋(Dossen Hutte)という山小屋があり、こちら側からスタートするルートや、縦走後にローゼンラウイ氷河側に下るルートも使われる。
このルートの難易度は、UIAAグレードで、3級(+)。
※ 本稿は、
ウイキペディア(英語版)の、ヴェッターホルン ”Wetterhorn“ の項(文献1)、
ウイキペディア(ドイツ語版)の、ヴェッターホルン ”Wetterhorn“ の項(文献2)、
スイスの公的なインターネット地形図(Swiss Topo)(文献3)、
近藤 等 著「アルプスの名峰」 山と渓谷社 刊(1984)
の、「ヴェッターホルン」の項 (文献4)、
及び、ハンス・グロッセン著(近藤 等 訳)、
「ベルナーオーバーラント 特選100コース」(日本語版)
山と渓谷社 刊 (1983)の、「ヴェッターホルン」の項 (文献5)
を参照して記載した。
※ ウイキペディア(英語版)の、ヴェッターホルン(Wetterhorn)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Wetterhorn
※ ウイキペディア(ドイツ語版)の、ヴェッターホルン(Wetterhorn)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/Wetterhorn
※ スイスの公的なインターネット地形図(Swiss topo)のサイト
https://map.geo.admin.ch/
山頂 |
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