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更新日:2020年04月18日 訪問者数:226
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日本の山々の地質;第一部 四国山地、 1−2.石鎚山脈の概要
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(1) 石鎚山脈の概要
石鎚山脈は、四国の北西部、愛媛県と高知県の間に東西に延びる山脈です。
東端は、大歩危・小歩危渓谷で吉野川に切られ、西端は、肱川に切られており、全長が約120kmほどの直線的山脈です。山脈の北側には中央構造線(地質境界)と、それにほぼ沿うような中央構造線(活)断層帯があり、これらの断層群により1000-1900m級の稜線から北側の平野部へと急角度の傾斜を持っています。山脈の南側には明確な断層はありませんが、徐々に高度を下げ、1000〜1500m程度の標高を持つ四国山地中央部に連続しています。

石鎚山脈の成因は、その北側に東西方向に延びている、「中央構造線」と深い関係があります。中央構造線は、約1憶年前(ジュラ紀後期)から断続的に活動をしている日本有数の構造線ですが、最近200万年ほど(第四紀)は、右横ずれ断層として活動していることが地形学的観察から判明しています。(※ 「右横ずれ」とは、断層の手前側に観察者が立っているとして、断層の向こう側が相対的に右側に動くような運動を意味します。「左横ずれ」はその逆の動き)。

四国では、中央構造線断層帯は活断層として活動しており、ちょうど愛媛県(四国中央市)と徳島県(三好市)の県境を中間点として、その中間点の西側では、構造線の南側部分が(相対的に)西へと動きつつ、隆起がおこり、直線的な石鎚山脈ができたと考えられています。また、その中間点より東側では逆に、構造線の北側部分が(相対的に)東へと動きつつ、隆起がおこり、香川県/徳島県の県境となっている直線的な阿讃(あさん)山地(標高 1000m級)ができたものと考えられています。

この中央構造線断層帯の活動は現在も続いており、その結果、石鎚山脈は、第四紀において、2mm/1000年程度の大きな隆起量を示しています(100万年間の累積変位から推定される隆起量)。


(2) 石鎚山脈の地質概要
 石鎚山脈の地質の特徴としては、山脈のほとんどが、三波川帯に属しており、高圧型変成岩である結晶片岩が全体を形作っている点です。
ここの結晶片岩は、海洋プレートの陸側プレート下への沈み込みに伴って地下深くに押し込まれた「付加体」が源岩であり、およそ30〜40kmの深さまで沈み込んで、地圧による変成作用を受け、結晶片岩へと変化したものです。
地下深くまで沈み込んだ岩体が、なぜ地表にまで再上昇してきたかについては、いくつかの仮説はありますが、まだ明快には説明されていません。
三波川帯の結晶片岩の源岩は、秩父帯(ジュラ紀付加体)の続きという説が有力ですが、秩父帯の南にある四万十帯(白亜紀〜新第三紀付加体)の続き、という説もあります。
秩父帯の延長という説をとると、付加年代はおおよそ1.5憶年前のジュラ紀、その後の地下深くでの変成は、約1憶年前の白亜紀中期、と見積もられています。

結晶片岩には、源岩(地質)によりいくつかの種類がありますが、石鎚山脈で多いのは、「緑色片岩」です。その名のとおり緑色をしており、褶曲によって、波打つような模様があるため、庭石などに利用されています。他には、砂岩を源岩とした砂質片岩(薄灰色)や、泥岩を源岩とした泥質片岩(黒っぽい色)も点在します。
緑色片岩の源岩は、沈み込む海洋プレート上の火山性噴出物(凝灰岩など)や、海洋プレート最上部の玄武岩だと考えられています。

石鎚山脈は上記のとおり、「三波川結晶片岩」が主体でできている山脈ですが、一部には違う岩石群が顔を出しています。
まず、最高峰の石鎚山とその周辺は、約1500万年前に存在した火山に由来する、火砕流堆積物(安山岩質)が広く分布しています。また石槌山の南側の、面河(おもご)渓谷では、その火山の元となったマグマが固まってできた花崗岩が露出しています。
次に、石鎚山脈の東部にある赤石山群(東赤石山、西赤石山、えびら岳、二つ岳)は、かんらん岩という、マントル由来の特殊な岩石が露出しており、そのかんらん岩体を囲むように、変成岩の一種である角閃岩が分布しています。
1−2章 石鎚山脈の地質概要
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