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更新日:2019年10月31日 訪問者数:692
登山・ハイキング 技術・知識
実際の歩行時間と標準コースタイム(CT)を比較してみました
Swan_song
実際に山歩きをしていると、標準コースタイム(CT)より早く歩けることが多いと実感します。ハイカーの実際の歩行時間はCTと比べどのくらいなのか?ヤマレコに公表されている山行記録から調査してみました。
1 方法

1.1 対象コース

今回調査を行った対象コース(15コース)を表1に示しました。
表1 調査対象山岳名と対象区間
ピンク地のコースは100サンプル、青地のコースは50サンプル、橙地のコースは20サンプルを対象にしました。
1.2 調査方法

ヤマレコで公表されている各コースの歩行時間(片道)を無作為に集め、昭文社の「山と高原地図」に記載されているCTを基準として、次式からCT比を求めました。

CT比=(実際の歩行時間(min))/(CT(min))

また、CT比が1.0以下の山行割合と0.8以下の山行割合を求めました(サンプル数(n)50以上のコースを対象)

利尻岳、谷川岳及び塔ノ岳コースはCT比についてのヒストグラムを作成しました。

また、ヒストグラムの対象となった3コースのばらつきを見るために、CT比の変動係数(CV)を求めました。

CV=(CT比の標準偏差 σ)/(CT比の平均値)
2 結果及び考察

2.1 ヒストグラム

利尻岳、谷川岳及び塔ノ岳コースのCT比のヒストグラムを図1に示しました。
図1 利尻岳、谷川岳及び塔ノ岳についてのCT比のヒストグラム
どのコースのCT比も正規分布を示しました。
利尻岳及び塔ノ岳コースは、CT比が0.7~0.9に、谷川岳コースは、CT比が0.6~1.0に人数が多いことがわかりました。

CV値は、塔ノ岳コースについては0.16、利尻岳コースについては0.19、谷川岳コースは0.21で、谷川岳コースが一番ばらつきが大きくなりました。谷川岳コースの上部では、険しい岩場が続き、個人の技量の差が歩行時間に影響するからと考えられました。

一方、塔ノ岳コースが一番ばらつきが小さくなりました。このコースは、整備が行き届き、個人の技量の差が現れにくいからと考えられました。
2.2 各コースの平均歩行時間とCTの比較

各コースの平均歩行時間,CT及びCT比を表2及び3に、更にCT以内(CT<1.0)で歩いた人数割合及びCTの0.8以内(CT<0.8)で歩いた人数割合も示したものを表2に示しました。
表2 実際の歩行時間とCTとの比較(n:50以上)
CT比は0.74~0.87で、どのコースも実際の平均歩行時間はCTよりも早く歩けることがわかりました。

CT<1.0の人数割合は、利尻岳、塔ノ岳、白毛門、剱岳及び燕岳のコースについては90%以上、谷川岳、甲斐駒ヶ岳及び烏帽子岳のコースについては80%以上、会津駒ヶ岳は78%で、大部分の人がCTより早く歩けることがわかりました。

CTの80%以内の人の割合も35~64%存在しています。
表3 実際の歩行時間とCTとの比較(n:20)
CT比は0.74~0.78で、どのコースも実際の平均歩行時間はCTよりも早く歩けることがわかりました。
3 まとめ

今回、調査した15コースに関しては、次のことが明らかになりました。

・どのコースも平均歩行時間はCTと比べ短く、CT比は0.74~0.87でした。
・コースによってばらつきはありますが、78~98%の人がCTより早く歩いています。
・CTの80%以内で歩ける人の割合も35~64%存在しています。
・コースの性質がCT比のばらつきに影響を与えることが推定されました。
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この記録へのコメント

登録日: 2016/5/5
投稿数: 1599
2019/10/30 23:09
 CT設定
 swanさん、こんばんは〜

 コースタイムは「一般的な登山者が…」と定義が書かれていますが、実際歩いてみると、ここのCTキツイ!なこともあれば、CT緩すぎ〜も。また林道区間で自転車に乗って計ったのでは?と思うほどCTキツ過ぎなことも有りました。また区間ごとにキツユル混合なケースも(区間設定を間違った?)

 いっそswanさん解析の実登山者・実平均CTを使った方が良いんじゃないの?と思ってしまったりもします(^_^;)

 ちなみに飯豊山では地元のNPOの方が活躍されていて、そのHPに実際に歩いて算出、山と高原地図とやりとりされている様子が書かれているのを見かけたことがあります>http://j.mp/2uuRwGP
登録日: 2014/9/28
投稿数: 2301
2019/10/31 8:01
 Re: CT設定
toshiさん おはようございます

そう言われればそうですね。
ヤビツ峠から大山間や八ヶ岳はきつめに設定している実感がありますし、
越後三山のコースタイムはゆるゆるに設定しているのかと実感しています。

今回、15コース選定したものでも差が出ております。
これはすべてのコースで歩行時間がCTより下回っているにしろ、CT設定にはばらつきがあることを示してます。
無作為に15コース選んですべてCTより下回っていることは、
CTを上回る様な非常にきつめな設定しているケースは稀なのかもしれません。
他に10コース程調査しておりますが、すべてのケースで歩行時間はCTを下回っております

>いっそswanさん解析の実登山者・実平均CTを使った方が良いんじゃないの?
→ 良い案ですね。ただその日の体調のことも考慮に入れないといけないかもしれません。

ただ、toshiさんのおっしゃる通り一般化するには飛躍があるのかもしれません。
(結論の所に、「今回調査した15コースに関しては」を追加したいと思います)

ご指摘、勉強になります。ありがとうございました。
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